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小さく始めた「見える化・IoT」事業の高付加価値化への足掛かりに

背中を押した「小さく始める」

 一連の動きを始めたきっかけは、システム開発を任せられる人材が新たに入社したことだった。「もっと現場でITを活用したいという思いはあったのですが、人材が確保できずIT化については足踏みしていました」(後藤氏)。中日本炉工業では、2015年にITやエレクトロニクスに詳しい技術者を採用し、この状況を変えた。

 さらに従来のITの領域に留めずIoTの概念も採り入れた先進的なシステムを一気に導入することにしたのは、同社顧問のアドバイスがあったからだという。2016年3月に東京都内で開催された、ITによる製造業革新がテーマのセミナーに足を運んだ顧問は、「小さく始める工場現場の見える化!」と題したパナソニック ソリューションテクノロジーの講演を聴講した。そこで、「なかなかIT化が進まない現場は、できるところからIT化すべき」という提言と、小規模なパッケージ・ソフトウエアを利用して効率良くシステムを開発するという具体的なアプローチの解説を聞き、IoTを含むIT導入の敷居は必ずしも高くないことを確信。ITシステムを導入するならばIoTの時代を意識すべきだと中日本炉工業にアドバイスした。

 顧問の勧めを受けた同社は、複数のITベンダーに提案を求め、集まった案を検討。その結果、顧問が受講したセミナーで講師を務めたパナソニック ソリューションテクノロジーらの提案を採択。一緒に開発に取り組むことにした。「提案のベースが、パナソニックグループ内で実際に導入しているシステムだったことが選択の決め手になりました」(後藤氏)。

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