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「尖った」技術が光る 山口県の先端ものづくり企業

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高精度の切削加工に手仕上げを加え、厳しい品質要求に応える(左の写真)。削り出しで高精度の薄物加工を実現したサンプルについて説明する松山英治社長(右の写真・右)と松山功取締役(同・左)。

 設計図面で指示されたとおりに加工するのは、機械加工では当たり前。しかしものづくりの高精度化に対する要求は、時に図面ではもはや表現しきれないレベルにまで及ぶこともある。そのような超高精度化の要求に、顧客の意図を的確に理解する能力と高いレベルの加工技術で応えているのが、ひびき精機だ。

 半導体製造装置や発電機器、航空機などの部品製造を手がけるひびき精機。特に半導体製造装置では、東京エレクトロンや日立ハイテクノロジーズなど大手メーカーの装置で使われる真空チャンバーで長年の実績を持つ。

 真空チャンバーが高い真空度を保つためには、そこで使われる部品にもミクロンレベルの平面度が求められる。ひびき精機は高精度の切削加工に手仕上げを加えることで、顧客からの厳しい品質要求に応えている。「設計書では数値化されず、検査担当者でも具体的に説明できないような厳しいレベルの品質を、当社は暗黙知を積み上げることによって実現しているのです」と、松山英治社長は強みを明かす。

 高い加工技術の源泉は、人材や作業環境に対する手厚い投資だ。あるとき同社の顧客である装置メーカーとそのエンドユーザーの担当者が工場見学に訪れた際、明るく快適な作業環境でスタッフが生き生きと働いている姿を見て、エンドユーザーの担当者は顧客にこうささやいたという――「ここ(ひびき精機)は、大事に育てたほうがいい」。

 空調設備など作業環境に積極的に投資するのは、加工品質を安定させるためでもある。温度変化の激しい現場では、加工機の微妙な変位が避けられない。従来はベテラン技術者の技でカバーしてきたが、それでは加工品質が作業者に依存してしまう。現場の温度を一定に保つことで、誰が作業しても高い加工品質を維持できる体制を整えた。

 同社は高品質や短納期を支えるIT投資にも積極的だ。工程管理システムは自社で開発しており、そのためのIT専門技術者も採用。最適な加工条件の共有や、素材調達から納品までのトレーサビリティの確保などに努めている。トレーサビリティについては、同社が2013年に取得した航空宇宙分野向け品質マネジメント国際規格JIS Q 9100も満たしている。

 「他社に負けない強みである超短納期対応、薄肉物の難加工、耐熱合金鋼加工など、さらに磨きをかけていきたい」と、松山功取締役は力強く語る。

お問い合わせ
  • 株式会社ひびき精機

    〒750-0313 山口県下関市菊川町田部186-2

    TEL:083-288-2208

    FAX:083-287-4780