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経営課題解決シンポジウム Review スピード経営を実現するクラウド活用 ドーモ

Domo

データの視覚化にとどまらず
意思決定、実行までを支援する

水嶋 ディノ 氏
ドーモ
代表取締役
水嶋 ディノ

 ビジネスに必要なデータは様々なところに散在しており、データ量も種類も増えている。必要なデータを探し出すだけでも一苦労で、これらを集計するのに相当な労力を要する。こうしたデータ活用の課題を解決するものとして、ビジネス管理プラットフォーム「Domo」は生まれた。情報を視覚的に提示するだけでなく、コラボレーションやビジネスの最適化までをサポートするソリューションである。

激しく変わるビジネス環境に
従来型BIツールでは追随できない

 Domoの日本法人であるドーモの代表取締役 水嶋ディノ氏は、企業におけるデータ活用の状況を次のように語る。「多くの企業において重要データは、複雑化するシステムやアプリケーション、表計算ソフトの中に散在しています。さらに、社内システムに加えて、各種クラウドサービスやソーシャルメディアなどのデータを組み合わせて判断しなければなりません。ほとんどの企業では、担当者が散在したデータを時間をかけて切り貼りし、Excelなどにまとめてリポートしていることでしょう」。

 ビジネスの意思決定には、情報の裏付けが欠かせない。情報の入手が遅く、そもそも適切なデータが不足している状況ではビジネスの全体像が把握できないので、的確な意思決定ができなかったり、意思決定のスピードが上がらなかったりする。

 このような弊害を解決する手段として、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを使うという方法があるだろう。ところが、従来型のBIツールでは、ビジネス環境の変化に追随するのが難しいと水嶋氏は言う。

「データ格納用のハードウエアを調達してソフトウエアを構成、そこにデータを格納して使える状態にするまでにかなりの時間とコストがかかります。環境変化が緩やかな時代には、それでよかったと思います。いったんBIを構築すれば、数年間は同じ仕組みを使い続けることができました。しかし、環境変化が激しくなると、『このデータも入れたい』とか『こういう切り口でデータを分析したい』と新しい要求が次々に出てきます。そのたびにIT部門の手を借りなければなりません。これでは、あまり現実的とはいえません」

 こうした課題に対するソリューションが、ビジネス管理プラットフォーム「Domo」である。

必要なデータを得るまでに、なぜ、
こんなに待たされなければならないのか

 Domoは米国で2010年に設立されたベンチャー企業である。日本法人の設立は2011年。創業者のジャシュ・ジェイムズ氏が大の日本好きで、「どうもありがとう」と言われるようなサービスを目指してDomoという社名が生まれたそうだ。

 ジェイムズ氏は、ビッグデータとクラウドのパイオニアとして知られる。後に米Adobe Systemsが買収するOmnitureを創業し、CEOとして事業の成長をリードした。経営者として活動する中で、ジェイムズ氏は現状への疑問を膨らませていった。「必要なデータを得るまでに、なぜ、こんなに待たされなければならないのか」。そんな強い情熱がDomoを設立する原動力になった。

 Domoというビジネス管理プラットフォームは、あらゆるデータのエリアをカバーする。社内の多様な業務システムはもちろん、Excelなどの表計算ソフト、クラウドサービス、ソーシャルメディアなど。これらのデータを1つのプラットフォームで管理し、いつでも、どこからでも、必要な情報へのアクセスを可能にする。

 また、ビジネス全体を可視化するダッシュボードは、必要な情報を集約して目の前に提示する(図1)。レポーティング業務は自動化されており、社内のコミュニケーションも行える。そんな環境が、迅速かつ的確な意思決定をサポートする。Excelでの情報集計に時間を取られることはない。

図1 Domoのダッシュボード画面
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 ビジネス管理プラットフォームとしてのDomoは、5つの階層で構成されている(図2)。

 第1は、あらゆるデータとの接続。そのために、Domoは300を超えるデータソースとつながるコネクターを備えている。

 第2は、データの準備。取り込んだデータをそのまま使えることもあるが、組み合わせたり加工したりしなければならない場合もある。データ変換作業をここで行う。

 第3は、データの視覚化。Domoは、分かりやすく使いやすいダッシュボードを用意している。同社がユーザビリティーに徹底的にこだわったところだ。他の業務システムとこの点で一線を画している。

 視覚化機能そのものは、一般的なBIツールにも備わっているが、Domoがこれらと大きく異なるのは「データを中心としたコラボレーション」(第4)、「ビジネスの最適化」(第5)といった高い次元で視覚化をサポートしていることである。

図2 5つの階層で構成されるDomoのビジネス管理プラットフォーム
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関係者とのコラボレーション、
ビジネスの最適化までをサポート

 これらの特徴を説明するため、水嶋氏はフィットネスクラブの社長という想定で、架空シナリオの下にDomoを使ってみせた。

「私がフィットネスクラブの社長だとしましょう。朝起きると、私のスマホにアラートが飛んできました。『会員数が閾値(しきいち)よりも下がった』とのこと。私はその場で会員数推移のグラフを確認します。いったい、何が起きているのか。ここからコラボレーションを通じて原因を探り当て、問題解決に向けたアクションを行うまでのプロセスを見てみます」

 まず、社長はDomoのコラボレーション機能を使って、顧客管理部長のAさんに会員数低下の原因を尋ねた。AさんはDomo上でデータを確認して「都道府県別の退会者数を見ると、栃木県が大きい。特に問題なのが宇都宮店です」と回答。併せて、参考になるグラフへのリンクも送信した。

 社長がそのグラフを見ると、確かに栃木県での退会者が多い。グラフをドリルダウンして、宇都宮店の惨状も確認できた。そこで、社長は宇都宮店長のBさんに連絡を取った。理由を聞くと、Bさんは「退会理由をご覧ください」と言って退会者へのアンケート結果を見せる。そこには、様々な理由が書かれているが、最も多いのは「設備が古い」だった。

 そこで、設備管理を行うシステムのデータを見ると、確かに宇都宮店の設備は古い。通常の更新サイクルが4年のところ、5年半も使われている。社長がそのあたりの事情を聞くと、Bさんは「設備の更新をお願いしましたが、財務部長に断られました」という。

 社長は財務部長に連絡を取った。財務部長の答えは「新規出店優先という社長の方針があるので、既存店のリニューアルは抑制しています」。社長は「自分のせいか」と納得し、財務部長には「なるほど。ただ、このまま放置できないね」と言って宇都宮店をはじめ設備の古い店舗を洗い出し、必要なリニューアルを進めるよう促した。

 同時に、マーケティング部長に対しては「いくつかの既存店で設備更新を進める。1年以内に退会した元会員には特別のキャンペーンプログラムを用意してほしい」と指示。これらの一連のやり取りを、すべてDomo環境で行うことができるのである。

「ビジネス上の重要情報をすぐに入手できるだけではありません。Domoを活用することで、何が起きているか、その根本的な原因を探り、さらに人々の持つ知見やノウハウを生かしたコラボレーションができる。そして、収益拡大や問題解決につながるアクションにまでつなげることができるのです」

 Domoは既に世界中の1000を超える企業で導入されており、日本でも多くの情報活用先進企業が活用している。データの複雑性がますます高まっている中で、その役割はさらに大きなものになろうとしている。

お問い合わせ先
ドーモ株式会社