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スバルWRX S4の開発責任者に聞く

今、スポーツセダンを選ぶ理由

スバルの新型スポーツセダン「WRX S4」の売れ行きが好調だ。走りを楽しみたいというドライバーからの支持が高いようだ。子育てを終えたという人も多いはず。ここで、自分を取り戻すためのクルマに乗ってみてはいかがだろう。

スバルWRX S4の開発責任者に聞く今、スポーツセダンを選ぶ理由

8月に発売したスバルの新型スポーツセダン「WRX S4」が、発売後約1カ月で対目標比5.0倍の販売台数を受注し、好調なスタートを切った。「今回は輸入車から乗り換えていただいたお客様も多いですね」と開発責任者の高津益夫氏。日本ではミニバンやワゴンの人気が高いが、セダン市場は2011年を底にゆるやかな回復基調にあったという。「個性的な輸入車が受け入れられる下地があり、本物志向のスポーツセダンならニーズがあるはずだと肌で感じていました」と開発当初を振り返る。

WRXといえばモータースポーツの世界では名だたる存在。初代WRXの誕生は1992年。翌年からWRC(世界ラリー選手権)に参戦し、WRC3連覇やニュルブルクリンク24時間レース2年連続クラス優勝など輝かしい成績を残してきた。従来は「インプレッサWRX」として親しまれてきたが、この4代目から「WRX」として独立。モータースポーツまで視野に入れた「WRX STI」と、今回、新提案となる走りと安全性を高次元で融合させた「WRX S4」の2タイプで構成している。

「STIでは(例えば6速のマニュアルトランスミッション/MTしか選べないことなどもあって)少し敷居が高いが、もっとスポーツドライビングを楽しみたいという方々は多くいらっしゃいます。そこでSTIの高い運動性能をキープしつつ、より安全性や乗りやすさを意識したWRX S4を開発しました」。S4には「スポーツリニアトロニック」と呼ばれるCVTを搭載。なめらかな加速の無段変速から、MT車のようなステップ変速制御へ切り替えて、スポーツドライブを楽しむこともできるようにしている。

それだけではない。実は高津氏が最も力を注いだのは、走りの基本性能を引き上げることだ。「やはり、ステアリングから伝わってくる路面の感触をつかみながら、思った通りのラインを描くようにコントロールしていくのがクルマを操る醍醐味。自分がクルマだけでなく道路や周囲の自然とも一体になるような爽快感を味わうには、運動性能を極めることが必要でした」。

高津氏が心血を注いだ走りの要素は3つある。1つ目はステアリング・レスポンスの向上。「ハンドルを切り始めると、気持ちよく反応するクルマをめざしました」。2つ目はリアタイヤをしっかりグリップさせること。「リアタイヤはスポーツで言えば軸足。正確なコーナリングに必要な要素です」。3つ目は路面が変化してもボディの揺れを抑えるフラットライドという考え方だ。これらの3つの要素を実現できた大きな要因のひとつが、根本となるボディの高剛性化技術。そのおかげで路面の変化にこまめに追随する理想的なサスペンションも採用できたという。

また「ぶつからないクルマ?」でおなじみの運転支援システム「アイサイト(ver.3)」を全車に標準装備。高速道路や自動車専用道路で車線内中央付近の走行維持や車線逸脱抑制を行う「アクティブレーンキープ」などの先進運転支援システムを新たに搭載している。ロングドライブでのドライバーの負担を大幅に軽減する“はみ出さない技術”だ。「こうした先進安全デバイスは、ドライバーの奥様など同乗者の安心にもつながります。最高の走りと最上の安心をひとつにしました」と強調する。

自分の可能性をさらに広げるスポーツセダンに乗ろう

これまでシャシーの設計や運動性能の研究などに携わってきた高津氏は最後の仕上げも念入りに行った。「操縦安定性を仕上げるエンジニアと様々な道を走らせながら、クルマ全体にとって最良のバランスを突き詰めていきました。理想の走行性能を追求した結果、乗り心地も改善されています」。

最初から電子制御に頼るのではなく、まずクルマの基本性能の向上を追求したS4は、高速走行だけでなく、日常的なシーンでも心強い。例えば交差点で右折待ちの際も、曲がりたいタイミングでスッと走り出すことができる。こうしたキビキビとした走りを楽しめるクルマがあれば、ドライブに出かける回数も自然に増えるというもの。

「子育てを終えたという方は、今度はスポーツセダンを手に入れてはいかがでしょう。セダンならスキーやサーフィンなどとの親和性も良好です。目的地まで格好よく走らせ、現地で好きなスポーツを楽しむのもいいですね。自分の可能性がさらに広がり、また夫婦の時間も充実すると思います」。モノの本質を見極めた大人が納得する─。そんなスポーツセダンを選びたい。

WRX S4のグレードは「2.0GT-S EyeSight」(写真・メーカー希望小売価格356万4000円/税込み)と「2.0GT EyeSight」(同334万8000円/同)の2種類。どちらもエコカー減税対象だ
スバル商品企画本部
プロジェクトゼネラルマネージャー
高津益夫

●軽量・高剛性ボディ

サスペンションの働きを高めるためにアンダーボディを中心に構造部材を強化。また高張力鋼板の適切な採用で軽量化も実現している

●水平対向エンジンのメリット

水平対向エンジンは、左右のピストンが互いの力を打ち消し合うため回転バランスにすぐれ、さらに軽量・低重心なので安定性が高い(特性イメージ)

●安定感を生むシンメトリカルAWD

水平対向エンジンと左右対照の動力伝達機構で構成されたスバル独自のAWDシステム「シンメトリカルAWD」。低重心で、安定性や敏捷性にすぐれ、高い駆動力を誇る

●コーナリングをスムーズに

アクセルを踏みながら曲がる時、フロント内輪側にブレーキをかけてクルマが外に膨らむことを抑制するアクティブ・トルク・ベクタリングを搭載

●安全運転に直結する視界の広さ

ピラーの根元に三角形の窓を設け、コーナリング時の視界を確保。大きなサイドミラーも見やすい

●アイサイトVer.3を搭載

ルームミラーの左右に配したステレオカメラで常に前方を監視。危険を予測し衝突を避けるプリクラッシュブレーキなど先進機能を備えている