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産業IoTの実装を包括支援、素早いPoCを可能にするキットを提供

センサーで集めたデータをクラウドに集めて活用する。IoT(Internet of Thing)の概念を基づくシステムの典型的な仕組みの一つだ。ところがそれを、どのように実現するかが、産業用IoTの導入に取り組む製造業系企業の間で課題の一つとして浮上している。こうした状況を受けて情報通信関連各種製品・サービスを手掛けるユニアデックスは、クラウド・プラットフォーム「Microsoft Azure」を活用しながら、素早く、簡単にそして安価にIoTシステムのPoC(Proof of Concept)を実施できるスタートキットを提供している。FACTORY Annex 産業IoT実践セミナーで登壇した同社は、その概要や使い方を解説した。

池田 秀紀 氏
池田 秀紀 氏
ユニアデックス
エクセレントサービス創生本部
プロダクト&サービス部
IoTビジネス開発室

 IoTの概念を具体化するとなると、仮説の検証段階で多くの時間を必要とする。一般的な情報システムであれば、最初にゴールとなる要件をしっかり定義し、それを実現できるようなシステムを構成していく。しかしIoTは新しい考え方であり、最初に明確なゴールを設定することが難しい。ゴールが分からないため初期段階では試行錯誤を繰り返すことになり、その中から具体的なアプリケーションのイメージを固めていくという進め方になる。

 そこでユニアデックスでは、IoTの概念をビジネスに取り入れる一連のフローを包括的に支援するサービスを提供している。具体的には、(約40社の共創パートナと手を組み創造した業界・業種ごとのシナリオを元に)、IoTの利活用方法を検討する「IoTエコシステムラボ」を設置。IoT活用の最初のステップである試行錯誤の部分をサポートする。さらにユーザーを対象にしたワークショップなどを実施して、活用の方向性を大まかに明らかにし、技術的な可能性やシステムのコンセプトを検証していくというやり方で、ユーザをIoTの世界へ導いている。

 その技術的な検証の環境として、同社が用意しているのが「IoTスタートキット」だ(図1)。IoTに対応するセンサー5台と、IoTゲートウエイ、3カ月間の利用権がついた3Gモバイル回線、Azureの15万円分利用権(3カ月間相当)などをセットにしたパッケージである。「通常、IoTの検証環境を構築しようとすると、ハードやツールの購入、クラウドサービスの契約、可視化のためのUI(User Interface)開発、ゲートウエイのセットアップとクラウドサービスへの登録、動作確認や初期設定など多くの作業必要になります。ユニアデックスのIoTスタータキットならば、これらが全てセットアップ済みの状態で用意されているので、すぐにシステムの検証に取りかかれるのが大きな特徴です」(同社エクセレントサービス創生本部 プロダクト&サービス部 IoTビジネス開発室 池田秀紀氏)。

図1 ユニアデックス「IoTスタートキット」のパッケージ内容
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 センサーは気圧や温湿度、照度や加速度などを計測できるモジュールになっており、Bluetooth LEでIoTゲートウエイとつながる。IoTゲートウエイが収集したセンサーデータは3G回線を使ってAzureに集める。Azureに蓄積したセンサーデータは、同社が開発したIoT可視化ソフトの試用版によって、グラフ化したり、CSV形式のデータとしてダウンロードできるようにしたりすることができるようになっている。ゲートウエイやセンサーをユーザーが独自に追加することも可能だ。これらのツールをカスタマイズして使うことで、検証が可能なIoTのアプリケーションには次のようなものがある。