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【スウェージロック・ジャパン】製品の力を最大限に引き出し、プラントの安全性と効率性を追求

流体のプラントを設計する技術者にとって大きな関心事の一つは、流体を漏れなく確実に搬送して現場の安全性を保つこと。その実現のために米スウェージロックがグローバルで提供しているサービスが「Swagelok®カスタム・ソリューションズ」(以下、カスタム・ソリューションズ)だ。継手やバルブなどの流体システム製品のサプライヤーとして、製品一つひとつの性能を高めることに加えて、サプライヤーならではのノウハウでその性能を最大限に引き出したシステムを提案している。

坂本鉄雄氏
スウェージロック・ジャパン
エンジニアリング/品質保証本部
本部長

スウェージロックはバルブやチューブ継手、圧力レギュレータなど流体を取り扱うプラントで必須となる製品やサービスを、グローバルに提供していることで知られる。70年近い事業経験のもとに開発された高信頼性・高耐久性の流体システム製品には定評があり、さまざまな圧力や温度のガスや液体を、プラントの中で漏れがなく確実に送り届けることができる。

顧客から高い評価と信頼を得ているのが、膨大なテストデータに基づく製品の性能だ。それも「チャンピオンデータではなく、幅広いニーズを満たすデータを提供しています」と、スウェージロックの日本国内販売会社であるスウェージロック・ジャパンのエンジニアリング/品質保証本部の坂本鉄雄本部長は言う。

例えば、チューブ継手では性能を保証できるのは、製品の製造プロセスの管理で個体差を極限まで抑えることに加えて、適切な施工が外観から客観的に分かるような仕組みをとっているため。特に施工方法については、ナットの締め付けをトルクではなく回転数や締め付け後のすき間の幅で規定するなど、施工者が目で確認できる手法を提供している。

確実な性能を発揮できるという同社の自信は、「Swagelokリミテッド・ライフタイム保証」という制度に表れている。適切な使用をしているにもかかわらず不具合が発生したような場合、購入時期に関係なく保証するというこの制度(電気製品は一年、詳細はこちら )は、膨大なデータと経験抜きに実施できるようなものではない。

サプライヤーだからできるエンジニアリングの最適化

その製品の高い性能を100%引き出すために、同社が提供しているのが「 カスタム・ソリューションズ」だ。もともと同社は、プラントを建設するエンジニアリング会社の指定した仕様に基づいて、適切な継手や配管など流体システム製品を提供するまでがビジネスだった。しかし「製品を提供するだけでなく、『組み立てまで行ってほしい』という顧客のニーズが、近年特に高まっています」(坂本氏)。カスタム・ソリューションズはそれに応えるために始まった。

製品提供と同時に組み立てまで同社に期待されるようになった背景の一つに、熟練した技術者の不足傾向がある。プラントで扱うものに合わせて、必要な条件を定義して設計図を描き、条件を満たす配管部品などを選んで組み付けるのは、それなりの経験がなければできない。たとえ対象の流体が一種類だけだとしても、流すときの温度や圧力によって必要な扱い方はそれぞれ異なり、その扱い方を少しでも間違うと大きな事故になりかねない。そこでエンジニアリングや施工にはことに慎重を要するが、高度な技術を持つ熟練者の不足はプラントエンジニアリングの分野でも起きている。そこで、流体システム製品のサプライヤーである同社自身にエンジニアリングやユニット化まで期待する声が高まっているのだ。

もう一つの背景が、サプライヤーとしてエンジニアリングを最適化できるという点だ。顧客がエンジニアリングを行う場合、配管部品などを複数のサプライヤーから寄せ集めることはできるが、それらを組み付けたものが客観的に見ても最適なシステムになるとは限らない。部品ごとの選定に際し、合理的なコンセプトがないと、システムが無駄に大きくなったり、メンテナンスしにくいシステムになったりするデメリットの方が大きい。

流体を扱うプラントに限らず、生産設備には面積生産性や保守性の追求が求められる。サプライヤーとして製品を知り尽くした同社が自らエンジニアリングを行うカスタム・ソリューションズでは、こうした視点で最適な配管部品などを集めて組み付けることができるというわけだ。

