ITpro Special
週間WEEKLY ITpro Special ITpro

日本データセンターでOffice 365の提供を開始!安心して使えるマイクロソフトの クラウド&セキュリティ|第3部 導入事例 日本郵船株式会社

企業のIT基盤としてパブリッククラウドサービス(以下、クラウド)の利用が広がっている。 情報共有環境の整備や安心なクラウド利用の高まりを受け、マイクロソフトでは国内データセンターで統合型情報共有クラウドサービス「 Microsoft Office 365 」の提供を開始した。クラウドのビジネス利用に欠かせない、安全・安心の体制を整備。外部、内部の脅威から企業データを守り、信頼できるクラウドサービスを実現する手段としてサイバークライムセンターや強固なセキュリティに守られたデータセンターを展開している。そこで、クラウドのセキュリティ対策、日本市場に求められるクラウド要件、クラウド導入事例、の3つに分けてマイクロソフトの戦略を紹介する。

  • セキュリティ戦略
  • 日本市場への取り組み
  • 導入事例 日本郵船株式会社
  • 導入事例 国立研究開発法人産業技術総合研究所

導入事例 日本郵船株式会社 世界 30,000人のグローバルコミュニケーション基盤として Office 365 を採用 ~最先端のセキュリティ対策、万全の災害対策、お客様データのプライバシー保護の姿勢などを評価~

日本郵船グループは世界中で活動する社員約30,000人のコミュニケーション統合基盤として、マイクロソフトの日本データセンターで提供される Office 365 を採用した。クラウドを介したメールやチャット、オンライン会議、ソーシャルなどを活用し、社内・グループ間の情報交換やナレッジ共有を加速していく。 Office 365 の採用に当たっては、「“お客様のデータはお客様のもの”を徹底するデータプライバシー保護の姿勢を示していること」、「世界有数のサーバーセキュリティ対策のノウハウをデータセンター運営やOffice 365 のセキュリティ対策に反映していること」、「複数拠点で高い耐震性を誇るデータセンターや障害の予兆検知など、自然災害への万全な対応」などが評価され、採用を後押しした。

課題顧客の情報やグループのナレッジを共有できる
コミュニケーション統合基盤が課題に

日本郵船株式会社
情報企画グループ
グループ長
株式会社NYK Business Systems
代表取締役社長
班目 哲司氏

海・陸・空にまたがるグローバルな総合物流事業を展開する日本郵船グループ。日本郵船をはじめ、グループ各社の事業をITの側面から支えるのがNYK Business Systems(以下、NBS)である。グローバルなITインフラ(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク)や業務システムの企画・開発・保守・運用に加え、個人情報保護や内部統制などコンプライアンスの強化をIT面で支援している。

グローバルに広がる多様な顧客ニーズを満たすために輸送と物流をシームレスに提供するサービスが重要になっている。そのため、「輸送事業を担う日本郵船と物流事業を担うグループ会社がそれぞれ持つノウハウをグローバルに共有できるコミュニケーション基盤が不可欠です」と日本郵船の情報企画グループ長でNBSの代表取締役社長を務める班目哲司氏は述べる。

日本郵船グループの従業員数は世界で約30,000人超に上る。グループには業務に関する様々な経験やナレッジを持つ人材が多数いる。だが、日本郵船グループはこれまで、グループ各社が個別・縦割りにシステムを構築・運用しており、グループの誰がどんなナレッジを持っているのか分かりにくかったという。

また、「メールシステムがグループ会社ごとに異なり、メールの統一も課題でした」とNBS常務執行役員の由水研二氏は話す。日本郵船の社員は、海外への転勤やグループ会社への出向を含め、数年ごとに異動。異動のたびにメールアドレスが変わり、情報共有がしにくいだけでなく、「メールのアーカイブなどもグループ各社に任されており、情報活用に関わるグループ全体のコンプライアンス確立とセキュリティ強化が急務でした」と班目氏は述べる。

株式会社NYK Business Systems
常務執行役員
港湾/インフラマネジメント/ビジネスアプリ支援 管掌
由水 研二氏

企業ではクラウドサービスがIT利用の選択肢の1つになる中、日本郵船グループではクラウドサービスを利用する際のセキュリティ基準を策定している。基準の1つとして定めているのはデータの所有権の明確化。「日本郵船がデータの所有者であることが明確になっていることをクラウドサービス選定の要件の1つにしました」と由水氏は話す。特にクラウドサービスを解約・利用停止する際に事業者がデータを消去することを明記している点は重要なポイントである。また、データセンターのセキュリティ対策も基準の1つ。事業者がどのようなセキュリティ基準でデータセンターを運営しているかを確認した上で利用の可否を判断する。

これらのセキュリティ基準と照らし合わせながら、「グループ会社の導入のしやすさを考え、クラウドサービスの利用を前提に、コミュニケーション統合基盤の刷新に向けて検討を開始しました」とNBSのビジネスアプリ支援グループリーダーの玉野稔氏は経緯を説明する。そして、信頼できる事業者かどうかを念頭に、クラウドサービスの内容を比較・検討した。


課題

  • 1.230を超える全世界の拠点のコミュニケーション基盤の統合
  • 2.グループ各社や部門間での横断的なナレッジ共有を実現するIT環境の構築
  • 3.クラウド時代のIT環境構築に向けたセキュリティ基準の設定と信頼できる事業者の選定

