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エンタープライズITを変える 新しいWindowsのインパクト

IT活用のプラットフォームとして圧倒的な存在感を誇るWindowsは、2014年4月9日にその新しい姿を見せた。モビリティを大幅に強化した「Windows 8.1 Update」は、PCのOSにとどまらず、タブレット向けの市場でも高い評価を獲得している。新しいWindowsの形を提示する「Windows Conference 2014」には多数の来場者が詰めかけた。熱気に包まれたセミナーの模様をお伝えしよう。

継続的なイノベーションを進めるWindows

藤本恭史氏
企業で活用する最新のWindowsの価値を解説する、
日本マイクロソフト株式会社
Windows本部 本部長
業務執行役員
藤本恭史氏

「最適なエンタープライズITの環境を、お客様に対して提供すること。それがWindowsのコアバリューです。そのために、私たちは継続的なイノベーションを進めています」と語るのは、日本マイクロソフトの藤本恭史氏である。前回の「Windows 8.1」からわずか半年で「Windows 8.1 Update」をリリースしたことも、継続的なイノベーションを早期にユーザーへと届けるという姿勢の表れである。

「お客様からのフィードバックを受けて、Windows 8.1 Updateは大きく機能強化されました。お客様と向き合い、お客様の声を素早く製品に反映する。それは、私たちにとって極めて重要なことです」(藤本氏)という。

例えば、洗練されたユーザーエクスペリエンス。タッチ操作はもちろんだが、今回は特にマウスやキーボードの使い勝手が向上した。また、低コストのハードウェア、最新のハードウェアにも対応している。

「Internet Explorer(IE)」との互換性も向上した。そのカギとなるのがIE 11のエンタープライズモードだ。「エンタープライズモードを使えば、IE 8などの旧バージョンの環境を、IE 11上で再現することができます。ブラウザの互換性は大きく向上しました」と藤本氏は説明する。さらに、MDM(Mobile Device Management)機能の拡張など、モビリティも大幅に強化されている。

タブレット市場におけるWindowsのシェアが急拡大

ブライアン・ホール氏
最新の「Surface Pro 3」を紹介する、
米マイクロソフト
ジェネラルマネージャー
Surface & Windows Hardware
セールス&マーケティング担当
ブライアン・ホール氏

以上はプラットフォームとしての特長だが、ハードウェアを含めると、Windows 8.1 Update搭載のデバイスは一層の進化を遂げている。特に注目を集めているのが、タブレットとしての機能や使いやすさである。「タブレットの法人市場は急成長しています。この成長市場において、マイクロソフトの努力は実を結びつつあります。タブレット市場におけるWindowsの存在感も高まっています」と藤本氏。市場の高評価をもたらした理由は様々だ。複数のユーザープロファイルでアカウント設定ができること、マルチタスクをこなせること、既存アプリケーションとの親和性、多様な周辺機器との互換性などである。

こうした強みを生かしたタブレットを多数のハードウェアベンダーが提供しているほか、マイクロソフトも成長市場を見据えた戦略商品として「Surface Pro 3」を発表した。そのデモを行ったのは、米国マイクロソフトのブライアン・ホール氏である。同氏は軽くて薄いSurface Pro 3を操りながら、オフィスの生産性向上をサポートするデバイスとしての実力を示した。

大阪会場でSurface Pro 3を説明する、日本マイクロソフト株式会社 Surfaceマーケティング シニアプロダクトマネージャー 瀬戸和信氏。従来機種と比べてSurface Pro 3の軽量さをアピールする、天秤に「たこ焼き」を載せるパフォーマンス
Microsoft Surface。右は軽量化が図られた最新のSurface Pro 3。画面アスペクト比は3対2

セキュリティ要件の高い企業でもWindowsタブレットの導入が進む

小黒信介氏
Windowsタブレット活用のシナリオを語る、
日本マイクロソフト株式会社
Windows本部
シニアプロダクトマネージャー
小黒信介氏

次に、日本マイクロソフトの小黒信介氏が登壇。まず、デバイスとしての実力が発揮される「2 in 1」としての活用事例について話した。「例えば、Windows XPとAndroidタブレットからWindowsタブレットにリプレースした北國銀行のように、厳格なセキュリティが求められる金融機関のお客様も多い」と小黒氏。また、明治安田生命は営業職員向けに3万台のWindowsタブレットを導入している。ほかにも、多くの業種業態でWindowsタブレットが活用されている。

次に、2台目端末としての導入。電子カタログ用として、あるいは役員や管理職向けのメール、スケジュール管理端末として活用されている事例が多いようだ。

特定・単一用途での導入も進んでいる。女性向けインナーウェアを主力とした商品販売を展開するピーチ・ジョンの事例だ。店舗販売において、顧客体験の変革を目指し、Windowsタブレットの導入へ。軽快かつ直感的なタッチ操作で、接客時のコミュニケーションもスムーズに進むという。これまでITが入り込んでいなかった現場での利活用も目立つ。

