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【レクサー・リサーチ】生産プロセス全体の連携が必須に 要求を先取りした設計手法を開発

IoTの概念を採り入れた新しい生産プロセスを構築する動きが始まっている。レクサー・リサーチは、これに先駆ける形で企画から製造までプロセス全体が連携した生産システムを設計する手法「SIM(Simulation Integrated Manufacturing)」を開発。その概要を「Factory 2015 Spring」の講演で紹介した。

中村 昌弘氏
レクサー・リサーチ
工学博士・代表取締役

演壇に上がったレクサー・リサーチ代表取締役の中村昌弘氏は、「さまざまなモノが情報をやり取りするようになると、生産ラインの水平統合にとどまらず、サプライチェーンやエンジニアリングチェーンとの連携も視野に入れた垂直統合のアプローチが求められるようになる」と指摘する。

ただし、実際に生産ライン以外も含めて、ものづくりのプロセス全体を連携させるのは容易ではない。机上の計画と現実の間で、どうしても乖離が生じるからだ。レクサー・リサーチが開発したSIMは、このギャップを摺り合わせながら、製品企画から製造までの全プロセスを対象とした生産システムを設計する手法を提供する。大きな特徴は、モノ(製造・調達)とコト(作業・物流)の視点で、ものづくりの全ての業務が連携したシステムを仮想空間でシミュレーションできる環境を提供することだ。

例えばSIMを活用すると、生産システム内のどこかのプロセスを変更する場合、それがシステム全体にどのような影響を与えるのかが速やかに把握できる。生産計画が変わった際に、どのような生産体制が効率的であるかも、シミュレーションできる。

このSIMの仕組みを具体的に実装したツールが、同社がクラウド上のサービスとして提供する「GD.fi ndi 」である(図)。このツールの特徴は、グラフィカルなインタフェースを使って生産システムを設計できること。つまり、生産システムに含まれるモデルをマウスで結んでいき、パラメータを設定するといった直感的な操作で生産システム全体を設計し、仮想的に稼働させることができる。シミュレーションの結果はグラフとして出力されるので、関係者間で共通理解を高めるためのコミュニケーションツールとしての役割も果たす。

図 SIM(Simulation Integrated Manufacturing )に基づく生産シミュレータ「GD.findi 」
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「生産計画エディター」を開発

同社は現在、GD.findiと連携するツール「GX.findi」を開発中だという。これは、①資材所要量計画に基づいて立案される現場の負荷計画、②ホワイトボードなどによる現場への作業計画、③生産実績の報告(実績値の管理)などを一元的に管理するツールである。

製造業では、負荷計画と生産実績に乖離が生じることが一般的だ。この調整に大きな手間がかかる。GX.findiとGD.findiを連携させれば、精度の高い負荷計画が容易に作成できる。GX.findiで立案した作業計画は大型ディスプレイやタブレットに表示できるので毎日、ホワイトボードに作業計画を書き出す手間も省ける。同社は、GX.findiを「生産計画のエディター」と位置付けている。

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