日経ビジネスONLINE Special 週刊日経ビジネスオンライン SPECIAL日経ビジネスオンライン

IoTで新次元のイノベーションを創出

あらゆるデバイスやセンサーがインターネットにつながることで、業種・業態にかかわらず世の中全体に大きな変化が起きるであろうことは想像に難くない。これが、“IoTには大きなチャンスがある”と言われるゆえんだ。しかし、テーマが大きいだけに闇雲に取りかかっても効果は望めないだろう。では、具体的にどこから着手すればいいのか。効果的にIoTに取り組むための前提条件を整理してみたい。

IoTの鍵は新しいビジネスモデルの発見・発明にあり

 何のためにIoTを利用するのか。その目的はビジネスを変革すること。突き詰めれば“新しいビジネスモデルの創造”にある。

 モノがインターネットにつながることで、多くの可能性が生まれる。これまで1カ月に一度しか入手できなかった製品の稼働データが随時収集できるようになり、客先に納品した製品のファームウェアを随時更新して新しい機能を追加できるようになる。

 こうした変化を活かして新しいビジネスモデルを創り出せれば、製品やサービスの競争力を大幅に強化でき、新たな収益源を開拓することもできる。IoTはこれまでとは次元の違ったイノベーションを生み出せる可能性を秘めている。企業にとっては大きなチャンスと言えるだろう。

 現にIoTを利用してカー・シェアリング・サービスを展開する「Car2GO」や、飛行機のメンテナンスや修理、オーバーホールにIoTを利用してサービス力を強化するエアバスのような企業が登場している。こうした破壊的進化をもたらすのが、IoTによるビジネスモデルの特徴である。

 そして、このチャンスを活かすために重要なのが「IoTが自社のビジネスにどう役に立つのか」を試してみることだ。集められたデータからどんな洞察が得られるのか、どんなタイミングで制御すれば効果的なのか。これらを試すことから新しいビジネスモデルを形成していくことができる。

 IoTを試すには、データを集め、それを制御するための「IoTの試行環境」が必要になる。しかし、試行錯誤のために多大な時間と費用をかけることはできない。そこでお勧めしたいのがIBMのIoTクラウドの活用だ。

 IBMが提供するIoTのためのクラウド「IBM Internet of Things Foundation」は、IoTシステムを構築するためのSaaSとして提供されている。クラウドなので、初期投資不要ですぐに始めることができ、使った分だけ費用が発生する。

 しかも“IoT向け”と銘打っているだけに、デバイスとのやり取りを確立し、データを蓄積するためのレシピやテンプレートが用意され、短期間でシステムを構築することができる。ドラッグ&ドロップによる直感的な操作でIoTの処理フローを定義することができるので、簡単に試すことができ、何回でもやり直しが可能だ。費用は時間当たり7円。今なら最初の30日間は無料で利用できる。

 さらに大量のIoTメッセージに最適設計されたメッセージングのためのアプライアンスが用意され、クラウド上のシステムをいつでも高度化できる。こうした高い発展性も多くのシステムを手掛けてきたIBMならではの強みである。

IoTのもうひとつの鍵はアナリティクスにあり

 IoTによるイノベーションを実現するには、IoTを試す環境の構築と同時に、データを分析できる環境も必要になる。IoTデバイスの数が劇的に増え、やり取りされるデータがいくら膨大になっても、そこから知見を引き出せなければ付加価値は生まれない。それだけに、多種多様、かつ大量のデータから知見を得るための仕組みが大事になる。

 そこで活用されるのが、アナリティクス分野のテクノロジー。ECサイトには訪問者の嗜好にあった製品やサービスを推薦するレコメンド機能が装備されている。裏ではユーザーのアクションと蓄積された膨大なデータを紐づけて解析し、求められるデータをリアルタイムに抽出している。こうした機能はIoTでも適用できる。

 IBMではこうしたアナリティクスに対するソリューションも豊富に用意している。どのようなデータ形式やデータ量でも、それらをリアルタイムに分析できるアナリティクス基盤と分析ソリューション群だ。これらのアナリティクス製品群によって、大量のデータを洞察し、知見を得ることができる。

 また、ベータ版として公開されている「IoT Real-Time Insights」を使えば、IoT分析アプリケーションの開発・実装もできる。IoT Foundationを経由してデータを収集し、リアルタイムに分析するとともに、ビジネス・ルールを適用し、ルールによって定義されたアクションを実行する。データからアクションへとつながるプロセス全体をコントロールすることができる。

 さらにCloud Integrationを利用すれば、基幹系のシステムとクラウド・サービスを統合することも可能だ。IoT Foundationでデータを収集し、IoT Real-Time Insightsでアナリティクスを実行、アプリケーションを通して基幹系システムまで利用できれば、IoTによるトータルなビジネスモデルを創造することができる(図1)。

[画像のクリックで拡大表示]

IoTからビジネス価値を引き出すIBM IoT

 IBMがIoT分野でトータルなソリューションを提供できる背景には、同社の長年にわたるSmarter Planet(スマーター・プラネット)への取り組みがある。そこでは、スマートメーターによるエネルギー利用の効率化やセンサーによる下水道の設備の保守メンテナンスの省力化など、モノとインターネットをつなぐ仕組みが数多く生み出されてきた。

 こうした活動の成果として、IoTシステムの開発環境からIoTデバイス、クラウドなどのプラットフォーム、アナリティクスのアプリケーションまで、幅広いソリューションが提供されている。しかも、いずれも実績に裏打ちされているものばかりだ。

 前編でも触れているように、IBMではIoTについての豊富な経験を踏まえ、IoTがビジネスにもたらす変化を3つの視点から捉えている。

 1つめは、運用管理能力の強化。たとえば、センサーからの情報をもとに工場や設備を管理することで、より高度な管理が可能になる。備品の交換時期なども消耗度を把握しながらより正確に判断できる。

 2つめは、イノベーションの加速だ。さまざまなデバイスやセンサーからデータがリアルタイムで収集されることで、現場の変革が進む。これまでとは次元の違うスピードで製品が開発され、生産性が向上する。運用自体も効率化される。

 3つめは、人とモノのつながりの拡大。モノとモノがつながり、その先で人とつながっていくことにより新たなビジネスモデルが生まれ、新たな収益機会へとつながる可能性がある。

 この3つの視点に見られるように、IoTの利用はビジネスの再構築につながる。それだけにIoTへの対応力を強化することは、製造業をはじめ、流通業、サービス業などにとって欠かせない次の一手になる。

 そこで求められるのは、IoT利用のためのオペレーションとパフォーマンスの最適化であり、進化するビジネスモデルを支えるIoTプラットフォームである。IBMが提供するIoTソリューション「IBM IoT」はこうしたニーズに応え、すでに実績を上げつつある。IBMをパートナーとすることで、IoTの具体的なロードマップを手に入れることができるだろう。

[画像のクリックで拡大表示]
PDFダウンロード
  • IBM Internet of Things お客様事例集

    「製造業」「エレクトロニクスとコンピューター・サービス」「政府機関と教育機関」「エネルギーと公共サービス」「ヘルスケア」「消費財」「メディアおよびエンターテイメント」「建設」「自動車」「旅行および運輸」など、業界・業種別の「IBM Internet of Things」事例集です。

前編 日本IBMがIoT事業の専門チームを発足した理由 詳しくはこちら
お問い合わせ先

日本アイ・ビー・エム株式会社

URL:http://www.ibm.com/jp/ja/

TEL:0120-300-426(平日9時30分~17時30分)