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SEMICON Japan 2016プレビュー

12月14日(水)から16日(金)、世界最大級のエレクトロニクス製造サプライチェーンの総合展示会「SEMICON Japan 2016」が東京ビッグサイトで開催される。今回で、40周年を迎えるSEMICON Japanは、日本の電子産業の明るい未来を映す場になりそうだ。電子産業に限らず、あらゆる分野の産業で、IoTを活用した新しいビジネスやサービスの創出に取り組み始めている。IoTを効果的に社会実装するためには、新しい半導体、しかもこれまで以上に多様な半導体が求められる。SEMICON Japan 2016では、日本の半導体業界の役割を再定義する、数々の提案が出され、出展社と来場者の間で熱い議論の和が広がることだろう。

昨年の展示会場

 1977年に東京国際見本市会場(晴海)で開催された第1回以来、SEMICON Japanは日本の半導体産業の今と未来を映す場であり続けてきた。

 「電子立国」と呼ばれて世界で大量消費する半導体デバイスの生産を担った1980年代、厳しい国際競争にさらされデバイスメーカーが新ビジネスを模索した1990年代、そして事業と組織の整理統合を進めながら世界の中での日本の役割を探り続けた2000年代以降――。SEMICON Japanで披露される新しい技術の数々と、展示会場やセミナー会場で繰り返した議論は、次の時代を開くための糧となっていた。

 40周年となったSEMICON Japan 2016は、「地図はここにある。さぁ、ビジネスの新大陸へ」をテーマに開催される。IoTを中心軸に据えて技術と事業の発展を目指し始めた世界の電子業界の中で、これからの日本の半導体業界がどのような役割を担っていくのか。徐々に像を結び始めている様子を、具体的な取り組みを通じて、ハッキリと感じられる場となることだろう。展示会場や講演・セミナー、用意される数々のイベントを通じて、新しい息吹を感じてみて欲しい。

IoTの牽引者がここにいる

 展示会場では、今回で3回目となる特別展「WORLD OF IOT」が開催される。IoTを実現するための技術や、IoTによるソリューション、システム、アプリケーションなど、多岐にわたるIoTの世界を俯瞰するIoT総合イベントである。今回は、30社以上のIoTのキープレイヤーが新規出展し、前回の122小間から、約140小間へと拡大する見込みである。

 新規出展する企業団体は以下の通り。インダストリアルIoT/スマートマニュファクチャリング分野からは、SAPジャパン、パナソニック、ファナック、コニカミノルタ。自動車/パワー分野からは、エヌビディア。センサー/MEMS分野からはソニーセミコンダクタソリューションズ、村田製作所、アナログ・デバイセズが出展する。また、IoTの応用拡大への寄与が期待されるフレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス(FHE)技術を紹介するエリアが新設され、関係研究組織を中心に13社の新規出展が見込まれている。

 その他、トヨタ自動車、シーメンス、三重富士通セミコンダクター、日立製作所、シスコシステムズ、日本アイ・ビー・エム 東京基礎研究所といった、これからのIoTの発展を引っ張っていくお馴染みの企業も出展する。

 加えて、WORLD OF IOTに隣接した「INNOVATION VILLAGE」には、約40社の技術系スタートアップが新規出展し、斬新な技術とユニークなアイデアとの交流による、新たなイノベーション創出の機会も用意されている。

IoT最前線をここで議論

 12月15日には、Industrial IoTフォーラム「デジタル化する製造業競争」が開催される。ここでは、今後のIoTビジネスの大本命とされるデジタル製造業の新潮流を、シーメンス、GEデジタル、ファナックといった世界を代表するソリューションプロバイダーが語る。

 12月16日には、Smart Healthcareフォーラム「IOTが創り出す健康未来生活」が開催される。ライフサイエンスやヘルスケア分野で進む、IoTによる情報技術と健康・医療サービスの融合によるイノベーションを、コニカミノルタ、島津製作所など機器メーカーとインターネット協会が展望する。

 同じく16日には、IOT Platformフォーラム「製造業のためのIOTプラットフォーム活用術」も開催される。インテル、オムロンなど世界を代表するサプライヤーと、SAPジャパンやインフォコーパスといったITとOTのベンダーが製造業に向けたIoTプラットフォームの最前線を語る。

半導体の未来がここに映る

 規模と件数が共に急増した企業統合、中国の半導体投資の拡大、そしてIoTの台頭による成長分野の変化などによって、電子産業のビジネス環境は根底から変った。こうした混迷した時代の方向性を指し示す数多くの講演とセミナーが用意されている。いずれも聴講は無料である。

 12月14日の開幕を飾る会議棟1階のSuperTHEATERでのオープニングキーノートでは、「未来へ」をテーマに、価値観と文化が大きく変わる、想像を超えた近未来の世界を、2人の世界的な研究者が展望する。まず、IBMの世界11研究所に在籍する約1500人の研究者を指導するIBM Research Science&Solutions Vice PresidentのDario Gil氏が、「The Cognitive Era and the New Frontiers of Information Technology」と題して、コグニティブ・コンピューティングや量子コンピューティングなど情報技術の最前線を語る。また、筑波大学 助教 デジタルネイチャー研究室主宰の落合陽一氏が、「魔法の世紀」と題して、世界で起こりつつある決定的な変化の本質、さらにはコンピュータがもたらす「来るべき未来」の姿を披露する。

 SuperTHEATERでは、SEMICON Japanを構成する各分野の基調となる9つのフォーラムも用意されている。12月14日には、半導体エグゼクティブフォーラム「新たなビジネス創造へ向けて」、SEMIマーケットフォーラム「エレクトロニクスバリューチェーンの展望と成長機会」。12月15日には、Industrial IoTフォーラム 「デジタル化する製造業競争」、Autonomous&Connected Carフォーラム「自動運転と安全制御」、ITフォーラム「製造業におけるサイバーセキュリティ」。12月16日には、テクノロジートレンドフォーラム「2020年、東京オリンピック、全ての人にイノベーションを」、製造イノベーションフォーラム「未来へのブレークスルー技術」、IOTイノベーションフォーラム「IOTに向けた半導体デバイス」が開催される。

若手が集う場がここにある

 また、40周年記念事業として、若手エンジニアや学生を対象とした「MIRAI GAKKO」が開催される。これからの電子産業の発展の推進力となるイノベーションの担い手の育成、確保を狙った企画である。若手社員、学生を対象とした6つのイベントで構成されている。

 「TECH CAMP」は、ハッカソン、セミナー、交流会で構成された3日間の集中講座、「アカデミア」は大学による研究開発の展示・口頭発表の場、「未来COLLEGE」は大学生・大学院生向け業界ガイダンス・ブースツアー、「未来プログラム」は若手社員/学生向けセミナーとパネルディスカッション、「THE 高専」は高等専門学校の学生による研究発表会・展示、「INNOVATE Reception」は学生、若手社員、ベンチャーの交流会である。