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モジュール式データ集録装置に待望の小型機、限られた空間でも多彩な測定が可能に

モジュール式データ集録装置に待望の小型機、限られた空間でも多彩な測定が可能に

ナショナルインスツルメンツ(NI)は、従来から展開しているスタンドアロン型のモジュール式データ集録装置「CompactDAQスタンドアロンシステム」のラインアップに、小型軽量機「cDAQ-9134/9132」を新たに加えた。従来機と同様に優れた堅牢性を備えているので車載計測システムにも展開可能だ。小型になったことで限られた車内のスペースを有効に活用しながら測定ができる。さらに同機には車載計測を意識した新仕様も随所に盛り込まれている。

Casey Soileau(ケーシー・スワロー)氏
日本ナショナルインスツルメンツ
マーケティング部門
プロダクトマーケティングエンジニア

あらゆるモノがインターネットにつながった環境を表すIoT(Internet of Things)。この環境において、光や振動などを伴う自然界の現象や、様々な機械/装置から生まれる膨大なデータを捕捉するシステムをいかに構築するかは重要なポイントの一つだ。こうした将来のニーズを意識した先進的なデータ集録装置が「CompactDAQスタンドアロンシステム」である。外部にパソコンを接続せずにスタンドアロンで動作させることができるモジュール式のデータ集録システムで、コンピュータ・システムを搭載したシャーシと、それに装着する複数のI/O(入出力)モジュール「Cシリーズ」で構成されている。

Cシリーズには、アナログの入力/出力、デジタル入出力、CAN(Controller Area Network)インタフェースなど合計70種類以上ものモジュールが用意されており、この中から用途に適したモジュールを選択して、シャーシに装着する。「自由に機能をカスタマイズできるので、用途に合わせて最適化したデータ集録システムを実現できます。こうした装置を使うことで、試験や評価に使う装置の合理化や作業の効率化を図ることができるでしょう」(日本ナショナルインスツルメンツ マーケティング部門 プロダクトマーケティングエンジニア ケーシー・スワロー氏)。

市場の要求に応えた製品

従来は、デュアルコアの「Intel Core i7」(動作周波数1.33GHz)を搭載した「cDAQ-9139」と、デュアルコアの「Intel Celeron」(動作周波数1.06GHz)を搭載した「cDAQ-9138」の2種類のシャーシを提供していた。いずれも、容量が32GバイトのSSD(Solid State Drive)と容量2GバイトのRAMを内蔵。USB、Ethernet、シリアル・ポート、VGA対応のディスプレイ出力などのインタフェースを備えている。モジュールを装着するスロットは、8基用意されていた。

今回新たに登場した小型軽量版のcDAQ-9134/9132は、スロット数を4基にしたうえで、市場で顕在化した新しいニーズに対応した機能を取り込んでいるのが特長だ(図1)。「機能を絞ってもかまわないから、もっと小型で軽量の装置が欲しいというお客様の声に応えて開発したのがcDAQ-9134/9132です」(スワロー氏)。

図1 小型軽量版のCompactDAQスタンドアロンシステム「cDAQ-9134/9132」
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小型軽量化を求める声は、主に自動車業界のエンジニアから上がっていたという。「走行試験の際には、多数の測定装置を自動車の車内に設置します。ところが車内のスペースは限られているので、持ち込める計測器の大きさや台数にはどうしても制限があります。計測器の重量が増えてくると、走行時の車両の挙動に影響を与えてしまい、正確な測定ができなくなることにも配慮しなければなりません」(スワロー氏)。これらの問題を解決するのが、cDAQ-9134/9132である。

実は、小型軽量化の要求がいち早く上がったのは、日本の技術者からだったという。「米国本社の技術者が、日本のお客様とお会いしたときに、データ集録装置の小型軽量化を望む声をたびたび耳にしました。これが一つのキッカケになって、今回の製品の開発が米国本社で始まりました」(スワロー氏)。

信頼性を高めたコネクタを採用

新たにラインアップに加わったcDAQ-9134/9132のシャーシの外形寸法は、高さ88.1mm×幅118.6mm×奥行き219.5mm。体積は8スロットの従来機の約半分。重量は、ほぼ3分の2である。

いずれも動作周波数1.33GHzのAtomプロセッサや容量2GバイトのRAMも内蔵する。購入時にWindows Embedded Standard 7またはリアルタイムOSのいずれかを選べる。フロントパネルには、従来機と同様に、Ethernet、RS-232C、トリガ入力など多彩なインタフェースが用意されている。このうちUSBやEthernetのインタフェースには、過酷な環境での使用に耐えられるように接続時の嵌合強度を高めたコネクタを新たに採用した。外部記憶装置に使うSDメモリカード用のスロットもフロントパネルに設けてある。

さらに注目すべきは、cDAQ-9134/9132には、CAN(Controller Area Network)およびLIN(Local Interconnect Network)といった車載LANインタフェースが新たに搭載されたことだ。「従来のユーザーの多くが、CANやLINのインタフェース・モジュールを搭載して使っていました。そこでcDAQ-9134/9132では、標準機能としてCANおよびLINのインタフェースを本体に標準搭載。これによって、これまでCANやLINのためにスロットを利用していたユーザーは、別のモジュールを装着して機能を拡充できるようになりました」(スワロー氏)。

自動車に限らず、いまやあらゆるモノの電子化が進んでいる。同時に、様々な機器が膨大な情報、いわゆる“ビッグデータ”を利用しながら、インターネットを介して連携するIoTの世界が着々と広がりつつある。こうした動きは、消費者の目に触れる機器の分野だけでなく、電子機器の開発環境や実験装置など技術者の領域にも着実に広がりはじめた。こうした環境の中では、自然界をはじめ機器や装置から発生する膨大な「Big Analog Data™」を使いこなすことが大きな競争力をもたらす。多種多様なBig Analog Data™に柔軟に対応できるCompactDAQスタンドアロンシステムは、新たにラインアップに小型機が加わったことで、その柔軟性が一段と広がった。Big Analog Data™を意識する技術者にとって見逃せないツールと言えよう。

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