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「e-F@ctory」と「iQSS」でものづくりはこう変わる、「設計・ソリューション展」「機械要素技術展」レビュー

東京ビッグサイトで2015年6月24~26日に開催された「第26回設計・製造ソリューション展」(DMS)「第19回機械要素技術展」(M-Tech)。三菱電機はこの2つの展示会にそれぞれ出展し、FA統合ソリューション「e-F@ctory」とセンサネットワーク「iQSS」を中心に、来場者に新しいものづくりの世界を披露した。e-F@ctoryではシーケンサに多彩なパートナ製品が組み合わさることで、設計の早期検証や生産現場の見える化が進み、iQSSでは生産現場で多用するセンサのさまざまな課題が解決するという。

ものづくりに関連したICTソリューションを展示するDMSでは、メインの展示としてe-F@ctoryによる生産現場の情報収集のデモが行われた。化粧品ボトルのキャップを封止するラインをイメージしたもので、ラインに投入したキャップに打刻し、製品を識別するバーコードを読み込み、キャップを圧入、最後に検査を行うという一連の作業を行っている。ラインのそれぞれの作業からは、正しく作業が行われているかという情報だけでなく、リアルタイムの生産量の情報や、キャップ圧入時のトルクなど品質にまつわるデータを収集し、それをICT側のシステムで管理・分析できるようになっている。

ボトルキャップ封止作業のライン(下)とラインの各装置を制御するシーケンサ「MELSEC iQ-R」(上)
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MESインタフェースで収集したデータを処理し、ユーザに分かりやすく提示
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このシステムのカギを握るのが、シーケンサとMESインタフェースユニットだ。MESインタフェースユニットは、シーケンサ内にある生産現場の各装置の稼働データや品質データを、ICT側のデータベースに直接書き込むことを可能にする機器。FAとICTを接続するための複雑なプログラムが不要で、ゲートウェイパソコンを置くことなくリアルタイムでデータベースを更新できるのが大きな特徴だ。

今回のデモは、2014年に発売された新しいシーケンサ「MELSEC iQ-Rシリーズ」と、そのMESインタフェースユニットにより構成されている。MESインタフェースユニットから書き込まれたデータをICT側で処理することで、ユーザが生産現場からどのような情報を得られるかを、デモのモニタ画面で実感させた。

デジタル空間の中に実機械を再現しチューニングすることが可能
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また、FAとICT連携のもう一つの要素として、デジタル空間を活用したものづくりがある。シュミレーション・CADとFA機器との連携デモにより、デジタル空間内に実機械を再現し、机上で速度調整などのチューニングが可能になることが示された。

FAとICTを連携させるというe-F@ctory全体のコンセプトについては、プレゼンテーションのステージでも紹介された。単に自動的に連携させて制御するのではなく、連携で得られるデータから現場の課題やその解決方法を浮かび上がらせ、現場の担当者のアイデアを引き出させるのがe-F@ctoryの目的という。

3Dの活用で高度な設計やシミュレーションを実現

3Dの設計環境により生産ラインを設計初期段階でシミュレーションできる
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このe-F@ctoryを核に、パートナ各社のソリューションが展示された。展示は「開発・設計・PLM」「生産・保守」「一つ先の工場へ」の3つのコーナーに分けて構成。「開発・設計・PLM」では、生産ラインのシミュレーションシステムを3社が出展した。(株)ITAGEの「Demo3D」は工場内の搬送を例に、シミュレーションによる見える化で、搬送能力や制御方法などのチェックが可能なことを説明した。iCAD(株)が展示したシミュレーションシステムでは、半導体工場でのウェハ研磨工程で機器の動きをチェックする様子を展示。ラティス・テクノロジー(株)の「Vmech」では、実機とVmech上の3Dシミュレーションを同時に動かし、同じ速度で正確に再現できることを披露した。

また電気設計を支援するCADとして、EPLAN Software & Services(株)が「EPLAN」、(株)図研が「E3.series」をそれぞれ展示した。EPLANは3D環境で配線図を作成することができ、配線に必要な個々のケーブル長を画面上で調べることが可能。制御盤配線作業に備えてあらかじめケーブルを切りそろえておくことができ、工期短縮が期待できるという。E3.seriesは設計情報が一つのデータベースに集約されており、設計修正時に関連する設計図や帳票などが自動的に修正されるため、設計工数の大幅な削減が可能としている。