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今さら聞けないICTキーワード スマートデバイス

今さら聞けないICTキーワード
スマートデバイス

 スマートフォンやタブレットのように様々な用途に使用できる多機能端末をスマートデバイスと呼ぶ。きょう体は折りたたみ式ではなく、表側の全面がタッチパネル液晶になっており、指や専用ペンを使って画面に直接入力することができる。サイズはこれまでの携帯電話よりひと回り大きく、汎用のOSを搭載しており、利用者が後からソフトウエアなどを追加できるようになっている機種が多く、高機能化の余地が大きい。

 スマートデバイスは2008年ごろからコンシューマー向け商品として爆発的な人気を集めたが、最近はエンタープライズ向けの端末として注目を集め始めている。メールやスケジュール機能のために使うだけではなく、業務アプリケーションを動かし、企業の情報システムの一部として使用を始めている。

 スマートデバイスの最大の魅力は、情報を必要とした場面で即座に使え、機動力が向上することだ。ビジネスに使えるアプリケーションが急速に増えているうえ、独自に開発することも難しくない。

低コストで専用端末の代役にも

 営業担当者や管理職への配布は、スマートデバイスの代表的な活用例だ。アプリケーションを搭載することで「承認」「契約内容の確認」「在庫状況」といった機能をスマートデバイスに付け、営業担当者が外出先から過去の取引状況や商談履歴を確認したり、電車の待ち時間でも管理職が承認業務できたりするようになる。ノートパソコンとデータ通信カードの配布によって外出先でも業務に取り組める体制を整えても、情報を必要とした場面で即座に使えないため利用率は低かったが、スマートデバイスなら解消する。

 また、小売業では売り場の担当者にスマートデバイスを配布し、在庫確認をはじめ、クレジットカードの信用照会、売り上げの計上などで活用する動きが広まっている。店舗ごとの売り上げをリアルタイムで見られるようになり、商品供給ルールの見直しやサプライチェーン全体の最適化にもつながると評価する声は少なくない。

 スマートデバイスによるメリットは機動力の向上にとどまらない。様々な業界で業務用の専用端末が使われているが、それをスマートデバイスに切り替えることで、コスト削減を図れる。病院のスマートデバイスの導入はその好例だ。電子カルテを閲覧したりする病院向けの業務端末は1台当たり20万円ほどだが、スマートデバイスなら6万円程で済む。専用端末の単価が高いため、以前は看護師だけが利用していたが、スマートデバイスの単価が安いため医師全員にも配布できる。

 このほか、スマートデバイスの導入によって社内のIT化が一気に浸透したという事例もある。製造業の生産現場はその一つ。3次元CADや生産管理システム、パソコンなどを配置してITの導入に積極的に取り組んでも、キーボード操作が嫌いでパソコンに一切触れようとしないベテラン社員が少なくなかった。パソコンをスマートデバイスに切り替えたところ、キーボード嫌いのベテラン社員にも受け、ITが一気に進んで生産管理システムのデータの精度を向上した。

 様々な可能性を秘め、ビジネスを大きく変える力を持つスマートデバイスを導入する企業は今後、増えることはあっても減ることはない。

スマートデバイスで業務は大きく変わる

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