日経テクノロジーonline SPECIAL

カーエレクトロニクスの最先端を追求 世界を相手に「提案型ものづくり」を実践

独立系のメーカーとして、グローバルに事業を展開

多彩な自動車電子制御ユニットの開発・製造・販売を行う日本電産エレシス。自動車大手・ホンダの子会社として設立後、2014年3月に日本電産グループに参画し現在の社名に変更した。以来、独立系メーカーとして多くの自動車メーカーの依頼に応えるほか、独自製品の開発にも注力している。

「主力製品は、ブレーキやEPS(Electric Power Steering:電動パワーステアリング)などのシャーシ系と、ADAS(Advanced Driving Assistant System:先進運転支援システム)の2つ。ほかにも、乗員検知システムなど、様々な製品を手掛けています」と同社 開発本部 システム開発部 部長の田代 正揮氏は説明する。

開発部門は、工程別に大きく2つに分かれる。1つは、システムの検討および機能開発を担う「システム部門」。もう1つが製品の量産設計と品質保証を担う「量産開発部門」である。「当社では、これらの部門同士が密に情報を交換することで、高性能と高品質を実現。世界一の技術を常に意識して『走行基本性能』『安全性』『快適性』の向上を追求しています」(田代氏)。

独自製品の開発、品質向上に注力、製品開発にゼロから関われる

同社で、EPS制御ユニットのシステムの検討および機能開発に携わっているのが、入社12年目の舘脇 得次氏だ。

入社当初は量産開発部門を担当し、システムメーカーの仕様に基づいてソフトウエアの設計・開発を行った。その後、仕様の策定にも携わり、入社7年目からは独自製品の開発も担当。これまでに、EPS制御の核となるアルゴリズムの開発も経験した。

「幅広い製品に携われることは、エンジニアにとって大きな魅力です。特に、独立系メーカーになり、受注中心から提案中心のものづくりへとビジネスをシフトしたことで、独自の製品をゼロベースでつくる業務に携わる機会も増えています。私が担当しているEPS制御ユニットの開発でも、それは同様。より多様な自動車メーカー様、パワステのシステムメーカー様などに製品をご採用いただくため、自社の技術レベルを高めることがわれわれエンジニアのミッションといえます」と舘脇氏は言う。

こうした方針の下、同社のエンジニアは多様な業務経験を積んでいる。例えば、独自開発のEPS制御ユニットの開発工程では「車両評価試験」に自ら参加し、動作や性能、安全性などをチェックする。「ハンドルを切ったときの振動やトルクリップル(回転のムラ)などは、ごくわずかなものでも運転時の快適さに大きく影響します。評価試験を繰り返す中で、そうした違和感を自分の手で感じ、データで比較しながら調整を加えていきます。仕様書を見ているだけでは分からない、奥深い自動車開発のノウハウが蓄積できる環境があります」と舘脇氏は話す。

自動車業界最大のトピックに、真っ向から取り組めるやりがい

一方、もう1つの主軸製品であるADAS領域で要素技術開発を担当するのが、入社4年目の三井 相和氏だ。三井氏は大学院で画像処理を学んだ後、新卒で入社。現在はカメラの画像の認識アルゴリズムの開発を行っている。

自動運転技術は、今後自動車の歴史上最大の発明になるともいわれる注目のトピック。三井氏が携わる画像認識技術の領域でも、現在グローバルな企業が激しい開発競争を繰り広げている。そうした状況の下、三井氏も要求の厳しさを肌身に感じているという。

「市場で勝つには、性能を高めることはもちろん、コストも抑える必要があるため、使える電子部品には制約があります。事実、開発中のユニットに採用しているCPUは、一般的なパソコンに比べても非常にパワーが乏しいもの。その中で他社に差を付ける性能を実現しなければいけません」と三井氏は述べる。

また、自動車の性質上、安全性能はすべてに優先されなければならない。画像認識技術は、自動走行時に人間の目の代わりとなるものだけに、開発者として感じる責任は大きいという。

例えば、前走車の有無や、車が車線とどのくらい離れているかを、システムは常に認識しておく必要がある。また道を横切る歩行者がいれば、歩行者と運転者の双方に危険がないようにシステムを作動させなければならない。「もし状況をシステムが的確に認識できなければ、人命にかかわる事故につながります。あらゆる機能を正しく動作させるためには、画像認識以外にも様々なシステムが連動する必要があります」(三井氏)。

しかし、そうした数々の困難があるからこそ、完成したときの喜びはひとしおだという。「手がけたカメラを搭載した車が発売されたときは、本当にうれしかったですね。システム部門から量産開発部門までの全員が力を合わせた成果が世の中に出る。これは、とても感慨深いものがあります」と三井氏は述べる。

「走る・曲がる・止まる」といった車の基本性能から「安全性」「快適性」まで、自動車の品質を左右する多くの電子制御ユニットを扱う
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グローバルの自動車開発に触れる、またとないチャンスを提供

設立から13年。若くて勢いのある会社だけに、社風はオープンで、ワンフロアのオフィスには若い社員の姿が目立つ。舘脇氏は「若いエンジニアでも自由に意見が言えるのがこの会社の特徴です」と述べる。

入社1、2年目の若手でも、大学での専攻分野が合致すれば、開発会議で意見を求められることもある。やる気さえあれば、若くても一人前のエンジニアとして扱ってもらえる雰囲気があるという。「最近は、海外の自動車メーカーなどへの提案活動も活発化。中国やアメリカ、ヨーロッパを訪れ、世界の自動車開発に直接触れる機会も増えるなど、グローバルに活躍できる環境ができつつあります」と三井氏は説明する。そのためのサポートも整っており、eラーニングやTOEIC受験補助といった施策が会社から提供されているという。

「現在は、これまで培った品質と信頼性をベースに、独自開発製品という新たな成果を生み出すフェーズに移行しています」と田代氏。設立以来、最もエキサイティングな時期を迎えているという同社には、エンジニアが大きく成長するための環境が揃っている。

会社情報
【資本金】 19億5,000万円(2015年1月31日現在)
【社員数】 単独416人 連結1,088人(2015年1月31日現在)
【設立】 2002年10月1日
【事業内容】 車体系の自動車電子制御ユニットの開発・製造・販売
採用情報
【採用職種】 商品開発(電子回路開発設計・制御ソフト開発設計・機構開発設計)
【採用実績大学】 全国国公私立大学
【採用実績学科】 電気・電子、情報、理工系、機械、数学
【勤務地】 本社/神奈川県川崎市
事業所/栃木県宇都宮市
海外事業所/アメリカ合衆国(ジョージア州アトランタ、オハイオ州コロンバス)、中国(広東省中山市)、タイ(チョンブリ県アマタナコン)
【2015年入社予定数】 技術系:12人
【初任給】 修士了:224,810円(2014年度実績)
大学卒:203,810円(2014年度実績)
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