日経テクノロジーonline SPECIAL

グラフィカルシステム開発で新領域へ、NI LabVIEWで知識や技術の「壁」を打破

「挑戦者」を夢中にさせるNI LabVIEW、魅力は創造性を引き出す先進的開発環境

ナショナルインスツルメンツ(NI)のシステム開発ソフトウェア「NI LabVIEW」に魅せられる技術者が増えている。計測・制御、テスト、組み込みシステムなど技術者が手掛ける幅広いアプリケーションを網羅している上に、知識や経験にかかわらず、それらを使いこなせる環境を提供しているからだ。この環境を利用して様々なアイデアを素早く形にできる点が、多くの技術者を魅了している。

図1 多くの技術者を引き付けるNI LabVIEW
写真は2013年8月に開催されたNIWeek 2013の様子
[画像のクリックで拡大表示]

ナショナルインスツルメンツが、本社を置く米国テキサス州オースティンで毎年8月初めに開催する大型プライベートイベント「NIWeek」。5日間にわたって講演会、技術コンファレンス、展示会などが繰り広げられる、このイベントには全米はもちろん世界各国からNI LabVIEWのユーザである技術者が数千人も集まり、会場は熱い熱気に包まれる(図1)。

だが、このイベントに集まるのはLabVIEWユーザのごく一部にすぎない。「LabVIEWの最初のバージョンが登場したのは1986年です。その後、バージョンアップを繰り返しながら機能を強化。これとともに、ユーザ数を増やしてきました。いまや、LabVIEWのユーザは数百万人に及び、用途の分野や業界は多岐に広がっています」(日本ナショナルインスツルメンツ プロダクト事業部 テクニカルマーケティングマネージャ 岡田一成氏)。

魅力的な開発プラットフォームを提供

LabVIEWは、設計、試作、実装、テストといった製品開発の一連の工程で必要な様々なシステムを開発するためのシステム開発ソフトウェアである。様々な機能を表すブロックを、パソコンの画面上に並べてブロックダイアグラムを作成することによって、自由かつ簡単にシステムをプログラミングできるのが特長だ。つまり直感的な作業で、高度なシステムが簡単に構築できる開発プラットフォームを提供する(図2)。

図2 思い描いたとおりに開発できるNI LabVIEW
フローチャートとLabVIEWプログラム
[画像のクリックで拡大表示]

このソフトウェアが多くの技術者の支持を受けている大きな理由の一つは、アイデアを素早く形にできることだ。NIが、あらかじめ用意している多彩なハードウェア群を利用することで、システム設計,ソフトウェア開発,回路設計,シミュレータ,検証など幅広い用途を網羅する動作環境を短時間で実現できる。そこにLabVIEWで開発したアプリケーションを組み合わせるだけで、試作システムができ上がる。従来のように、技術者自身がハードウェアを開発し、そのハードウェアごとに異なるソフトウェアを新たに勉強しながら開発しなくてもよい。つまりLabVIEWだけ学べば済む。しかも、完成度が高い既成のハードウェアを利用することで、高い信頼性を備えた試作システムを実現できるのも利点だ。そのうえLabVIEWを使えば、システムの動作をモニタしたり、処理結果を表示したりするGUI(Graphical User Interface)も素早く開発できる(図3)。

図3 システム開発ソフトウェア「NI LabVIEW」を中心にした開発プラットフォーム

このように効率良く、しかも自由に試作システムを開発できる環境を必要としている技術者は少なくないだろう。特に、最先端のシステム開発にかかわる開発技術者にとって、かなり魅力的なはずだ。

インタフェースまで一気に開発

LabVIEWの優位性を一段と明確にするために、3軸加速度センサを使って物体の傾きを検出し、パソコンのモニタ上に立体的なグラフィックスで表示するシステムの開発過程を例に、LabVIEWの利点を説明しよう。

従来のようにマイコンを使って、このようなシステムを実現しようとした場合、まず直面する問題がセンサとマイコンの接続である。センサからの出力形式はメーカやデバイスによって異なるからだ。このため、センサとデータ取得システムをつなぐ回路の設計に開発者は多くに時間を割くことになる。さらに面倒なのが、測定データを表示するシステムだ。マイコンの内部のデータを、そのまま数字で表示するだけでも、結構な手間がかかる。ましてや、立体的なグラフィックスに変換するとなると、そこでさらに多くに手間をかけなくてはならないはずだ。最近では、GUI(graphical user interface)が充実したマイコン開発環境は増えているものの、計測制御用に特化した環境は、なかなか見当たらないからである。

