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戦略的IT投資が企業経営を変える!ノキア

ノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社

顧客の“経験”までを把握して
お得意様の維持と増加を実現する

ノキアが、CEM(カスタマー・エクスペリエンス・マネージメント)というコンセプトを打ち出した。通信事業者が自社のサービスを利用する顧客に好印象を持ち続けてもらい、すなわちロイヤリティを高めて継続的なお得意様になってもらうのが狙いだ。顧客個人の経験(利用状況や問い合わせへの対応など)を可視化することで実現する。

 これまで通信事業者は、ネットワークが正常に動作しているかどうかを監視し、障害時はその復旧を早めることでネットワークの品質を上げてきた。固定電話でもモバイル端末でも、音声またはデータ通信の場合でも変わりはない。

 その一方で、通信事業者の経営環境は変化している。特に携帯電話などのモバイル通信では、国内でSIMロック解除が義務化され、通信事業者間の顧客争奪競争が激しくなる。顧客が別の通信事業者に乗り換えることが頻繁に起こりうるのだ。

加入者の40%は乗り換える可能性が

松﨑 裕樹 氏
ノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社
技術統括本部 ACS技術本部
ソリューションマネージャー
松﨑 裕樹

 そこで、顧客をつなぎとめる対応が今まで以上に強く求められてくる。ノキアが先進国や発展途上国など世界11カ国で実施した調査「2014 Acquisition and Retention Study Report」によると、「40%の加入者が今後12カ月以内に通信事業者を乗り換える可能性がある」と指摘する。一方で、先進国では現在使っている通信事業者を今後も使い続けると考える加入者は19%しかいない。

 そのため「これからは、ユーザーごとの経験――、例えば端末の使いやすさやサービスに満足しているかなどを俯瞰する視点が必要になってきます」、とノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社 技術統括本部ACS技術本部ソリューションマネージャー 松﨑裕樹氏は語る。これがノキアの提案するCEMの根底にある考え方だ。ユーザー個々の経験を把握して、新しい提案をする。前出の調査では、「41%の加入者は、価格が多少上がってもネットワークの品質を上げてほしい」と望んでいるし、加入者の60%はデータ利用の際に何らかのトラブルを経験しているのだ。こうした事象をユーザー個々の経験にまで落とし込んで把握できれば、通信事業者は顧客をつなぎとめるための差別化提案ができるようになる。

CEM(カスタマー・エクスペリエンス・マネージメント)を使った効果を、ユースケースとして役職や職種別に捉えた一覧
※:カスタマー・エクスペリエンス・インデックス。CEMで算出したロイヤリティの高さを数値化したもの
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先見性のある提案が可能に

 その仕組みはこうだ。例えば、今までは監視の視点がエリア・装置であり通信障害が起きた回数・傾向は把握できたが、その時にユーザーに何が起きたのかまで知ることはできなかった。そこで通信履歴と、通信事業者のCRM(顧客情報管理)システムに格納しているユーザーのデータベース情報をかけ合わせて分析することで、ユーザーの属性に応じた対応が可能になる。CRMには加入時期や利用状況、大口顧客かなど、ユーザーの属性情報も入っている。

 また、ユーザー個々の経験を、音声やデータ通信の利用や支払い、サポートセンターへの問い合わせ、さらには使用機器や通信の種類など様々な局面に分けてポイント化することで現状分析し、1~2カ月先の将来にユーザー個々の起こす行動を予測する。

 「CEMオンデマンド」と呼ぶ同社の製品は、こうしたユーザー個々の経験を俯瞰して一覧表示する機能を持ち、各ユーザーに起きている状況を判断できるデータを提供する。通信事業者は、既にネットワークを介して障害発生など様々な事象のデータを収集するシステムを構築しており、そのシステムとCEMとを連携させる。

 「CEMオンデマンド」は、プライベートなクラウド環境に実装し、システム構築の期間やコストを圧縮できる。また、同社では「CEMオンデマンド」の導入から、分析や予測を実施する支援まで行う。分析・予測では、CEI(カスタマー・エクスペリエンス・インデックス)というCEMで算出したロイヤリティの高さを数値化したものを用いるなど、可視化している。

ロイヤリティ向上に結び付く

 具体的には、通信事業者がCEMオンデマンドを使うと上図のようなメリットが得られる。松﨑氏は「CEMは新しいPDCAサイクルを確立し運用する取り組みです。ユーザー経験を捉える仕組みを回すことにより、顧客のロイヤリティの向上、新しいビジネスの基礎となる情報を提供します」と説明する。

 また、ネットワークを監視する現場の部門だけではなく、「経営層」や「マーケティング・営業」などの部門でも活用できるようになる。例えば、営業部門にとって重要な顧客のCEIの数値が下がっていることが分かれば、その原因を特定して顧客に新たな提案を持ちかける、といった具合だ。

 同社はこうした事例を集め、使い方や目的などによって多くの場合に当てはまる標準的なモデルをユースケースとして100例用意しており、これらを利用してスピーディーで効率的な利用が可能だという。グローバルで競い合う135社の先行事例を凝縮した知見が日本でも活かされる。

お問い合わせ先

ノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社
〒106-6141 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー41F
TEL:03-5474-6400
URL:http://jp.networks.nokia.com/