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経営課題解決シンポジウム データ経営実践編 これから始めるデータ経営 Review | アグラ株式会社

アグラ

データを経営資源に。業種業務別データモデルでデータ統合を3カ月で実現

「データを企業の重要な経営資源に変える」。これがアグラの創業時からのビジョン。これを具現化するためのデータ活用ソフトウェア「AGRA」の魅力となぜ「早く」データ統合が実現するのかについて、アグラの丹下 博氏と嶋田圭吾氏およびオキシィビジネスソリューションズの尾野弘行氏が熱く語った。

3カ月でオムニチャネルを実現する「仮想統合モデル」とは

丹下 博 氏
アグラ株式会社
代表取締役社長
丹下 博

「テキサスの地中から湧く無用の黒い油だった石油を20世紀最大の経営資源に変えたのは、精製技術でした。21世紀を迎えた今、企業内に散在するデータを検索する前に統合・精製することにより初めてデータは有用な経営資源となります」

 データを経営資源に――をビジョンとして掲げるアグラの丹下 博氏は、大切なのは検索ツールやグラフツールではなく、その以前の形式や表現が統一されていないデータの統合、整理こそが必要とされている技術だと指摘する。データサイエンティストの仕事の5~8割は、データクレンジング(誤記や表記揺れの訂正)や名寄せに費やされているというのだ。

 従来このような問題を解決するために、目的別のデータ変換プログラムを作成するのが一般的だった。しかし、プログラムをその都度作成するのは困難で複雑であり、また業務が 特定の人に依存してしまう「属人性」や保守にかかる工数の増加などで苦心しているユーザーは非常に多いが、ここに定まったソリューションがない。

「そこで、当社は業務・業種別モデルと実データを論理的に関係づけ仮想で統合するAGRAというソフトウェア技術を開発し、特許を取得しました」と丹下氏は語る。データを経営資源として見るべく人や組織の考え方をオントロジー(階層構造)で表現したビジネスコンセプト層と、実際に企業内に存在する膨大な物理データ層の間にマッピング層を設ける三層構造の技術により、既存のシステムにはまったく手を加えることなく、論理的にデータを仮想統合できるようにしたと説明する。モデルは標準化モデルをベースに顧客毎にカスタマイズすることができ、データクレンジングや名寄せのルールもあわせて辞書機能に登録し成長を続ける。

図版モデルを使ってのデータ統合
目的に応じたデータ変換プログラムを都度作るのではなく、論理モデルと物理データを関連付けて 仮想統合
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 AGRAはすでに多くの企業で基幹データの統合に活用されている。たとえば、2010年10月にグループ9社を経営統合して生まれた日立ソリューションズでは、データ形式の統一、名寄せ、顧客マスターの未整備などのデータ統合問題を解決するためのツールとしてAGRAを採用。グループ連結経営を支える受注分析や顧客分析を3カ月で実施できるようになった。企業の統廃合が頻繁に発生する昨今の経営環境ニーズに合致した事例といえる。

 また、ある大手製造業では、国内外の工場で使われているグローバル調達システムのデータをAGRAで統合。重複していた購買業務を一元化し無駄を排除することによって、グループ全体で年間約数十億円の調達コストを削減することができたという。

 このほか、2014年12月16日にサービスを開始したネットスーパーの価格比較サイト「NESPA(ネスパ)」でも、流通各社の商品コードをJANコード統合商品情報データベース(JICFS/IFDB)でデータクレンジング/名寄せする部分にAGRAの技術が使われ、3カ月という驚異的な速さでオムニチャネル型の流通統合を実現している(URL:https://www.nespa-jp.com/)。

ネットスーパーの価格比較サイト「NESPA(ネスパ)」
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データ調査、設計、検証を一体化し、これまでにない高速なデータ開発を実現

嶋田 圭吾 氏
アグラ株式会社
執行役員
コンサルティング担当
嶋田 圭吾

 AGRAはデータ開発ツール「AGRA Data Developer」とデータ管理プラットフォーム(DMP:Data Management Platform)ソリューション「AGRA DMP Solutions」の2つの特徴を持った製品である。このうち、AGRA Data Developerはデータ統合の調査・設計・検証に携わる技術者向けのツールとして「データ調査支援」「データ設計支援」「データ開発支援」「データチェック支援(検証)」の4機能を実装。アグラの嶋田圭吾氏は、その特長を「開発方法論と一体になったツールでプログラミングは不要。実際の生データを確認しながらシミュレーションを繰り返すアジャイル手法で情報系構築が非常に短期間で可能になります」と語る。

