日経テクノロジーonline SPECIAL

【シーメンス・ジャパン株式会社】次世代ものづくりを支える技術 自動車産業における成果を紹介

Siemens AG
Industry Sector,Head of Vertical
Sub Segment Automotive
Juergen Nolde氏

製造業にとって重要課題となる、次世代のものづくりに向けた基盤作り。このテーマに正面から取り組み、製品設計から製造までをシームレスにカバーする独Siemensの製造ソリューションとはいかなるものか。同社のNolde氏の講演にその答えを探った。

自動車産業を主な舞台に、「次世代のものづくりに向けた基盤作り」を全体のコンセプトに据え、包括的なソリューションを提供するのがSiemensである。

全体論として、ものづくりは製品設計、生産計画、生産エンジニアリング、および製造の各プロセスからなる。Nolde氏はそれぞれについて、事例を含めソリューションの考え方を解説した。

既存設備も最適化し、生産性を向上

まず、製品設計のプロセスではバーチャルな設計環境を紹介。NASA(米航
空宇宙局)が開発した火星探査機「Curiosity」の開発に採用され、探査機全体の設計、試験、組み立て、動作確認をデジタル的に実施することで、失敗の許されないプロジェクトを支えたという。

次に生産計画では、パーツのアセンブリやロボットの動きなど様々な工程をシミュレートし、最適化をサポートする。実例として、17年前に導入された既存のプレスラインをモデル化し、同社のモーションコントローラ「Simotion」とPLMソフトウエアを使った様々な制御パターンのシミュレーションから最適化を図った。すると、単位時間当たりの生産量は16から18に増えたという。

生産エンジニアリングのプロセスでは、効率向上を主眼に置いた取り組みを紹介した。同社製のPLC、I/O、HMI、ネットワークなどを単一の画面から閲覧・操作できる「TIA(Totally Integrated Automation)ポータル」というフレームワークを提供し、効率的な生産エンジニアリングの実現を支援する(図1)。

図1●生産エンジニアリングを効率化する「TIAポータル」
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最後の製造プロセスでは、その効率化について「それまでの各プロセスで得たデータをオートメーションにも活用しつつ、単一のバックボーンを構築することが重要」(Nolde氏)とした。

ここでは、ある自動車会社の製造ラインを効率化した事例を披露。ケーブルの総延長が18kmに及んでいた3種類のネットワークを統合して総延長を8kmに短縮するとともに、コントロール系とセーフティ系とで異なっていたプログラミング環境を統一した。その結果、ラインエラーの感知スピードが上がったこともあってどのような問題にも対処しやすくなったほか、オペレーションが容易になるといったメリットも得られ、顧客から高い評価を受けたという。

上記以外にも、Nolde氏はSiemensが提唱する「ライブラリ駆動型アプローチ」も概説した。工場内で収集した様々なデータを機能ライブラリの組み合わせによって分析し、予防保全や省エネを進めていく。従来のスクラッチ開発に比べ速やかな配備と効率的な運用を目指す。

同社は「サイバー・フィジカル」(センサーなどで得た実世界の情報をITで処理して効率化)の考え方を基に、次世代のものづくりに必要な基盤を顧客に提案していく考えだ。

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