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MS クラウドOS時代のIT基盤の選び方―[特別インタビュー]企業のさらなる成長を強力に後押しするのは最新プロセッサーとクラウドOSの強力なIT基盤

[特別インタビュー]
企業のさらなる成長を強力に後押しするのは
最新プロセッサーとクラウドOSの強力なIT基盤
インテル Xeon プロセッサー × Windows Server 2012 R2が導く IT基盤の“最適解”

2013年11月にWindows Server 2013 R2をリリースしたマイクロソフトは、「クラウドOSビジョン」を打ち出し、企業のクラウド利用を積極的に推進している。一方、インテルは「インテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v2 製品ファミリー」をはじめとする強力なプロセッサーをリリースし、IT基盤のさらなる強化を後押ししている。2015年7月のWindows Server 2003のサポート終了に向けて、新たなIT基盤へのマイグレーションが求められている中、これらの最新のテクノロジーは企業にどのような変革と恩恵をもたらすのだろうか。インテルの福原由紀氏と日本マイクロソフトの藤本浩司氏に話しをうかがった。

クラウド時代のデータセンターを支える インテル Xeon プロセッサーとWindows Server 2012 R2

インテル株式会社
クラウド・コンピューティング事業本部
データセンター事業開発部
部長
福原 由紀

――インテルではクラウド・コンピューティングに対し、どのような取り組みを進めているのでしょうか。

福原氏 インテルは2010年にクラウド ビジョン2015を発表し、将来に向けたオープンで効率性に優れたクラウド基盤のあり方を提唱しました。このビジョンをもとに、データセンターに求められる要件を明確にし、テクノロジー・ロードマップを引き、製品やソリューションを開発/整備することで、理想的なクラウド基盤の実現を目指しています。また、国内では2年前にクラウド・コンピューティング事業本部を発足させ、クラウド市場の成長や拡大を支援しています。この事業本部では、デバイス、サービス、データセンターの3つの領域を包括的に捉えて市場を開発しています。私が所属するデータセンター事業開発部は、このクラウド・コンピューティング事業本部の中でインテルのマイクロプロセッサーを採用していただいているハードウェア・メーカーのサーバー、ストレージ、ネットワーク機器に対する支援を行っています。市場の開拓という意味では、データセンター事業者/クラウド事業者やソリューション・パートナーにもインテルのビジョンやテクノロジーをお伝えして、日本のクラウドが進化・成長するお手伝いをしています。

――マイクロソフトでは「クラウドOSビジョン」を打ち出し、クラウドの導入・移行を進めていますが、インテルではクラウドの必要性をどのように捉えていますか。

福原氏 インテルも、今後のITにおいてクラウドは必須であると考えています。今日の企業のITは、猛烈な勢いで増え続けるユーザー、デバイス、データ量への対応や、状況によって大きく変化するビジネスを迅速にサポートする柔軟性といった大きな課題を抱えています。インテルはワールドワイドで約10万台のサーバーを運用し、最新テクノロジーを活用して効率のよいITを実現しています。そこで培った技術やノウハウをエンドユーザーにも提供しています。効率のよいIT利用という意味では、仮想化され、「ソフトウエア・デファインド」で必要な時に最適なリソースをサービスできる体制、すなわちクラウド型が必要と考え、プロセッサーの開発やソリューション整備の支援を進めています。

藤本氏 インテルとマイクロソフトは信頼性の高い協業体制を長年にわたって築いており、Windows Server 2012 R2もインテルの最新プロセッサーに最適化された状態で市場に出荷するようにしています。マイクロソフトのクラウドOSというコンセプトの中で、インテルと開発段階からパフォーマンス向上などを密接にチューニングする体制で取り組んでいます。

最新のテクノロジーのメリットと 古いテクノロジーのデメリット

日本マイクロソフト株式会社
サーバープラットフォームビジネス本部
Windows Server製品部
マネージャー
藤本 浩司

――今年9月に発表された インテル Xeonプロセッサー E5-2600 v2ファミリー製品は、どのような製品ですか?

福原氏 インテルは、プロセッサーの開発において、マクロアーキテクチャーの刷新と 製造プロセスの微細化を交互に行い、毎年新しい製品を安定して投入しています。9月に発表した最新のインテル Xeon プロセッサー E5-2600 v2は、前世代から製造プロセス技術を進めました。22ナノメートル・テクノロジーで最大12コアを搭載しており、前世代製品と比べ、性能で約1.5倍、消費電力の効率を40%向上しています。クラウド・コンピューティングでの利用も見据え、暗号化の強化など、セキュリティー機能も実装しています。プロセッサーやOSはセキュリティー機能の面でも進化し続けているので、古いテクノロジーを使い続けることによるセキュリティリスク増加も見逃せません。

藤本氏 消費電力やコスト削減という面からも、最新のプロセッサーを使うメリットは大きいですよね。

福原氏 そのとおりです。興味深いデータがあります。インテルが全世界で調査したところ、導入後4年以上が経過したサーバーは全体の32%もありますが、そのサーバーの消費電力は全体の65%も占めているのに、性能は全体の4%しか出せていないという結果が出ました。古いサーバーが効率や電力コストの大きな課題となっていることがよくわかりました。実際には企業の中で古いサーバーが使われているケースは想像以上にあるようで、メンテナンスや障害対応のコスト、人件費も含めてもっと余分にかかっているのだと思います。企業のIT投資の7割以上が新しい機器やソリューションによるITの革新ではなく、現在の業務の保守/運用のために費やされているという調査結果もあります。古いシステムの機器のメンテナンスがITのコストを圧迫し、ビジネス成長のための新しいITへの投資に回らないという深刻な現状があると思います。

