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Vol.01 ボード間接続の革新が新しい価値を生み出す

電子機器の中には、さまざまなボードやモジュール、部品を接続するコンタクトやコネクタが無数に使われている。機器の設計や生産技術の開発で、こうしたコンタクトやコネクタを扱う機会があるエンジニアは、アルプス電気が開発した圧接コンタクト(micro clip)の活用を一度検討してみてはどうか。既存の圧接コンタクトやコネクタを置き換えることで、これまで解決できなかった問題が解消し、実現不可能と思っていた機器が開発できるかもしれない。圧接コンタクト(micro clip)は、機器中で何の変化もないと思われていた部分で突然起きた技術革新だ。小型化、信頼性向上、高性能化、部品点数の削減、生産工程の単純化――。使い手のイマジネーション次第で、その潜在能力が一気に解き放たれることだろう。

 圧接コンタクト(micro clip)とは、アルプス電気が誇る精密なプレス加工技術を駆使して作った、新型の圧接コンタクト技術である(図1)。極めて小さい部品でありながら、いかなる方向から振動や衝撃が加わっても、安定した接続を維持できる機能を持っている。

図1 アルプス電気が量産出荷する圧接コンタクト(micro clip)

 この部品は、一般の消費者が直接目にする製品ではない。また、これを機器に採用した効果を、消費者が直接実感できるものでもない。ただし、電子機器の設計や生産技術の開発に与えるインパクトは極めて大きい。民生機器、産業機器、オフィス機器など、あらゆる分野の電子機器中で、当たり前のように無数に使われているコンタクトやコネクタを、ガラリと置き換える可能性を秘めているからだ。

接続を制する者は機器事業を制する

 電子機器の中には、さまざまなボードやモジュール、部品を接続するコンタクトやコネクタが無数に使われている。機器の設計や生産技術の開発で、こうしたコンタクトやコネクタを扱う機会があるエンジニアは、アルプス電気が開発した圧接コンタクト(micro clip)の活用を一度検討してみてはどうか。既存の圧接コンタクトやコネクタを置き換えることで、これまで解決できなかった問題が解消し、実現不可能と思っていた機器が開発できるかもしれない。圧接コンタクト(micro clip)は、機器中で何の変化もないと思われていた部分で突然起きた技術革新だ。小型化、信頼性向上、高性能化、部品点数の削減、生産工程の単純化――。使い手のイマジネーション次第で、その潜在能力が一気に解き放たれることだろう。

  電子機器の高性能化、小型化、高信頼性化を推し進めるためには、1ボード、1チップの中に、機器中の機能をなるべく多く集約した方がよい。しかし、現実にはボード間接続はなくせない。市場投入直前まで設計変更を繰り返す部分と先行開発して認証試験の合格を目指す部分を分離したい、自社開発部分の技術流出を防止するためボードを分離したい、世界中で分散生産したモジュールを市場の近隣で組み合わせて出荷したい。こうした、戦略的な理由で、あえて1ボード化、1チップ化しない例も増えている。このためボード、モジュール、部品の間をつなぐ技術の進歩は、電子機器事業で選択できる戦略の幅を広げるうえで欠かせない。

 ところが、電子機器の中で、ボード間、ボードと部品をつなぐ技術では、長い間大きな技術的な進歩がなかった。プラグとソケットを噛み合わせて接点を固定する嵌(かん)合コネクタや、ケーブルを介してのハンダ付けが、半世紀前も、そして今も形を変えずに使われている。接続技術の足踏みが、電子機器全体の進歩を阻害している側面さえあった。

 コネクタ接続では、ソケットの配置が回路性能を大きく左右する。設計制約上、ときにはボードの隅に配置せざるをえない場合も多い。例え、ボードの任意の位置で接続できれば配線が短くなり、ノイズ対策や配線の高速化の面で有利になると分かっていても、ボードの端まで配線を引き回さなければならなかったのだ。また、1カ所の接合に要する部品点数も、接続の両端のソケットとプラグ、それをつなぐケーブルの計5点が必須。さらに、組み立て時には、ソケットにプラグをはめ込む嵌合工程が必要だった。

 一方、既存の圧接コンタクトでは、バネの機構上、接続部が微妙にズレて特性が変わったり、腐食ガスの影響を受けたりするなど、機器の信頼性を損なう可能性があった。

アルプスの加工技術の粋を凝縮

アルプス電気 技術本部 C5技術部 第3グループグループマネージャー(課長)の川端隆志氏(左)と同 第2グループの横田純一郎氏
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 「既存の接続技術を使う限り仕方ないと諦めていた、接続部分での閉塞感を打破するブレークスルーです」(アルプス電気 技術本部 C5技術部 第3グループ グループマネージャー(課長)の川端隆志氏)(図2)。

 圧接コンタクト(micro clip)は、既存の圧接コンタクトよりも小型ながらも、信頼性はむしろ劇的に向上する。コネクタに替えれば、ボード上の任意の位置での接続が可能になる。部品のサイズ自体が小さく、正方形サイズにデザインされているため、必要な場所に気兼ねなく接続点を配置しやすく、多層基板に似た効果をボード間接続で実現できる。たった1つの部品で、相手面を押し当てるだけで接続可能。嵌合工程も不要で、ボードを組み合わせる工程と同時に、複数個所の接合を一気に済ませることができる。また、組立工程の簡易化は機器の自動組み立てをも可能にする。

 圧接コンタクト(micro clip)の高い信頼性は、その構造に秘密がある。とぐろ状に巻いた2枚のバネによって、接点部分が自由に動き、フローティングするように工夫されている。こうした構造を採ることによって、接触部が接触相手面の酸化被膜を破壊し、一度接続されれば、接触部がズレることはない。このため、振動や衝撃が加わっても、安定した接続を維持できる。接続対象がフレキシブル基板でも、信頼性を損なうことなく接続可能である。

図2 圧縮コンタクト(micro clip)の利用でもたらされる接続箇所の分散化効果
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 そのフットプリントは、わずか1.4mm×1.4mm。ボード面積の縮小に寄与するだけではなく、配置をためらってしまうような場所にも自由に配置できるようにもなる。これによって、回路の高速化と回路の安定動作に向けて、ボード上の好きな場所からグランドを取れるようになり、追加コストの要因となるノイズ対策部品を減らせる可能性が出てくる。「一つひとつコネクタを嵌合させては、組み立てられない機器も登場しています。この技術ならば、こうした生産難易度の高い機器にも適用できます」(アルプス電気 技術本部 C5技術部 第2グループの横田純一郎氏)という。今後は、新たな素材開発により、さらなる進化にも夢が広がる。

 圧接コンタクト(micro clip)は、電子機器メーカーにとっては、極めて戦略性の高い部品になることだろう。電子機器の設計と生産技術が、この技術の利用を前提にして開発される時代が、既に始まっている。

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使用高さ0.7~1.0mm
(上記以外の高さにも対応しておりますのでお問い合わせください)
定格電流3A
使用温度範囲-30~+85℃
徹底検証 Vol.02:ボード間接続の革新が新しい価値を生み出す
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