バーコードリーダーやカードリーダーなど、Windowsタブレットに対応する周辺機器も充実してきた。対応アプリも同様。その1つがワンビの提供する「ワンビ・ウノ」である。ワンビ社長の加藤貴氏は「店舗内などに置かれたデバイスを、盗難や不正利用からいかに守るか。そのための対策を実現するのがワンビ・ウノです」と説明する。デバイスの不正持ち出しなどに対して、大音量アラームやデバイスロックなどで対応するセキュリティソリューションである。同社だけでなく、多くのパートナー企業が様々なWindowsタブレット向けのアプリを発表している。

主なWindows タブレット導入企業
企業名 タブレット利用用途
明治安田生命保険相互会社 3万人の営業職員がタブレット活用しサービス向上
株式会社北國銀行 Windows XPとAndroidタブレットをまとめてリプレース
鹿島建物総合管理株式会社 現場社員の業務改善と効率化、平準化
東京オート株式会社 商談現場での見積もりの迅速な提示による営業効率の向上
株式会社サークルKサンクス スーパーバイザーが店舗指導に活用し、業務効率を向上
株式会社ミロク情報サービス 営業職とSE職にSIM内蔵端末を配布し、労働時間の適正化と効率化
株式会社ピーチ・ジョン お客様自身がサイズ探しや在庫確認ができる接客端末を導入し顧客サービスを向上

日本マイクロソフトが実践するフレキシブルワークスタイル

浅田恭子氏
Windowsを活用した“フレキシブル ワークスタイル”を提案する、
日本マイクロソフト株式会社
Windows本部
エグゼクティブ プロダクトマネージャー
浅田恭子氏

日本マイクロソフトの浅田恭子氏は、「Windowsで実現するフレキシブルワークスタイル」と題して講演した。現状、営業などの現場において、IT活用の自由度は高いとは言えない。場所の制約は、いまも大きい。浅田氏は「会社の固定席だけでデバイスを使っているという企業も多いでしょう。そこから一歩踏み出して社内での持ち歩き、さらにフレキシブルシーティングと呼ばれる自由席でのワークスタイルへ。その次が社外への持ち出しですが、ここには大きな壁があります」と言う。

社外への持ち出しは可能だが、セキュリティ上の懸念から持ち出し専用のデバイスを貸し出している企業もある。ただし、社内と同じように仕事をするには、各種業務システムなどの社内リソースへのアクセスが必要になる。

実は、これらは日本マイクロソフト自身がたどった道筋でもある。現在、同社ではBYOD(Bring Your Own Device:私物端末の業務利用)も実行されているという。こうしたワークスタイルを支える技術は様々だ。「フレキシブルシーティングにはWi-Fi環境や統合認証などの仕組みが欠かせません。また、セキュリティに関しては、データ暗号化やアクセス制御などを実行しています」(浅田氏)。

日本マイクロソフトのフレキシブルワークスタイル例。外出が多い営業職だけでなく、内勤者にもフレキシブルシートが浸透しつつある。フレキシブルシート、社外へのPC持ち出し、社内リソースへのアクセス、BYOD(私物端末の業務利用)を、様々なテクノロジーで解決する

これらの技術の支えの上で、日本マイクロソフトはフレキシブルワークスタイルを実践している。そのビジネス効果はコスト削減、環境負荷軽減、事業継続性確保、ワークライフバランス、組織力向上など多岐にわたるという。自社事例以外にも、浅田氏はいくつかのケーススタディを紹介。ワークスタイル変革の重要性を訴えた。

この日の最後はパネルディスカッション。パソコンやタブレット向けのセキュリティソリューションを提供するワンビ社長の加藤 貴氏、タブレット向けのサービスに注力しているインフォテリア社長の平野洋一郎氏なども参加し、タブレットの課題や未来について熱い議論が展開された。

「最新のWindowsでビジネスに新しい力を」と題したパネルディスカッション。
「最新のWindowsでビジネスに新しい力を」と題したパネルディスカッション。
左から、ワンビ株式会社 代表取締役社長 加藤 貴氏、
インフォテリア株式会社 代表取締役社長/CEO 平野 洋一郎氏、
日本マイクロソフト株式会社の辻本克也氏、同じく藤本恭史氏
※記載の会社名、製品名、サービス名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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  • ■Windows Journey

    「Microsoft Windows Conference 2014」の基調講演の資料。「進化するWindows」とはどのようなものか説明し、「Windows 8.1 Update」の概要や、最新のWindowsタブレット「Surface Pro 3」の特長をまとめている。マイクロソフトは日本の企業ユーザーを重視しているという。

  • ■Windowsタブレット活用シナリオ

    「Microsoft Windows Conference 2014」のWindowsタブレットの活用事例を紹介した講演資料。Windowsタブレットがどのように業務改革に貢献するかを説明。セキュリティソリューションや、無償の開発ツール「Project Siena」も解説する。

  • ■Windowsで実現するフレキシブルワークスタイル

    「Microsoft Windows Conference 2014」の場所と時間にとらわれない“フレキシブルワークスタイル”を解説した講演資料。フレキシブルワークスタイルを実現するための、データ保護やアクセス制御などのテクノロジー解説や事例を掲載。

お問い合わせ
  • 日本マイクロソフト株式会社

    マイクロソフト カスタマー インフォメーション センター
    TEL 0120-41-6755(受付時間 平日9:00~17:30)
    URL http://www.microsoft.com/japan/