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藤本氏 電力コストや保守/運用のメンテナンスコストをむだに払い続けるのであれば、その分を新たな投資に向けたほうがよいと思いますし、多くの企業がそのように考えるようになってきました。実際、Windows Server 2012 R2の登場によって、中堅・中小規模の企業のお客様の中では、サーバー統合を行いたいという要望が高まってきています。インテル Xeon プロセッサー E5-2600 v2は12コアの強力なプロセッサーなので、社内や部門にある複数のサーバーを統合しても十分なパフォーマンスが得られることも、サーバー統合の要望を後押ししています。また、2014年には消費税も改定されるので、これをキッカケにIT基盤を見直すことも重要ではないでしょうか。

福原氏 ITの使われ方が大きく変化してきていることからもIT基盤の見直しは重要だと思います。インターネットやデータセンターには、PC、タブレットやスマートフォンなどのデバイスだけでなく、さまざまなセンサーや監視カメラなどもつながってきています。例えば、以前は社員100人の企業では100台のPCがつながるデータセンターが必要でしたが、現在はPCだけでなく、膨大な機器がつながるようになったことで、データセンターのあり方も変わってきています。また、企業の生産性向上のためにITを使うだけでなく、ITがビジネスを支援し、改革するようになってきています。ITの重要性や扱われ方が変わってきている中では、最新のテクノロジーを積極的に利用していくことが必須となってきているのではないでしょうか。

サーバーを切り替えるタイミングがクラウドに向けた準備を行うタイミング

――2015年7月にはWindows Server 2003のサポートが終了します。企業が新しいサーバーに入れ替えることによって、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。

福原氏 古いテクノロジーを使ったサーバーを使い続けることには、多くのデメリットがあります。プロセッサーの性能がサーバーのすべてではありませんが、プロセッサーだけを見ても2000年の製品と最新の製品では性能に100倍以上の差があります。企業のサーバーは5~6年間使われていることもあると思いますが、その間にも大きな性能の差が出てきているわけです。また、サーバーの仮想化やセキュリティーの機能もどんどん進化しています。その性能や機能を十分に発揮させるには、最新のサーバーOSを使う必要があると思います。

藤本氏 Windows Server 2012 R2とインテル Xeon プロセッサーの組み合わせで最も強化できる分野としては、VDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップ基盤)があげられます。これまでは、さまざまな製品を組み合わせる必要がありましたが、Windows Server 2012 R2だけでVDI環境を構築できるようになりました。Windows Server 2012 R2のVDI環境は、ダイナミックメモリ機能による効率的なメモリ管理や新しいリモートデスクトッププロトコル(RDP)によるネットワーク負荷の軽減など、基本性能が大幅に強化されているほか、インテル Xeon プロセッサーのパフォーマンスを効率よく利用するように最適化されています。そうした機能強化や導入の容易さ、そして最新のインテル Xeon プロセッサーによるサーバー自体の大幅な性能向上もあって、大規模なVDI環境だけでなく40~50台の小規模なVDIから始めるお客さまも出てきました。

――Windows Server 2003からWindows Server 2012 R2へのマイグレーションについては、どのようなソリューションを考えていますか。

福原氏 Windows Server 2012 R2とインテル Xeon プロセッサー E5-2600 v2を組み合わせることで、これまで以上に効率のよいIT基盤を構築することができるよう、サーバーベンダーとも密接に連携を進めています。プロセッサーの性能を効率よく引き出して企業のITに貢献するため、Windows Server 2012 R2には大いに期待していますし、仮想化はクラウドに必須のものとなるためHyper-Vのさらなる普及にも期待しています。

藤本氏 現在利用されているWindows Server 2003のほとんどは、インテルのプロセッサー上で稼働しています。ほぼ100%、インテルのプロセッサーが使われていると言ってもよいでしょう。これらの環境をWindows Server 2012 R2と最新のインテル Xeon プロセッサー搭載のサーバーでマイグレーションができるように、お客さまの要望に合わせた最適な方法を提供していきます。これまでと同様、インテルのプロセッサーの進化に合わせて、Windows Server、Hyper-Vもさらに機能を強化してきているので、お客さまに最適なソリューションを提供していきたいですね。

福原氏 お客さまのワークロードやニーズに応じて最適なプロセッサーを提供できることも、インテルの強みだと思っています。クラウドやデータセンターではインテル Xeon E5ファミリーが主流となりますが、さらに大容量メモリをサポートした上位製品のインテル Xeon E7ファミリー、シングルプロセッサーのインテル Xeon E3ファミリーなど、豊富なラインアップを用意しています。いずれのファミリー製品もWindows Server 2012 R2との組み合わせで、最適なIT 基盤を提供することができます。部門レベルでのサーバー集約から大規模なデータセンターまで、あらゆる業務・用途に対応できるラインアップをそろえていますので、最適なものを利用していただきたいですね。

藤本氏 Windows Server 2003が企業に導入されたころはプロセッサーもPentiumが主流だったので、Active Directoryやファイルサーバー、プリントサーバーなど、各サーバーを用途応じて個別に構築していかなければなりませんでした。今では、強力なプロセッサーが豊富に用意されており、Windows Server 2012 R2のセットアップやActive Directoryの設定も簡単になったことで、わずか数台のサーバーだけで企業が必要とする機能をすべて利用できるようになりました。サポートの終了や税制改正でWindows Server 2003をWindows Server 2012 R2に入れ替えるタイミングとなっているいまこそ、あらためてIT基盤を整備し、クラウドに向けた準備としていただければと思います。