森口研路氏
スウェージロック・ジャパン
エンジニアリング/品質保証本部
ジャパン・テクノロジー・センター
カスタム・ソリューションズ・
エンジニアリング・チーム
スーパーバイザー

カスタム・ソリューションズによるエンジニアリングの最適化は、理想的なエンジニアリングの実現だけでなく、そこでは要する時間の短縮化も可能となる。顧客は、異なるサプライヤーの配管部品の構成レビューが短縮され、その分エンジニアリングやユニット化が短期間で終わるようになるからだ。「製品サイクルの短期化が進んだことで設備の更新サイクルも短期化しており、エンジニアリングやユニット化も短期化が重要な要素となっています」(エンジニアリング/品質保証本部ジャパン・テクノロジー・センター カスタム・ソリューションズ・エンジニアリング・チームの森口研路スーパーバイザー)。

実際、三菱化学株式会社鹿島事業所では、精製した素材のサンプリングを行うシステムを更新するにあたり、カスタム・ソリューションズのサービスを利用。スウェージロックが組み立てたサブシステムをそのままシステムに組み込むことで、工期短縮とサンプル採取時の安全性および機能性向上を実現したという。

グローバルレベルのベストプラクティスを活用

配管システムのエンジニアリングやユニット化まで同社が行うカスタム・ソリューションズに対し、ニーズが高まってきたのは、同社自身がサプライヤーとして持つ最新の技術情報をフルに活用できることにも理由がある。

「もちろん当社の製品を使うエンジニアリング会社には、講習会などで新しい情報を定期的に提供しています。数千種類にもわたる多彩な製品をエンジニアリング会社の技術者にすべて理解してもらうのは非現実的でしょう。我々は、それらの製品情報に加えて、グローバルでも共有される改善事例も活用できます。」(森口氏)。

同社では社内の技術者向けに、製品の取り扱いに関するライセンス制度を設けている。そのライセンス取得のためには社内のトレーニングプログラムで学ぶ必要があるが、社外向けの講習会をはるかに超える内容の濃いものであり、しかも最新のテストデータなどに基づいて随時更新されている。そのレベルの技術は、やはりサプライヤーである同社の技術者に期待するしかない。

施工に使う純正の治工具も、すべてのものを買い揃えているエンジニアリング会社は少ないが、当然ながら同社はサプライヤーとしてフルラインナップで揃えている。施工の場面ごとに最適な工具を常に使用することで高い品質を維持できる。カスタム・ソリューションズに期待されるポイントだ。治工具も、日本を含む世界6カ国のスウェージロック・テクノロジー・センターで常に改良されており、技術情報同様にベストプラクティスとしてグローバルに共有される。「安定した部品を、安定した方法で施工するから、システムが安定しないわけがないのです」(坂本氏)。

浅賀身知男氏
スウェージロック・ジャパン
営業本部 GI/カスタム・ソリューションズ事業部
カスタム・ソリューションズ営業部 部長

同社はこのカスタム・ソリューションズを推進するために、専門の営業部隊であるカスタム・ソリューションズ営業部を2015年1月に発足。活動を本格化させている。同部門では「現状のシステムや顧客が構想中のシステムから、改善ポイントを見つけ出し、具体的に部品を組み合わせた図面を提案できる体制が整っています」(営業本部 GI/カスタム・ソリューションズ事業部カスタム・ソリューションズ営業部の浅賀身知男部長)。プラントの設計者がシステムをレベルアップさせるに当たって必要な知識取得の手間と時間を、軽減できるというわけだ。

「エンジニアリングから行うカスタム・ソリューションズを本格化する体制が整って以来、顧客からの期待水準が上がってきていることを実感しています」と坂本氏は言う。もとから評価の高い流体システム製品を同社が作ってきたことが、エンジニアリングなどを含めたカスタム・ソリューションズでも大きな期待が寄せられる所以なのだろう。「エンジニアのスキル向上やシステムを深く理解することでテクノロジーセンターのレベルをさらに引き上げて、その期待に応えていきたいと考えております」(坂本氏)。

Swagelok -TM Swagelok Company

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