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戦略的IT投資が企業経営を変える!Review(1)

「FY15 Microsoft Champ Day」Review

クラウドが変える ”今求められる
パートナーシップ“ の姿

日本マイクロソフトが主催するカンファレンス「Microsoft Champ Day」が2015年6月29日、パートナー企業で組織される「Azure Council Experts(ACE)」の協賛の下で開催された。カンファレンスの題名にある「Microsoft Champ」は、パートナー企業向けのセールスプログラムの名称。当日参加した67社550人に向けて、日本マイクロソフトの幹部が、クラウドビジネスに対してマイクロソフトのパートナーとともに強力に推進する新しい取り組みを発表した。

 カンファレンスの冒頭では、「Microsoft Partner Cloud Transformation――クラウドが変える“今求められるパートナーシップ”の姿」と題して、日本マイクロソフトの佐藤氏と田中氏、竹内氏の3人が講演した。

クラウド事業を急成長させる

佐藤 恭平 氏
日本マイクロソフト
パートナーセールス統括本部
統括本部長
佐藤 恭平

 最初に登壇した佐藤氏は、同社のクラウド事業の現状と今後の戦略を解説。同氏によると、日本マイクロソフトの売上高のうち、クラウド事業によるものが15年度までのここ数年で顕著に高まりつつあるという。

 「16年度には、クラウドの比率を35%にまで高めることが目標です。クラウド事業単体の前年度比で見ると、加速度的なさらなる成長率を達成することになります」(佐藤氏)。競合他社のクラウド事業における直近の成長率に比べても、同社が掲げる目標は急カーブで一気に上昇する成長を描き、驚異的といえるだろう。

 この成長を牽引するのが、クラウド基盤の「Microsoft Azure」、Microsoft Officeを中心としたクラウドサービス「Office365」、CRM(顧客関係管理)システムのクラウドサービス「Microsoft Dynamics CRM Online」――という3つのサービスである。同社は現在、この「クラウド3兄弟」(佐藤氏)に注力しており、多様な新機能・新サービスを投入している。例えば、Azure向けには過去1年間で500以上もの新機能・新サービスを投入している。Office 365については、「グローバルで4600億円の収益を上げており、マイクロソフトのコアプロダクトの1つに成長した」(佐藤氏)と評する。

 Dynamics CRMは競合サービスが数多いが、オンプレミスを含めて既に約440万のユーザーを獲得しているという。今後は、膨大なユーザー数を誇るOffice365と親和性が高いことを訴求し、市場を広げていく計画を立てる。

 これらのサービスを提供する拠点であるデータセンターにも設備投資を惜しまない。現在、日本を含めてグローバルで21拠点が稼働中だが、2年後には2倍の規模にすることを計画しているという。

 最後に佐藤氏は、高度な目標を達成するためには、パートナー企業の協力が欠かせないことを訴えた。「パートナー企業との協業は、マイクロソフトのDNAです。皆様のビジネスとともに、大きく成長していきたいと考えています」と、パートナー企業からの参加者に呼びかけた。

パートナー企業の営業活動を支援

田中 啓之 氏
日本マイクロソフト
パートナーセールス統括本部
パートナーテクノロジー第一本部 本部長
田中 啓之

 続いて登壇した田中氏は、Microsoft Champのプログラムを説明した。このプログラムは、グローバルで提供しているパートナー向けプログラム「P-Seller Program」の日本版である。P-Seller Programは、顧客との関係性を高めることを目的として、パートナー企業の営業・マーケティング担当者やSE(システムエンジニア)の個々人に対して、営業やマーケティング活動の支援、技術移転といった取り組みを提供するもの。これまで数十の国・地域において5000人以上のセールス担当者やSEが参加。日本では90社の1083人が参加している。

 田中氏は、競合他社が直接販売を中心としているのに対して、マイクロソフトはパートナー企業経由のビジネスを主体にしていると販売モデルの違いを説明。「マイクロソフトはパートナーあってこそのビジネスを展開しています。そのため、パートナー様の営業・マーケティング活動を支援することを重視したプログラムに注力しています」と強調する。

 日本では、Microsoft Champを提供し始めてから、まだ3カ月強しかたっていないが、既に1500回以上のトレーニングを実施した。こうした活動の中には、日本マイクロソフトとパートナー企業が共同で商談を掘り起こしていく取り組みも含まれているが、実際に250件以上の商談が発生しているという。

 実際にMicrosoft Champに参加したパートナー企業の社員からは、「このプログラムを通して、SI(システム構築)の案件が週に1件ほど、月間では約5件と格段に増えた」「マイクロソフトの情報に直接アクセスができるので、提案力の向上につながった」「研修やセミナーを提供してもらえるので、技術的にスキルアップできた」といった声が寄せられている。

スモールスタートで大きく育てる

竹内 宏之 氏
日本マイクロソフト
パートナーセールス統括本部
パートナーテクノロジー第一本部
竹内 宏之

 最後に登壇した竹内氏は、クラウド事業の特徴を解説した上で、クラウドサービスを実際に利用したデモを披露した。

 同氏はまず、クラウド事業が、固定収入型で契約者が増えれば収益も増えていくストック型のビジネスであることを説明した。

 クラウド事業では、大規模案件が多いオンプレミスのSIに比べて案件当たりの収益が小さくなることを懸念する声もある。しかし竹内氏は「利用者がサービスを切り替えるイベントが発生しにくいので、利用者の数や利用者当たりの利用量が増えていけば、安定した収益を得られるようになります」と解説。クラウド事業では、スモールスタートで契約を獲得し、その後にいかに利用量を増やしてもらうかが重要だと指摘した。

 その後、同社のクラウドサービスを実際に操作。パソコンだけでなく、iPadでのデモも披露した。

FY15 Microsoft Champ Day

主催: 日本マイクロソフト株式会社

協賛: 一般社団法人 Azure Council Expert(s ACE/エース)
URL:http://a-c-e.biz/