評価のポイントマイクロソフトのデータ取り扱いの姿勢や
日本データセンターのセキュリティ対策を評価

日本郵船グループは、複数社のクラウドサービスの中から、マイクロソフトが日本データセンターにて提供を開始した Office 365 の採用を決定した。

その決め手の1つが、“データのプライバシー保護を徹底する姿勢”である。マイクロソフトは、データの所有者がお客様であることを明確にし、プライバシー保護を徹底する姿勢を示している。「マイクロソフトはクラウドサービス解約後のデータ消去についても方針を明確にしています。また、クラウド事業者が政府機関などに対し、顧客に断りなくデータを提供する可能性を懸念する声もあるようですが、マイクロソフトの利用契約には、政府などから顧客が保管するデータに対する開示要請があっても、顧客から情報開示してもらうようにするプロセスが明記されています。私たちはこのようなデータの取り扱いに対するマイクロソフトの厳格な姿勢を評価しました」と班目氏は強調する。

株式会社NYK Business Systems
ビジネスアプリ支援グループ
グループリーダー
玉野 稔氏

また、セキュリティ対策について、「マイクロソフトのクラウドサービスは、長年の経験に基づき、データセンター運営から製品開発に至るまで最先端のセキュリティ保護対策が講じられていますので、自社で対策を講じるより、はるかに安心できます」と玉野氏は語る。マイクロソフトは、政府機関などと連携し、サイバーセキュリティへの様々な取り組みを世界中で実施。法律、技術、データ分析の専門家などがマルウェアやボットネットなどの脅威の監視と情報収集を行い、防衛策を講じている。そしてここで得られたノウハウは Office 365 をはじめとするクラウドサービスの開発やデータセンターのセキュリティ対策に反映され、企業のビジネスや利用者を脅威から保護している。

さらに、日本郵船グループでは当初、地震など自然災害のリスクもある日本のデータセンターで、グローバルなコミュニケーション統合基盤を利用することに懸念の声もあったという。だが、「万が一の自然災害時にも、複数データセンターでデータをバックアップする仕組みがあり、データセンターの機器に障害が発生した際もサービスを止めずにバックアップに切り替える仕組みを備えていると聞き、安心して利用できると判断しました。加えて、マイクロソフトはどのデータセンターでデータを保管しているのかを開示していることも、採用の決め手になりました」と由水氏は述べる。

クラウドサービスとはいえ、ガバナンス上、自社のデータがどこにあるのか把握しておく必要があるという。

また、コンプライアンス管理の観点でも、 Office 365 は決め手になったという。従来、アーカイブはグループ各社に任されていたが、 Office 365 で統一した管理を行うことにより、グループ横断的な管理はもちろん、メールやチャット、ソーシャルなど、複数のコミュニケーションツールを横断的にアーカイブとして管理することが可能となる。グループ全体のコンプライアンス管理効率化に効果があると期待されている。

評価のポイント

  • 1.データの所有者がお客様であることを明確にし、顧客データのプライバシー保護を徹底する姿勢
  • 2.世界有数のサイバーセキュリティ対策の経験、ノウハウ、ソリューションを保持し、その知見をデータセンター運営や Office 365 のセキュリティ対策に反映
  • 3.複数拠点でのデータバックアップや障害の予兆検知など、自然災害や障害に対する万全の対策により安心して国内データセンターを利用できること
  • 4.データの保管場所を顧客に共有し、透明性が確保されていること
  • 5.コミュニケーション基盤全体を横断的に監視できる Office 365 の統合的なコンプライアンス管理
システム概要図
[画像のクリックで拡大表示]

将来展望Office 365 を活用し、いつでも、どこでも
グループの情報を共有できる環境づくりを推進

日本郵船グループで陸上業務を行う約30,000人に対し、2015年夏からメールやスケジュール管理をはじめ、オンライン会議、ナレッジ共有、ソーシャルなどの各種サービスを順次、利用するほか、各社の要望に応じてCRMなどのサービスを導入する計画もある。

サービス利用に先立ち、グローバル会議やグループ各社の関連部門と、 Office 365 の利活用について話し合いを実施。「日本郵船グループでは3M(ムダ、ムリ、ムラ)削減活動を通じ、現場レベルでの効率化を進めています。モバイルと Office 365 を活用し、いつでも、どこでもグループの情報を共有しながら仕事ができる環境づくりに向け、働き方の改革を進めます」と班目氏はグループの取り組みを説明する。例えば、プロジェクトごとにポータルを立ち上げ、輸送と物流の情報共有を促進することで顧客サービスの向上に役立てたり、社内SNSを用いて社員の情報交換やナレッジ共有を図ったりするなど、新しい仕事の仕方を考えていくという。

マイクロソフトの日本データセンターで提供される Office 365 をコミュニケーション統合基盤に、グループの情報交換やナレッジ共有を加速し、グローバルなビジネスを推進する日本郵船グループの動向が注目される。

お問い合わせ

日本マイクロソフト株式会社

〒108-0075 東京都港区港南2-16-3

TEL:03-4332-5300

http://www.microsoft.com/ja-jp/office/365/default.aspx

日本マイクロソフト株式会社
  • セキュリティ戦略
  • 日本市場への取り組み
  • 導入事例 日本郵船株式会社
  • 導入事例 国立研究開発法人産業技術総合研究所