 プログラムを作成したり抽出、変換、書き出し(ETL)ツールを利用したりする従来の開発方法では「調査→調査結果の承認→データ変換設計→設計案の承認→開発&テスト」と多くの工程を経る必要があるのに対して、AGRA Data Developerを利用すると「環境準備→調査&設計& テスト→結果をETLツール等に登録」だけでOK。規模などの条件にもよるが、典型的なケースでは半分以下の期間で済むと嶋田氏はアピールする。

 では、なぜそこまでの期間短縮が可能になるのか――。嶋田氏は実機を使ったデモンストレーションでその“秘密”を明かした。AGRA Data Developerでは、ビジネスコンセプト層、マッピング層、物理データ層の3層をWeb画面に表示しながら調査と設計を進めていく。ビジネスコンセプト層には業種別・業務別モデルの項目が前もってセットでき、物理データ層の項目は実データベースの定義情報から自動展開されるので、開発者がしなければならないのは両者の対応関係をマッピング層で指示することだけ。マッピングの結果はその場で確認できるため、設計書の作成・承認といった作業が不要となることが最大の期間短縮要因だ。

 もう一つのポイントは、画面上で試行錯誤を繰り返しながら調査と設計を段階的に進めていけば自然と結果がでること。嶋田氏は、「データ統合に欠かせない名寄せにおいても、とりあえずできるところからどんどん名寄せしていき、うまく対応できていない『その他』を減らしていくのがAGRA流のデータ統合のやり方です」と説明する。

日次での連結経営シミュレーションもAGRA DMP Solutionsで可能に

尾野 弘行 氏
株式会社 オキシィビジネスソリューションズ
代表取締役社長
尾野 弘行

 AGRAのもう一つの製品となるAGRA DMP Solutionsは、標準的なモデルとマッピングを業務アプリケーションに組み込んだ状態のソリューションとして提供される。現在、開発が進められているのは、グローバル経営DMP、銀行業向けの法人営業力強化、原価の見える化、人事データの統合、顧客統合などのソリューション。セッションでは、その中から、「グローバル経営DMP」の概要を開発元のオキシィビジネスソリューションズの尾野弘行氏が紹介した。

 尾野氏は「企業の海外進出が当たり前になった今、原価を把握するといった簡単なこともグローバルな課題になっています」と指摘。世界各地の現地法人で生成されるデータの形式がばらばらになったままでは、連結ベースで利益を算出し、それに基づいて製品価格を決めることもできなくなってしまうと語る。

 そこで、必要になるのが、海外現地法人ごとのローカルコードを企業グループ全体のグローバルコードに紐付けして世界中のデータを統合すること。「従来手法では既存コードを短期・小工数で紐付けすることも新規コードに迅速に対応することも難しいのですが、AGRAのモデルを使って実装すれば容易に実現できます」と尾野氏は語る。その一例として、乗用車/トラックといった大分類コードでの紐付け→車種などの中分類コードでの紐付け→仕様別などの小分類での紐付け、という段階的なマッピング法を挙げた。

AGRAによるコード統合
グローバル経営DMPには、AGRAの段階的なマッピング法をベースにしたコード統合ロボットを 実装。新規コードへの対応は自動化されている
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 このようなデータ統合の仕組みを内包したグローバル経営DMPは、本社および海外現地法人のERPシステムなどから集めたデータを経営ビッグデータとして蓄え、それを基に日次集計(受注高・売上高・売上総利益・製品在庫)、月次集計(直接原価計算・連結P/L・連結B/S)、四半期集計(連結決算)などのレポートを作成する仕組みになっている。特にローカルコードをグローバルコードに自動的に統合するロボットと、企業グループ内の内部利益を自動的に除去する連結仕訳エンジンの二つはAGRAならではの魅力的な機能だ。尾野氏は「このような仕組みにより、グローバル経営DMPは品目・部品単位のデータから連結決算までをトータルに処理できます」とアピールする。

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TEL:03-6457-8108
URL:http://www.agra-japan.com