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ものづくりを知り尽くしたエンジニア集団が開発・設計から試作・量産まで製品化を支援

「Makuake」で資金を調達し、開発されたアルコールチェッカーの「TISPY」 (左上)。金属3Dプリンターによる試作例(右上)。得意とする簡易金型で成形した試作例(右下)
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大阪府・門真市に本社を置く株式会社スタッフ(以下、STUFF)は、大手電機メーカーのパートナー企業として、ほぼ30年にわたり製品開発を支援してきた「ものづくりのスペシャリスト集団」である。回路設計、基板設計、機構設計から、ソフトウエア開発、試作、中小規模の量産まで、ものづくりに必要なすべての機能を1社で提供できるのが大きな強みだ。最近は電子機器だけでなく、医療機器や自動車部品など様々なものづくり企業から相談が寄せられている。この春には大阪・梅田にコンサルティング・スペースを開設、ものづくりに関する幅広い対応力を発揮している。


 2016年3月下旬、クラウドファンディングサイトの「Makuake」で開発資金の公募が行われたあるガジェットが注目を集めた。製品の名前は「TISPY」。Wi-Fi機能付きメモリーカードを搭載したアルコールチェッカーだ。

株式会社スタッフ(STUFF)
代表取締役 小山 栄一氏

 TISPYが従来品と一線を画すのは、呼気のアルコール濃度を測るだけでなく、本体に個人の飲酒データを蓄積できる「学習型」の機器である点だ。呼気とともに翌日二日酔いとなった記録を残しておくと、次に使用したとき「今日はペースが速いよ」といったアドバイスが自動的に液晶画面に浮かび上がる。酒のボトルをイメージしたセンスの良いデザインも話題になり、クラウドファンディングでは1400人を超えるサポーターから開発資金が集まった。

 TISPYの開発から生産までを一手に手がけたのは、大阪・門真市に本社を置くSTUFFだ。TISPYはもともと東芝社内の新規事業制度に応募されたアイデアが発端。東芝社内での事業化を試みたが、コスト要因や開発期間の長期化で頭を悩ませていた担当者が、東京の展示会でSTUFFのブースに立ち寄ったことがきっかけとなり、STUFFが開発から量産、販売までを行うことになった。TISPYはこの秋にもSTUFFの製品として販売を開始する予定だという。

アイデアを“完成品”にまとめ上げるワザ

 STUFFには最近、TISPYのケースのように、大手企業の新規事業開発チームなどからの試作品の製作や受託開発に関する相談が増えたという。その理由について、小山栄一社長は次のように語る。

 「大手企業を始め多くの企業で、従来にはなかった新しいアイデアを製品化しようという動きが活発になっています。『とにかくアイデアを目に見える形にしたい』と考える企業がスピードやコスト、自社の開発リソースを精査した上で、当社にご相談をいただくことが多いようです」

 開発・設計から試作・量産までトータルなものづくりのノウハウと技術を持ち、小回りの利く同社ならではの「アイデアを“完成品”にまとめ上げるワザ」が高く評価されているという。

 STUFFは小山社長以下50人のスタッフのほとんどがエンジニア。ものづくりの各プロセスのエキスパートが揃っているので、試作や部品のみといったオーダーから、一気通貫のものづくりまで広範な保有技術が大きな強みとなっている。TISPYの開発でも、製品コンセプトを表現したグラフィック(CG)をもとに、内部機構と回路の設計、ソフトウエアの検証、簡易金型の製作まで短期間で行った。

 「当社では毎月300件ほどの案件を受託していますが、そのほとんどのケースにおいて、最初にご相談をお聞きした時点で、社内のどの部門の誰に担当させるのが最適なのか、またどれくらいの日数で完成できるかというプロセスをイメージできます。ものづくりのすべてを知り尽くしているからこそ、精度の高いご提案ができると自負しています」と、小山社長は胸を張る。技術やコスト、納期などの条件が厳しくても積極的に請け負う。多くの仕事をすればするほど知見が蓄積していくという信念の下で会社は成長してきた。ものづくり企業にとって非常に頼りになる存在、それがSTUFFなのだ。

回路設計や基板設計、機構設計、ソフトウエア開発に精通したエンジニアが、多様なものづくりのニーズに応える
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医療機器から文具まで多様な製品化ニーズに対応

 STUFFは創業当初から10年ほど前までは大手家電メーカーの照明機器やAV機器などを手がけることが多かったが、最近は医療機器メーカーや自動車関連メーカーなどからの依頼が増えているという。

 「数年前に歯科用医療機器メーカーとともに小型トランク型の治療器具セットを開発したのですが、これがとてもよく売れています。歯科医や歯科助手が片手に持って運ぶことができるように、ドリルや吸引器などの診療機器がコンパクトに収まる設計にしたのが良かったようです」と小山社長。この他にも、検査機器やモーター、自転車、釣具、家具、文房具など様々なものづくり企業から、多種多様な相談がSTUFFに寄せられている。

 顧客ニーズが多様化する中、STUFFでは機構設計の効率化を図るため樹脂用3Dプリンターを導入、リアルタイムで形状の検証を行いながらムダのない設計を実現し、設計時間の短縮に大きく寄与している。最近ではお客様から造形のみの依頼も増えてきた。さらに、アルミやステンレスも造形可能な金属3Dプリンターも導入、現在はマルエージング鋼による金型部品のスピーディな製作も実現している。

 2016年4月には、大阪・梅田にコンサルティング・スペースを開設。10数名のエンジニアと営業担当者が常駐し、ものづくりに関するあらゆる相談に応じている。

 「社内や既存の協力会社とのコミュニケーションだけでは生まれにくいアイデアもここならヒントが見つかるかもしれません。JR大阪駅から徒歩数分の場所にありますから、遠方から出張で大阪に来られたときなど、お気軽に立ち寄っていただきたいですね」。小山社長と営業スタッフは笑顔でこう呼びかける。

お問い合わせ
  • 株式会社スタッフ

    〒571-0048 大阪府門真市新橋町1-4

    TEL:06-6906-6484

    FAX:06-6906-4542

    URL:http://www.rd-stuff.com/

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