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モノづくりの情報化を支える新型産業用PC 随所に光る制御の先駆者ならではの「ワザ」

図1 情報化の時代を先取りした産業用PCプラットフォーム
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1950年代にオートメーションの技術を日本に持ち込み、FA(Factory Automation)の市場を創出したオムロン。いまやFAシステムの要として重要な役割を担うPLC(Programmable Logic Controller)を業界に先駆けて生産現場に提供するなど、これまで日本の生産現場に数多くの革新をもたらしてきた。そのオムロンが、製造業における情報化のトレンドを見据えて開発した「産業用PCプラットフォーム」が、いま大きな注目を集めている。FAの先駆者ならではの「凄いワザ」を積極的に投入し、IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)など最先端のICT(情報通信技術)を活用した生産革新に取り組む現場のニーズにいち早く応えているからだ。


夏井 敏樹 氏
ビルブロコントローラPMG
プロダクトマネージャ

 オムロンの産業用PCプラットフォームは、ICTを駆使した新しいモノづくりを見据えて開発した「進化型の産業用コントローラ」である(図1)。PCのアーキテクチャを採用しており、PLCとして動作するだけでなく、PC上で動く様々なアプリケーションを、そのまま実装することができる。つまり産業用PC本体に、オムロンが長年培った数多くの制御ノウハウを反映した多彩なソフトウエアを搭載して、PLCで実現していた制御はもちろん、リアルタイムOSを搭載した専用ボードで実現していた制御システムまでも構築できる。

 このシステムのコンセプトはIoT時代のニーズを先取りしたものだ。つまりPC用アプリケーションを利用してデータ処理など情報系の様々な機能を実装できるようになっている。「IoTなど最先端のICTをベースにした新機能を生産現場に導入しようとしているユーザーに向けて開発しました。画像処理機能も組み込めるのでGUI(Graphical User Interface)などを活用して使いやすさの向上を図ることもできます」(同社夏井氏)。

妹尾 吉紳 氏
PMAC 推進グループ
多軸モーションコントローラ製品担当

 同社は、産業用PCプラットフォームの開発に先駆けて約100社のユーザーを対象に産業用PCのニーズについて調査している。「このときに約7割の方がオムロン製産業用PCの製品化に期待していると回答してくださったのです。この大きな理由の一つは、これまで製品の提供だけでなく、サポート、デリバリ、メンテナンスなどにも力を入れて、安心して製品を使っていただけるように取り組んできたからだと思っています。産業用PCについてももちろん同じ安心感が得られるサービス&サポートをご提供します」(同社妹尾氏)。

 PCのアーキテクチャをベースにした「産業用PC」と呼ばれる製品は、すでに数多く市販されている。オムロンの産業用PCプラットフォームは、こうした製品とは明らかに一線を画する。それを可能にしているのが、最先端のICTを活用するなど、常に制御技術の進化をリードしてきた同社の「凄いワザ」とも言える高度な技術やノウハウの数々だ。

「凄いワザ」が拓く制御の新たな可能性

 例えば、ハイパーバイザーと呼ばれる最新の仮想化技術を使って、PC用OSと制御用リアルタイムOSを同時に稼働させることができるようにした。これによって情報系と制御系の「2 in 1」ができる画期的な制御コントローラになっている(図2)。この特長は、システム・コストの削減、設置面積の節約、情報系と制御系のデータ交換の高速化など数多くの利点を制御システムにもたらす。

図2 高度な信頼性を維持しながら情報系と制御系の共存を実現
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図3 生産現場での長期使用にも耐え得る冷却構造
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冨田 一彰 氏
プラットフォーム開発部
部長
川口 慎一郎 氏
プラットフォーム開発部
IPC 開発テーマリーダ

 さらに、ここで見逃せないのは、大胆なシステム統合を可能にしながら、ハイレベルの信頼性をしっかりと維持していることだ。「PC用OS側で問題が発生したときに、制御側に影響を与えないようにしたうえで、この仕組みの信頼性を徹底的に検証しています」(同社冨田氏)。具体的には様々な条件でPC用OS側に異常を発生させて、制御システムが影響を受けないことを念入りに確認した。「この検証プロセスを実際に見たお客様は、オムロン製産業用PCの信頼性の高さについて納得してくださいます」(同社川口氏)。

 信頼性を高めるための工夫は、ハードウエアにも盛り込まれている。その一つが、回路基板の冷却システムだ。アルミダイカスト製筐体がヒートシンクの役割を果たすように設計したうえで、2台のファンで筐体を冷却して放熱性を高めた。既存の「産業用PC」でよく見られる空冷ファンで風を送る仕組みを採用していない。過酷な生産現場においても、信頼性を損なうホコリなどが内部に侵入するのを防ぐためだ(図3)。さらに回路基板では、ケーブルレス構造を採用して、ケーブルの劣化や電磁ノイズに起因する故障のリスクを抑えた。

澤田 晃 氏
プラットフォーム開発部
第2開発課 課長

 「CPU、インターフェースなど機能ごとに回路基板を分割してモジュール化したうえで、これらをコネクタで接続するようにしてケーブルを排除。同時に、モジュールを交換することによって効率よく仕様をカスタマイズできるようにすることで、CPUの進化に素早く追従できるようにしました」(同社澤田氏)。このほかにも冷却ファン、外部記憶装置、バッテリーなどの消耗部品やオプション部品が、筐体を分解せずに簡単に追加・交換できたり、EtherCATをはじめとする世界標準の産業用ネットワークに対応するなど、ユーザー目線の工夫が随所に盛り込まれている。

 トレンドを先取りした製品コンセプトと、ユーザー・ニーズに丁寧に目を配りながら盛り込んだ工夫が光るオムロンの産業用PCプラットフォーム。制御技術をリードしてきたオムロンならではの「凄いワザ」の集大成だと言えるだろう。

協賛:インテル株式会社

オムロン産業用PCの「凄いワザ」を動画で紹介!
お問い合わせ
  • オムロン株式会社

    インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー コントローラ事業部

    TEL:075-344-7173

    URL:http://www.fa.omron.co.jp/ipc-feature

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