日経テクノロジーonline SPECIAL

【三菱電機】三つの業態のベンダが連携、先進的なFAソリューションを実現

FAトータル・ソリューション「e-F@ctory」が網羅する領域は広い。このため1社のベンダで到底カバーできるものではない。そこで三菱電機はe-F@ctoryを共同で展開する企業を集めて「e-F@ctory Alliance」を組織。参加メンバーの強みを融合させた強力なソリューションを提供できる体制を整えている。

楠 和浩氏
三菱電機 名古屋製作所 FAシステム第二部  部長

「生産現場とITシステムを『つなぐ』アライアンス」と題した講演で三菱電機の楠和浩氏は、2014年10月末時点でアライアンスに加わっている企業が277社に上ることを明らかにした。

加盟企業の業態は大きく三つに分かれる。一つはインテグレーションを担当するSIパートナである。SIパートナと協力して実現した事例として、グローバルな規模のリモートメンテナンスや省エネ監視システム、コンベアのトラッキングシステムを説明した。

リモートメンテナンスは産業機器や工作機械の稼働状態を、日本のマザー工場で集中管理するシステムである。グローバルで管理指標を共通化して素早く診断。故障原因の特定や復旧にかかる時間を短縮できる。

省エネ監視システムは、工場の消費電力を設備の稼働状況と突き合わせ、原単位あたりの省エネ推進をはかるというもの。コンベアのトラッキングシステムは、コンベアやロボット、ビジョンセンサやエンコーダなどをSIパートナが組み合わせて提供した事例である。ロボットによる省人化を具体的に実現できたという。

アライアンスの2つめの業態はソフトウエアパートナ。FAとICTを連携させるソフトウエアの開発を通じてソリューションを提供している。その一つの事例が、MESによる製造指示データを最適化する「製造ゆらぎ検知システム」だ(図)。製造を指示するデータをMESから発信し、それに基づく機器や設備の稼働データを吸い上げることは可能だが、データだけで何かを読み取ることは難しい。「そこで、どういうアクションに対してどういう結果が出たかを対比させ、変化を読み取るソフトウエアをパートナが開発。これを品質管理に生かしています。」(楠氏)。

図 ソフトウエアパートナが提供する「製造ゆらぎ検知システム」
[画像のクリックで拡大表示]

現場のセンサを統一画面で一元管理

3つめの業態は、FA 機器を提供する機器パートナ。生産の工程や用途に対応したさまざまな機器を用意し、生産現場の高度化を支援する。具体的にはセンサやアクチュエータ、ビジョンシステムやRFIDなどだ。機器のラインアップを広げるだけでなく、共通のインタフェースやライブラリ、サンプルなども用意し、システムの立ち上げや調整作業の効率化も支援している。

センサについては、一元管理を可能にするソリューション「iQSS」を提供している。生産現場に取り付けられた多数のセンサに対して、共通のエンジニアリング環境から設定やメンテナンスできるようにするプラットフォームだ。

e-F@ctory Allianceは、カバーするアライアンスの領域を拡大しながら発展する。「生産だけでなく受注から販売までものづくり全体に視野を拡大。システムを有機的に結び付けながら新しい付加価値の創造を目指します。こうしたe-F@ctory Allianceの活動が製造業全体の発展につながると確信しています」(楠氏)。

工場見学ができる! e-F@ctoryセミナー開催
お問い合わせ