日経テクノロジーonline SPECIAL

【レクサー・リサーチ】生産システム設計の新手法を開発、IoT時代の製造業の変革を支援

IoTの進展によって、ものづくりに変革を起こそうという機運が世界的に高まっている。このような時代において、現場力に優れる日本の製造業に必要なことは、「カイゼン」にとどまらず、ものづくりの全てのプロセスを有機的に連携させていくことだ。このための提言としてレクサー・リサーチは、日本企業に求められる取り組みを語った。

中村 昌弘氏
レクサー・リサーチ 工学博士・代表取締役

現場力は強いが、それが組織的に生かされていない」。レクサー・リサーチ代表取締役の中村氏は、日本の製造業をこのように評する。

製造業界では現在、ドイツが国を挙げて推進する「Industry 4.0」に代表されるように、IoTの進展を見据えた技術革新が動き始めている。中村氏は、「こうした時代には現場主導のカイゼンに加えて、ものづくりの全てのプロセスを有機的に連携させていくことが求められる」と指摘する。

このためにレクサー・リサーチは、製品企画から製造までの全プロセスを対象とした生産システムを設計する新手法「SIM(Simulation Integrated Manufacturing)」を開発した。この手法の特徴は、モノ(製造・調達)とコト(作業・物流)の視点で、ものづくりのすべての業務を連携させること。ものづくりの流れを生産システムとしてモデル化し、業務プロセスをネットワークとして結びつけることがSIMの骨子である。

クラウドのサービスとして提供

SIMを活用することによって、生産システム内のどこかのモデルに変更があった場合に、それがシステム全体にどのような影響を与えるのかが把握できるようになる。例えば、上流の製品戦略に変更が生じて生産計画が変わった際に、これに合わせて下流の生産体制を即座に変更することが可能になる。

このSIMを実現する生産システム・シミュレータが、レクサー・リサーチがクラウド上のサービスとして提供する「GD.findi」である。このツールの特徴は、ノンプログラミングで生産システムのモデルを作成し、システム全体のシミュレーションが実行できることである。

図 SIMのコンセプトと、SIMを実現する生産シミュレータ「GD.findi 」
[画像のクリックで拡大表示]

従来の生産シミュレータはプログラミングが必要だったため、事実上は限られた専門家しか利用できなかった。しかし、ビジュアルな画面で大半をマウス操作で済ませられるGD.findiであれば、ツールになじみのない業務スタッフでも扱える。シミュレーション結果も分かりやすいグラフとして出力されるので、社内で共通理解を高めるためのコミュニケーションツールとしての役割も果たす。

中村氏は、同ツールを導入した企業の事例を紹介した。例えば、設備機器製造業X社では多品種少量化に伴って、工程間在庫が積み上がっていた。中期生産計画に基づいて工程設計と工程間物流を見直すことで最小限の必要在庫を予測し、工程間在庫を圧縮した。

一方、生産・物流拠点を海外展開している大手機械製造業Y社は、大規模な生産ラインをモデル化し、自動化、設備配置、生産能力のシミュレーションを実行。これによって、拠点ごとに最適な自動化レベルや設備配置を見極めて、生産・物流拠点の刷新を行った。

お問い合わせ