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約7割を現地の日系企業から調達

川崎精密机械(蘇州)有限公司(Kawasaki Precision Machinery (Suzhou) Ltd.)、約7割を現地の日系企業から調達

Q 蘇州・高新区での業務内容を教えてください。

西坂伸二氏
川崎精密机械(蘇州)有限公司
董事兼総経理(当時)

A 親会社である川崎重工では、業務内容で「モーターサイクル・エンジン」「航空宇宙」「ガスタービン・機械」などのカンパニーに分かれています。当社はそのうち「精密機械カンパニー」に所属しており、主な業務は油圧機器とロボットの製造・販売、アフターサービスになります。  2005年12月に営業許可を取得し、2006年3月から貸工場で操業を開始しました。現在では、2つの自社工場に加え、今年2月には自社の第三工場も完成しました。150人いる従業員のうち日本人は7人。オフィスでは約50人の中国人スタッフが働いています。

Q 蘇州・高新区のメリットは何でしょうか。

A 当社のセールスポイントの1つである「高品質」を保ちやすい環境が整っている、ということが最大のメリットです。中国市場向けの製品を製造・販売していますが、「日本的な高品質」というのは、中国企業からも受け入れてもらいやすい特徴です。 2009年に設立した浙江工場(川崎春暉精密機械)では部品から製造して品質を維持していますが、蘇州の工場では、多くの部品を協力企業から購入しています。そのため、いかにして品質の高い部品を供給してくださる企業を見つけるかが、成功の鍵ともいえます。  

現在、中国内調達率は部品全体の7割ですがその内約9割をここ蘇州に進出している日系企業から購入しています。こういったサプライチェーンが整っているのは、蘇州・高新区の特徴であり、進出する日本企業にとって有利なところだと思います。  また、高新区が東京にも事務所を構えているのも利点に挙げられます。進出までの事務的な作業は、中国側の我々だけでは完結しません。どうしても、日本の本社にもやってもらうことが発生します。そのときに、高新区も東京にある事務所と連携して作業を進めていただけたので、進出までの事務手続きが円滑に進みました。

図1 工場の内部

Q 第三工場も完成しました。今後の展開はいかがでしょう。  

A 設立当初は、油圧ポンプの量産開始を目指し、2006年8月に第一工場(貸工場)で実現しました。2008年5月に貸工場の第二工場を取得し、11月からモーターの量産を開始しています。2009年5月には舶用ユニットの量産も手がけ、その後、増資を経て自社の第一工場(2011年11月)、第二工場(2012年10月)と事業規模を拡大してきました。  

今年2月には第三工場も完成したので、さらに事業内容を拡大していきます。中国の取引先からの要望も多いため、六軸関節型ロボットの製造を間もなく開始します。  

図2 従業員用の食堂

Q 労務管理について工夫していることはありますか。海外進出では労務管理に苦労される企業が多いようですが。

A 工場で働いてくれている中国人スタッフの元気のよさには圧倒されます。その活力をうまく仕事に生かしてもらえるよう、我々も工夫しています。  

まず「不平等」は絶対に解決します。これは幹部スタッフ全員で気を遣っています。そして、福利厚生面の充実も心がけています。衛生的で明るい社員食堂を用意したり、社員旅行を企画したり。その成果だと思っていますが、離職率は周囲の企業と比べると、かなり低く抑えられています。