日経テクノロジーonline SPECIAL

シンプルかつ奥深い「ものを振動させる」技術 未知の可能性を追求し、顧客の要望を具現化する

60の事業部門が専門分野を追求独自の経営手法で成長を継続

米国ミズーリ州に本社を置く、世界有数の大手電気電子機器メーカー、エマソン・エレクトリック社。1890年、電気モーターのメーカーとして創業した同社は、その後事業領域を広げながら、グローバルにビジネスを展開してきた。

同社は1956年以降、60年近く増配を続ける優良企業であり、フォーチュン誌の「世界で最も賞賛される企業2014」のElectronics部門でも第4位にランクインしている。こうした優良経営を続けてこられた理由の1つが、同社の独特な組織体制にある。具体的には、世界有数の技術力を持つ約60の事業部門が、それぞれ1つの製品を追求する部門として、独立した企業体のように経営されているのだ。

「市場ニーズに合った事業部門を迅速に立ち上げ、また時には事業の入れ替えや縮小をしながら、常に最適なポートフォリオを維持していく。これが、一時の好不況に左右されず成長を続けるエマソンの強みです」と日本エマソン 代表取締役の土屋 純氏は説明する。

要件に応じて溶着方法も変わるいかに知恵を絞るかが腕の見せ所

日本国内では現在、12部門が事業を展開。その1つがブランソン事業本部である。

同事業本部のコア技術は「ものを振動させる」こと。1秒間2万回の振動により、接着剤やネジを使わずプラスチックや金属を接合する「超音波溶着」や、精密機器に付着した目に見えないゴミを洗い落とす「超音波洗浄」など、幅広い技術を市場に提供している。

「当部門の技術は、自動車、電子機器、医療器具など、あらゆるものづくりの現場で使われるもの。例えば、接着剤やネジを使わないことで、コスト削減や工程短縮が可能になりますし、余計な部品が減るため廃棄後のリサイクルもスムーズになる。技術の活用範囲は、今後もさらに広がるはずです」と話すのは、技術部 機械技術でリーダーを務める、入社8年目の大熊 弘晃氏だ。

大熊氏は、主に超音波溶着に関わる新製品・技術の開発と、米本社で開発された技術を日本に導入する際のサポートを行っている。その醍醐味は、あらゆる現場で活用される技術だからこその「要件の多様性」にあるという。

「お客様の業界が違えば溶着のニーズも変わります。例えば、精密機器向けなら接合面の正確性が何より求められますし、自動車向けなら巨大なパーツ同士を効率的に溶着する仕組みが必要です。お客様ごとに千差万別なご要望を満たす溶着機をどう開発するか。それがエンジニアとしての腕の見せ所であり、やりがいです」と大熊氏は言う。

また同社では、アメリカ、ドイツや中国のエンジニアと共同でプロジェクトを進めることも多い。グローバルな開発経験が積めることも、大熊氏にとっての仕事の面白さだという。「海外のエンジニアの思考法や開発プロセスを見聞きすることで、世界のものづくりに触れられる。刺激的な環境です」と大熊氏は話す。

技術はシンプル、用途は無限顧客の課題を解決するエンジニア

一方、ブランソン事業本部でセールスエンジニアとして働いているのが、同じく入社8年目の首藤 睦氏だ。超音波溶着機に関して、自動車以外の全製造業を顧客にもち、製品の提案から納品までを一括して担当している。

「セールスエンジニアは、その名のとおり『技術的な知識を備えた営業部隊』。商談の際も、お客様が扱う素材や機械の設計などについての知識が求められます。また、発注をいただいた後も、社内の技術部と打ち合わせて試作を繰り返したりしながら、スペックを満たして製造・納品へこぎ着ける必要がある。理工系のアタマをフル活用して、お客様の要望を叶える溶着機をつくりあげるのが私の仕事です」と首藤氏は説明する。

時には顧客とともに自社のラボにこもり、実験を行うこともあれば、徹夜で作業にあたることもある。大変なこともあるが、ものづくりの過程に一気通貫で携われる実感が、首藤氏にとってのやりがいだという。

また、顧客とのやりとりでは、超音波の意外な使い道に気付かされることもあるという。例えば、超音波の振動を利用したフードカッターがその例だ。「某大手洋菓子メーカー様から、『型崩れをさせずにケーキをカットしたい』というご相談を頂きました。そこで当社は、超音波の振動を刃に加えることでスムーズに切断できるケーキカッターを開発。皆様が食べているケーキにも、当社の技術が利用されているかもしれませんね」と首藤氏は言う。微細な振動が加わることで、クリームや果物、スポンジといった堅さの違うものが層になったケーキを、型崩れさせずに切ることが可能なのだという。シンプルな技術だからこそ、使い方は無限。単に要望に応えるだけでなく、顧客が抱える悩みや課題に対し、超音波技術を使って解決を見出すこともセールスエンジニアの重要な仕事なのだ。

「私は現在、金属の接合に関するセールスエンジニアの日本国内のリーダーをまかされています。お客様が海外進出する際のサポートなども拡充しながら、ブランソンの技術を、より一層世界に広げていきたいですね」と首藤氏は述べる。

一人ひとりの創造性・向上心を尊重成長していける舞台がある

業務内容こそ違えど、エマソンのエンジニアとして生き生きと働く大熊氏と首藤氏。それを後押しするのが、同社の「チャレンジを是とする社風」だ。

「『こんな技術を検討してみたい』『新しくこの業界を開拓したい』といったアピールは大歓迎です。もちろん採算性は精査しますが、まずはやってみるということを前提に、エンジニアの創造性を尊重します」と土屋氏は話す。

また、グローバルな開発経験を積むために必要な語学力や、MBAなどの資格取得支援も整備。語学にあまり力を入れてこなかった理工系学生も、やる気さえあれば、入社後に十分習得するチャンスはあるという。「社員の向上心に応え、キャリアを伸ばせる環境をつくるため、会社としてもできる限りの支援をします」と土屋氏は言う。

決して表舞台には出ないが、グローバルで必要とされる技術・製品がある。日本エマソンは、そんなものづくりの未来を担う、意欲あふれるエンジニアを探している。

ブランソン事業本部の超音波技術が活用されている製品の例。溶着、洗浄から切断まで幅広い用途に応用されている
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会社情報
【資本金】 3億円(2015年1月末現在)
【社員数】 357人(2015年1月末現在)
【設立】 1961年12月1日
【事業内容】 産業用、一般消費者用の電気・電子機械機器等の設計・開発・製造・販売
採用情報
【採用職種】 ブランソン事業本部 エンジニア、セールスエンジニア
【採用実績大学】 明治大学、東京理科大学、日本大学、東海大学、東京
電気大学など
【採用実績学科】 電気・電子工学、機械工学、応用物理など
【勤務地】 厚木事業所および国内事業所(仙台・埼玉・名古屋・大阪・福岡)
厚木事業所:神奈川県厚木市岡田4-3-14
【2015年入社予定数】 若干名
【初任給】 修士了:237,000円(2016年4月予定)
大学卒:210,000円(2016年4月予定)
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