では、LabVIEWを使うと、どうなるのか。実装するアプリケーションは簡単なブロック図をパソコンの画面上で描けば作成できる。元々計測用に開発されているシステム開発言語なので、センサを始めとする各種デバイスからデータを収録するシステム設計はお手のものだ。画面にデータを表示する仕組みも、LabVIEWで用意されているメニューを利用して短時間で作成可能だ(図4)。「非常にシンプルな手法です。テキストベース言語を使った場合に比べて、はるかに簡単にアプリケーションプログラムが作成できます。データを立体表示するようなプログラムの作成では、従来のプログラミング手法との開発負荷の差は、かなりのものになるはずです」(岡田氏)。

図4 3軸加速度センサを用いたリアルタイム姿勢表示システムの試作例
[画像のクリックで拡大表示]

素早く試作ができるプラットフォームが技術者にもたらす利点は大きい。「新しいアイデアを短時間で形にして人に見せることができるからです。研究成果の発表、開発人員の募集、顧客との設計仕様の調整、新技術の事業化を決定する上司や投資家の説得など多くの場面で役立つでしょう」(岡田氏)。

「不可能」が「可能」に

さらにもう一つLabVIEWが多くの技術者を引き付けている理由として見逃せないのが、LabVIEWが提供する開発環境は技術者の可能性を大きく広げる可能性を秘めていることだ。「LabVIEWには、計測や解析に関する高度な機能を提供する機能ブロックが用意されています。これを利用すれば、原理から学ばなくても高度な機能をシステムに盛り込むことができます」(岡田氏)。

例えば、画像認識の機能を提供する機能ブロックを利用すれば、技術者自身が自ら画像認識のアルゴリズムを開発しなくても、システムに画像認識機能を組み込める(図5)。「経験がない新しい技術を採用する際に直面する『壁』をぐっと低くすることができます」(岡田氏)。つまり、現状ではなかなか手が届かない領域の技術を利用しながら、革新的なシステムを開発できる可能性がぐっと高まる。「知識や経験にかかわらずアイデアを形にできる開発環境は、多くの人にチャンスをもたらすでしょう。実際に日本ナショナルインスツルメンツが主催したLabVIEWによるグラフィカルシステム開発コンテストでは、中学生からの応募があり、入賞もしています」(岡田氏)。

図5 USBカメラの映像を解析し指定色の物体の重心座標を算出するシステムの試作例
[画像のクリックで拡大表示]

いまや従来の延長にはない革新的な技術や製品の開発を迫られている技術者は多い。しかも、ここにきてシステムの複雑化や市場における製品サイクルの短期化が一段と加速している。こうした状況に柔軟に対応できるLabVIEWの特長が活用できる場面は、ますます増えそうだ。実際に、宇宙開発やエネルギーといった最先端の分野で導入する事例も次々と登場している。先進的な開発プラットフォームを提供するLabVIEWのユーザは、ますます広がるに違いない。

PDFダウンロード
  • NI LabVIEWの全体像をつかめる一冊

    世界のエンジニアを魅了しているシステム開発ソフトウエア「NI LabVIEW」。その概要を、分かりやすくまとめた資料です。これを読めば、テスト/計測、工業用計測/制御、組込設計など広範囲のアプリケーションを網羅するNI LabVIEWの全体像を速やかに把握できるでしょう。実際の活用例も掲載されているので、NI LabVIEWの利点を的確につかめるはずです。評価方法や購入方法、トレーニング・プログラムの情報など採用を視野に入れた読者のための情報も掲載してあります。

    主な内容
    LabVIEWとは? / 集録・解析・表示機能 / 多様な実装ターゲット / 活用例 / 評価方法 / 購入方法 / トレーニングコース / 関連リソース

お問い合わせ
  • 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社
    日本ナショナルインスツルメンツ株式会社


    東京都港区芝大門1-9-9 野村不動産芝大門ビル8・9F
    TEL 0120-108492
    FAX 03-5472-2977
    URL ni.com/jp