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MS クラウドOS時代のIT基盤の選び方―Windows Azure

Windows Azure[Public Cloud Service]
~グローバル展開できる高機能・高信頼のクラウドサービス~

Windows Azureは、マイクロソフトがデータセンター事業者として展開してきたノウハウをベースに提供する、信頼性の高いパブリッククラウドサービスである。Windows Serverをはじめとするマイクロソフトの最新技術を搭載し、高機能かつ柔軟性の高いプラットフォームで企業のビジネス成長に貢献する。

信頼性の高さとグローバル展開で多くの企業、サービスで活用

2010年のサービス開始以来、Windows Azureは多くの企業のサービスや新規事業、開発基盤として利用されてきた。Windows Azureをはじめとするクラウドサービスでは、規模や目的に合わせて柔軟にITリソースを増減できるため、スモールスタートで開始し、軌道にのったらリソースを増やしていくといったコストメリットの高い運用が可能である。また、オンプレミスのように管理・運用にコストをかける必要がなく、ハードウェア障害への対応などもすべてサービス事業者であるマイクロソフトに任せておけることで、本来のビジネスに集中できることも大きなメリットとなる。

Windows Azureはコンピューティング、データサービス、ネットワークサービス、アプリケーションサービスにおいて多彩な機能を提供しており、さまざまな目的で利用できる。これらの各機能やサービスは常に最新技術が使われ、今後さらに充実していくこともクラウドならではの利点となる。

パブリッククラウドを活用するうえで、最も気になるのは信頼性の高さだろう。Windows Azureは、99.95%の月間SLA(Service Level Agreement)を提供しており(クラウドサービス、仮想マシンを同じ可用性セットに複数インスタンス配置した場合)、可用性の高いアプリケーションを構築して運用することが可能だ。また、ストレージも冗長化されており、異なるラックにレプリカを3重に配置しているだけでなく、地理的に離れたデータセンター内にも3重のレプリカを配置して常時データを転送し、DR(Disaster Recovery)対策を行っている。

世界規模のクラウド基盤を所持していることも、Windows Azureの優位点だ。2014年には東日本と西日本の2か所にWindows Azure用のデータセンターが設置される予定。北米4か所、欧州2か所、アジア2か所、豪州2か所、CDN(Contents Delivery Network)24か所のグローバルネットワークとともに活用できることになる。日本国内にデータセンターがあれば、国内だけでDR対策を取ることができ、法規制や会社の方針で国内にデータを置く必要のある企業も利用しやすくなる。また、すでにグローバル展開している企業や、これからグローバルに展開しようとしている企業も、必要に応じた規模で距離的に近いデータセンターを活用して、海外支社のインフラを、迅速に整えることができる。

モバイル向けのサービス提供やクラウド間の連携機能も充実

Windows Azureはマイクロソフトが提供しているため、Windowsプラットフォームだけが利用可能と考える人もいるが、オープンな環境であることも大きな特徴だ。LinuxやMac OSもサポートし、.NET、Java、PHP、Node.js、Pythonといった開発言語が利用できる。

これらのオープンな環境を利用できるWindows Azureでは、企業サイトのクラウド化やキャンペーンサイトでの活用のほか、最近ではスマートフォンなどのモバイルデバイスに対するサービスやアプリの提供を行うことも考えられる。

Windows Azureモバイルサービスでは、BaaS(Backend as a Service)を提供することで、モバイルバックエンドを素早く簡単に構築でき、Windows ストア、iOS、Android、HTMLなどの異なる環境のアプリケーションに対しても、ユーザー認証、プッシュ通知、サーバースクリプト、データなど、一貫したサービスを提供することが可能となる。

また、Facebook、Twitter、GoogleなどのIDプロバイダーと連携したシングルサインオンも実現できる。マイクロソフトでは、用途に合わせてオンプレミスやプライベートクラウドとパブリッククラウドを活用するハイブリッドクラウドを提唱しているが、そのための認証機能を実装しやすいように「Windows Azure Active Directory(Windows Azure AD)」を提供。Windows Azure ADは、オンプレミス側のActive Directoryと連携し、Office 365などのマイクロソフトのクラウドサービスをはじめ、他社のアプリケーションサービスやIDプロバイダーのアカウントを使ったシングルサインオンを実現する。セキュリティ強化を目的とした多要素認証を追加することも可能だ。

社内環境のバックアップや社内インフラの拡張でも利用可能

社内環境のバックアップや拡張にWindows Azureを活用することも有効だ。オンプレミスとクラウドの間はWindows Azure仮想ネットワークを使って仮想インスタンス(VIP)を完全に非公開にすることが可能であり、安全なデータの移行とセキュアな接続がサポートされる。また、Windows Azureバックアップでは、無償提供される専用のエージェントをインストールするだけで、Windows Server 2012 R2上のデータドライブやデータフォルダをWindows Azureに自動バックアップできる。

マイクロソフトは2012年11月にクラウド統合ストレージであるStorSimpleを買収していることにも注目したい。イントラネット内のサーバーと接続できるiSCSIストレージであるStorSimpleは、Windows Azureストレージとスムーズな連携が可能なため、ストレージの迅速なプロビジョニングを実現し、自動バックアップ、自動アーカイブ、障害・災害対策などを低コストかつ俊敏に行うことができる製品だ。

開発やテスト用の環境もWindows Azureが最適だ。ハードウェアの購入や納期、設定などの手間をかけることなく、必要な環境を迅速に用意でき、Windows Azure仮想ネットワークを使ってセキュアな接続ができるため、本番環境などに影響を与えることなく実稼働のサーバー構成を簡単に利用できるようになり、スケールアップ/スケールアウト、負荷の生成などのテストを存分に行うことが可能だ。開発後やテスト後は、作成した環境をそのままWindows Azure上に展開したり、オンプレミスやホスティングに仮想マシンをエクスポートして展開したりすることもできる。

Windows Azureは、すぐに利用できてビジネスにフォーカスできることや成長に合わせてコストを最適化できるなどパブリッククラウドの特徴だけでなく、オープンなアーキテクチャを活用できることや国内を含むグローバルなクラウド基盤を活用できるといったメリットを享受できるサービスだ。既存環境との連携が容易なハイブリッドクラウドを実現するパブリッククラウドサービスとして、多くの機能を活用できる。

社内環境のバックアップ・拡張をWindows Azureバックアップで
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