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Cloud Days 2015|Cloud Days 分散処理技術による“脱RDB”がビッグデータ時代の要請に応える

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ワークスアプリケーションズ

分散処理技術による“脱RDB”が
ビッグデータ時代の要請に応える

長らく企業システムを支えてきたリレーショナルデータベース(RDB)。ビッグデータ時代を迎え、そのRDBこそが大量データの高速処理を実現する上での足かせとなっている。今後の企業に求められるのは“脱RDB”を図り、分散処理技術を採用したクラウドネイティブなシステム環境を構築していくことだ。その取り組みが、今後のビジネスの成否を分けるといっても過言ではない。

コンシューマーITでは
当たり前の分散処理技術

株式会社ワークス
アプリケーションズ
代表取締役最高経営責任者(CEO)
牧野 正幸 氏

今まさに企業システムの世界に新たな変革の波が押し寄せている。「データベースにRDBを採用して集中処理を行う、これまで常識とされてきた企業システムの在り方には既に限界が見え始めてきており、それに代わる新たなシステムへの移行が求められています」とワークスアプリケーションズの牧野正幸氏は話す。

こうした動きは、コンシューマーITの世界において顕著だ。例えば、Googleの検索エンジンで提供されるサジェスト機能。「サジェスト機能では、ユーザーが文字を入力する都度、リアルタイムに検索キーワードの候補が表示されますが、おそらく企業システムのエンジニアやユーザーなら誰もが、その高速なレスポンスに驚愕を覚えたはずです」(牧野氏)。

仮に同様のことを、RDBを採用した現在の企業システムにおいて実現しようとすると、その仕掛け自体の構築は可能でも、実用に耐え得るレスポンスを維持することはできないだろう。「Googleでは、分散処理技術を採用することによりこの数ミリ秒という桁違いのレスポンスを実現しているわけです」と牧野氏は説明する。

具体的には、クラウド上に膨大な数のサーバーを配備して、システムに蓄積される莫大なデータやユーザーからの大量のリクエストを、これらサーバー群全体で分散化して処理するという方法がとられている。

分散処理技術の採用により
スケーラブルな性能向上を実現

もちろん、これまでの企業システムにおいても、処理の高速化は常に重要なテーマに掲げられてきた。事実、データベースが保持するデータ構造を工夫するなど様々なチューニングを行ったり、データベースが稼働するマシンそのものの高速化を図るといった取り組みが続けられてきた。

「ビッグデータ時代を迎えて、企業内に保有されている何年分、何十年分というログデータの活用を考えたとき、今後は企業システムにおいても分散処理技術の導入により、処理パフォーマンスを劇的に改善していく必要があります。そこでボトルネックとなるのがこれまで企業システムのコア技術として採用されてきた、RDBによる集中処理にほかならないわけです」と牧野氏は指摘する。

RDBが今日のように企業システムのデータベースの標準として受け入れられてきた背景要因としては、クエリ言語であるSQLによってアプリケーションからのデータのハンドリングが極めて容易であったり、トランザクション処理においてデータの一貫性を保証できるなど、開発者にとって圧倒的な利便性があったことが挙げられる。

「そういった利便性の見返りとして、RDBでは宿命的に大量のCPUリソースを消費せざるを得ず、またその特性上、仮に複数のサーバー筐体のCPUに処理を分散させるようなかたちをとっても、CPU数に比例したパフォーマンスの向上を享受することができないという問題があります」と牧野氏は解説する。

つまり、今後企業において不可欠となるビッグデータの高速処理を目指す上では、“脱RDB”を図ってパフォーマンス上の限界を克服していくほかないというわけだ。今日ではそうした要請に応えるクラウド時代のデータベースといえるNoSQL型の分散キーバリューストア(分散KVS)といった新たな仕組みも登場しており、コンシューマーITやクラウドサービスの世界での活用が広がっている。

「こうした分散KVSなどの新たなデータベースの仕組みを採用しながら、パブリッククラウドで提供される安価なCPUを活用することで、加速度的に大容量化するデータ処理にもCPUの数を増やしていくだけでスケーラブルに対応できます。こうした分散処理こそが、クラウドコンピューティングのメリットなのです」と牧野氏は強調する。

クラウドネイティブな
次世代ERPが革新を起こす

ワークスアプリケーションズ自身、1996年以来20年近くにわたって、RDBベースの大企業向けERPパッケージ「COMPANY」を市場に提供してきた。会計、人事、給与、ワークフロー、SCMなどの機能を中心に1000社以上の企業に導入されているという実績を持つ。その一方で同社では、基幹業務アプリの前提といえるRDBMSからの脱却を図り、分散KVSを採用したクラウドネイティブなERPの新製品「HUE(ヒュー)」を2014年10月に発表。現在、2015年中の提供に向けた準備を進めている。

例えば、HUEが搭載する検索機能「Enterprise Search」では、Googleの検索エンジンと同様の使い勝手、レスポンスを実現している。社員を検索するシーンでは、1文字キーワードを入力すると、社員の氏名や所属組織など様々なマスターを検索して結果を瞬時に表示。このとき、Web検索エンジンとは異なり、業務のシーンごとにユーザーが探したいと考えている情報を想定し、全てのマスターに闇雲にアクセスするのではなく、重要度の高い情報にどれだけマッチングしたかを判定することで、より高精度にユーザーが必要とする結果を抽出するようになっている。

そのほかにもHUEでは、各業務と表計算ツールを融合した「Enterprise Spreadsheet」や、“人間のあいまいさ”を許容するインポート機能やレイアウト機能を提供する「Magic Series」なども用意。圧倒的なパフォーマンスとハイユーザビリティで、企業の業務に「革新的なスピード」をもたらす。

最後に牧野氏は「企業システムがRDBから脱却することは可能です。IT部門にいま求められているのは、オールドテクノロジーの足かせにとらわれることなく、ユーザーのビジネスニーズに応えていくことです」と改めて強調した。それこそが、国際競争の中で企業が生き残っていくカギとなるはずだ。

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