ITpro Special
週間WEEKLY ITpro Special ITpro

MS クラウドOS時代のIT基盤の選び方―[特別インタビュー] 急速に変わり続けるIT環境でデータセンターやサーバーを力強く支える インテル Xeon プロセッサー E5-2600 v2 製品ファミリー

[特別インタビュー]
急速に変わり続けるIT環境でデータセンターやサーバーを力強く支える
インテル Xeon プロセッサー E5-2600 v2 製品ファミリー

インテルは、毎年新たな技術でCPUをリリースし続け、性能を飛躍的に向上させてきた。クラウドOSによる仮想化環境が注目されているなかで、インテルのサーバー向けのCPUはどのような背景の下で技術革新が行われているのだろうか。最新のメインストリーム製品となる「インテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v2 製品ファミリー」の性能や機能から、その戦略を探った。

大規模化と多様化が求められるデータセンターをカバーするインテル製品群

インテル株式会社
インテル技術本部
プラットフォーム技術統括部
シニア・アプリケーション・
エンジニア
中田 久史

コンピュータは元々、人が手動でやっていた処理を機械でオートメーション化し、生産性を向上するために使われ、演算処理を行うためにプロセッサーが利用されてきた。しかし、ITやコンピュータは時代とともに使われ方が変化してきており、インターネットが急速に発展し始めた1990年代後半からは、コンピュータセントリックな生産性向上からネットワークセントリックとなり、コネクティビティによるコスト削減が目指されるようになった。

現在のITは、ネットワークセントリックからヒューマンセントリックになったと言われ、クラウドの進化やデバイスの多様化によって、スマートフォンやPCに向けたクラウドサービスが急速に増加してきている。「現在のIT環境は革新のスパイラルが起きており、サーバー市場全体が伸長してきているなかで、私共のCPU製品は大きな役割を果たしております」とインテル インテル技術本部 プラットフォーム技術統括部 シニア・アプリケーション・エンジニアの中田久史氏は話す。

スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスが多様化してきているだけでなく、現在は街中の監視カメラ、自動車や店舗などのさまざまなセンサーがデバイスとしてデータセンターにつながり、情報のやり取りを行っている。そのため、データセンターの数が増え、規模も拡大しているなかで、新たなクラウドサービスなども次々と登場してきており、それを活用するためのデバイスも増え続け、さらにデータセンターの規模を拡大する革新のスパイラルが起きているのだ。

データセンターのあり方も、以前とは大きな変革が起きている。クラウドや仮想化技術の進化によって、従来はサービス提供までに手動でデバイスの設定やソフトウェアの設定を行って月単位の時間がかかっていたのが、サービスの構成と構築を自動化するソフトウェアデファクトインストラクチャによってサービスを自動的かつ動的に分単位で提供することが求められているのだ。「このようなIT変革の流れに対応するために、インテルはCPUの性能を向上させ、多様なデータセンターへの需要やワークロードに対応した製品をリリースしてきました」と中田氏が話すように、インテルではメインストリーム製品として幅広いサーバー用途に利用できる「インテル Xeon プロセッサー ファミリー」に加え、最上位の60~70のCPUコアを持ち並列処理に強い高性能なインテル Xeon Phi 製品ファミリーや低電力サーバー向けのインテル Atom プロセッサー C2000 製品ファミリーなどを提供し、ホスティング専用からハイパフォーマンスコンピューティングまでの幅広いサーバーに対応できる製品を提供している。

Tick-Tock開発モデルで性能向上と省電力化を実現

2000年当時のインテル Xeon プロセッサーと現在の最新のインテル Xeon プロセッサー E5-2600 v2 製品ファミリーの整数演算性能を比較すると約130倍になっていると説明する中田氏は、「我々は毎年新製品をリリースし、性能を急激に向上させていますが、ポイントとなるのは130倍もの性能向上を実現しながら消費電力はほとんど変わっていないことです。性能が向上したとしても、消費電力が大きくなって発熱量が増えてしまえば、データセンターで有効に利用することができなくなります」と話す。

[画像のクリックで拡大表示]

インテルでは、“Tick-Tock開発モデル”と呼ばれる製品開発手法で、1年ごとに製造プロセスのシュリンク(微細化)とマイクロアーキテクチャの刷新を行い、トランジスタを小さくした製品をリリースした翌年に機能向上させた製品をリリースしている。これによって、2001年には130nm(ナノメートル)であったトランジスタが最新のインテル Xeon プロセッサー E5-2600 v2では22nmプロセスルールを採用したCPU(開発コード名:Ivy Bridge)が使われており、大幅な性能の向上と消費電力低減を実現できていると中田氏は説明する。「プロセスシュリンクでトランジスタを小さくすることによって、オン/オフが高速になり、トランジスタの間隔も短くなることで物理的に情報の伝達も速くなります。また、トランジスタが小さくなることで利用する電力も少なくなるため、高速化と省電力を実現できることになります」(中田氏)。

また、Ivy Bridgeでは、従来は平面構造であったトランジスタを3次元構造にする3D Tri-gateトランジスタを採用することによって、リーク電流の抑制や遅延の減少を実現し、さらなる高速化と省電力化を実現していることも大きな特長の1つだ。

最新のデータセンターの中核となるインテル Xeon プロセッサー E5-2600 v2 製品ファミリー

幅広いサーバー用途に利用でき、最新のデータセンターの中核となるインテル Xeon プロセッサー E5-2600 v2 製品ファミリーは、最大12コアを搭載したCPUを2個セットで使用する仕様となっており、最大24コアをインテル ハイパースレッディング・テクノロジーによって48スレッドで利用できる。Integrated PCI Express 3.0で10Gb Ethernetを最大限に利用でき、最大30MBのキャッシュと4本のDDR3メモリチャネルを搭載し、最大1.5TBのメモリ容量をサポートすることでデータセンターでの仮想化を強力にサポートする。

[画像のクリックで拡大表示]

プロセスシュリンクが主に行われているIvy Bridgeを採用したインテル Xeon プロセッサー E5-2600 v2 製品ファミリーだが、いくつかのアーキテクチャ改善も行われ、IPC(サイクルあたりの実行命令数)を増やし、ISAの拡張が行われている。また、APICvと呼ばれる仮想化環境でゲストOSの切り替えをCPUの割り込みコントローラで行うことによってオーバヘッドを低減できる技術も新たに搭載された。

さらに、新たなセキュリティ機能として、インテル セキュアキーとインテル OSガードが搭載されていることも特筆すべきだ。インテル セキュアキーは、暗号化処理をハードウェア側で行うことで高速化でき、インテル OSガードはスーパーバイザーモードからユーザーモードページ上の不正なプログラムを実行してカーネルをハイジャックしようとする攻撃に対してハードウェアレベルで保護できる機能だ。

「CPUの性能向上と電力削減を行うのはインテルの使命ですが、機能向上についてはエンドユーザーやユーザーフォーラムの声を聞き、またクラウドサービスプロバイダーなどのニーズを聞きながら、時代に合わせてTick-Tock開発モデルのなかで必要なものを開発できるようにし、セキュリティ機能などを提供しています。最新のインテル Xeon プロセッサーは、世界最速のスーパーコンピューター(TOP500、2013年6月現在)の天河二号(Milky Way 2)にも搭載され、驚異的なパフォーマンスを実現しています」(中田氏)。

クラウドOSの時代となり、データセンターやサーバーに多くの要求があるなかで、インテルでは今後も性能向上と電力削減に力を入れながら、毎年新たなCPU製品をリリースしていく。