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産業立地特集:企業の新規立地の誘致 地域の特長を活かすことが重要に

アベノミクスによって薄日が差しつつある日本経済。企業の新規事業所への投資心理は底を脱したとはいえ、大幅な改善には至っていない。そんな中で、企業誘致を図る自治体に求められるのは、地域ならではの特長を活かした進出メリットを打ち出すことだ。生産施設以外の物流施設や商業施設の誘致にも力を入れる必要がある。

日本立地センターでは、2013年秋に製造業と物流業の約2万5000社を対象に新規事業所立地計画に関するアンケートを行いました。その結果を見ると、新規事業所への投資意欲はリーマンショック後の2010年を底に着実に回復していることが分かりました。

ただ「高い法人税率」「高い労働コスト」「高い電力料金」「円高」などの企業に国内立地を逡巡させる問題点の中で、アベノミクスで改善したのは「円高」くらいです。そうした影響もあるのか、投資意欲は大幅に伸びているわけではありません。「円高」以外の阻害要因が改善できるかが注目されます。

新規事業所立地の「計画がある」と回答した企業は製造業が12.2%、物流業は16.5%でした。その中で「用地を入手済み」という回答は両業種とも約4割です。企業誘致を図りたい地方公共団体などにとって、残りの約6割の企業に大きなチャンスがあります。そうした企業にアプローチする際のポイントは3つあると思います。

1つ目は「人材確保」です。今回の調査で、今後の国内における事業活動の不安要因として約6割の企業が挙げたのが「人材確保・育成」です。地域の教育・職業訓練機関と連携することなどで、この不安を解消できれば、企業を引きつけることができるでしょう。

2つ目は、地域の特長を活かすことです。現在、多くの地方公共団体が税金の優遇や補助金を用意しています。この面は横並びに近いので、別の面で、地域ならではのメリットを打ち出すことが大切です。

製造業以外に目を向ける

日本立地センター
産業立地部長
高野 泰匡

その際に注目したいのが、農業や水産業です。その地域だけしか取れない農産物や水産物は食関連の企業に対して大きな魅力になることがあります。地域の農業・水産業の産業化を図り、食品産業などを誘致して連携し、地域を活性化することが考えられます。最近は食の安全が非常に注目されています。国産の安全な農産物や水産物に対するニーズを地域振興に活かすのです。

3つ目は幅広い産業を誘致することです。地方公共団体が企業誘致に力を入れる一番の目的は「雇用の確保」です。その目的に最もマッチしているのが生産施設なので、従来は製造業の誘致に力を入れてきたわけです。

しかし、時代は変わりました。例えば物流業。以前は「トラックターミナルや倉庫は車の出入りは激しいが雇用は生まない」といったイメージがありました。しかし、最近はかなりの従業員が働く物流施設も出てきています。大手の物流会社は、自社のターミナルで、商品の簡単な加工・検品などを請け負うことも始めています。

今回の調査でも製造業よりも物流業の方が新規事業所を計画している比率が高いのです。今後インターネット通販事業が大きく伸びることが予想されています。物流業の新規立地はしばらく増加傾向が続くでしょう。

商業やサービス業関連の施設も誘致に力を入れるべきです。商業やサービス業の雇用吸収力は非常に強いからです。既存の商業・サービス業に配慮しながら、大型商業・サービス施設の誘致も図ることが、地域の雇用を守ることになると思います。

産業立地特集 インフォメーション

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