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戦略的IT投資が企業経営を変える!Review(2)

「FY15 Microsoft Champ Day」Review

クラウドでビジネスはどう変わる?
先端を走る気鋭企業のトップが議論

オンプレミスからクラウドへの移行が進む中で、ITベンダーのビジネス、そして利用者である企業の経営環境はどう変わるのか。クラウドを主力事業とする先進企業4社の経営トップが議論した。 (モデレーターは高柳正盛=日経ビジネス発行人)

奥沢 明 氏
FIXER
代表取締役社長
松岡 清一

 このセッションの冒頭で、モデレーターの高柳氏は、「経営層のクラウドに対する意識が確実に変わってきました。一般の企業でも、経営会議の議題に上がるようになっています」と現状を述べた。これを受けてFIXERの松岡氏は、「起業して6期目ですが、当初は懐疑的に受け止められていました。しかし、今では、新規事業をすぐに立ち上げたいと考えているビジネスオーナーからお声がけいただくことが増えています。クラウドを攻めの道具と考える人が増えているのです」と、クラウドに対する意識が変わってきた状況を説明する。

江戸 達博 氏
スカイアーチネットワークス
代表取締役社長
江戸 達博

 しかし、現在でもシステム部門がクラウドに乗り気でないケースが少なくないという。この理由を、スカイアーチネットワークスの江戸氏は「一般にシステム部門は半期ごとに予算を立てています。しかし、従量料金であるクラウドは変動費となるので予算が立てにくい。『予算は使い切るもの。オーバーは許されない』という考え方が根付いているシステム部門では、クラウドを扱いにくいのでしょう」と分析する。

オンプレミスよりも利益率が高い

江戸 達博 氏
ネクストスケープ
代表取締役社長
小杉 智

 クラウドはオンプレミスのシステムに比べて、案件規模も売り上げもまだ小さいケースが多い。高柳氏が「ITベンダーは、これまでの事業構造を変える必要がありますが、どのように対処しているのですか」と問うと、ネクストスケープの小杉氏は「オンプレミスとクラウドでは利益率が大きく異なるので、減収になっても増益になるような事業構造を作ることも可能です」と答えた。小杉氏によると、旧来のITベンダーの利益率は3~5%で、良くても7%。対して、クラウド事業の場合は10~20%の利益率も見込めるという。ユーザーを獲得できれば継続的な利用料金を得られる特性があるので、パネリストの話をまとめると、顧客の立場になって、付加価値を高める提案をして、利用量を増やしていくことがクラウド事業の要であるようだ。

奥沢 明 氏
ナレッジコミュニケーション
代表取締役
奥沢 明

 クラウドでは、初期費用があまりかからないため、小さく事業を始めて、事業収益の向上に伴ってサービスのスケールを大きくすることも可能である。ナレッジコミュニケーションの奥沢氏は、「オンプレミスの時代には、財務的な体力を考慮して、面白いアイデアを思いついても投資ができずに実現できないというケースが多いのが現実でした。しかし、クラウドであれば、これまで一部の人にしかできなかったことが、誰にでも短期間で実現することが可能になります」と、クラウドの特性を評した。

 「クラウドの登場によって、ITが財務の呪縛から解き放されたわけですね」。高柳氏は、こう論じてセッションを締めくくった。

FY15 Microsoft Champ Day

主催: 日本マイクロソフト株式会社

協賛: 一般社団法人 Azure Council Expert(s ACE/エース)
URL:http://a-c-e.biz/