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コアスタッフ

ものづくりに関わる多くの企業が抱える「部品表作業」「余剰在庫」「三大管理(在庫、生産、品質)」の問題を解消することを目標に掲げるコアスタッフ。半導体・電子部品の調達・利用を、より柔軟で安定したものにするためのユニークなサービスを次々打ち出している。同社は、国内の拠点を増やす一方で、香港に続き米国にも新たな拠点を開設して、着々とサービスの強化を図っている。その狙いや今後の展開などについて、同社代表取締役社長の戸沢正紀氏に聞いた。

――コアスタッフが提供しているサービスについて教えてください。

戸沢 コアスタッフは、「ものづくりにおける3つの『0』」の実現を目指して、さまざまなサービスを立ち上げてきました。「三つの『0』」とは、ものづくりに関わる企業ならば必ず対応を迫られる「部品表作業」「余剰在庫」「三大管理」の3つにまつわる作業の負荷を軽減することです。これによって、ものづくりに携わるお客様の事業強化に貢献していきます。

 具体的には、半導体・電子部品販売サイト「Zaikostore.com」の運営を中心に、いくつかのサービスを提供しています。代表的なものは、自社で在庫した半導体や電子部品をたった1個でも販売する通販サービス「ひとつから」、試作部品表全点の見積もりから部品調達、キッティングまで一括して受託する「試作おまかせ便」、お客様がラストバイしたEOL(end of life、生産終了)品の在庫を監視する「みまもりくん」などです。当社の高い部品調達能力とパートナー工場とのコラボレーションによるEMSサービスなども提供しています。

 この中で、急な部品の手配やEOL品の探索・収集を手掛ける緊急調達サービスについては、品質検査サービスと合わせて提供しています。これによって、お客様に安心して使っていただける製品をよりすぐってお届けできるようにしています。

香港に次いで米国にも拠点

――2014年度の業績と2015年度の見通しをお聞かせください。

戸沢 2014年度の業績は、比較的好調です。2014年度の売り上げは、当初26億円と見込んでいましたが、ほぼ計画通りに売り上げが推移しています。計画は十分達成できるでしょう。この背景には、市場全体に活気が出てきたこともありますが、扱う商材が前年よりも増えたことや、Zaikostore.comを中心としたウェブ・サービスの売り上げが大きく伸びたことがあります。ウェブ・サービスの売り上げの伸びに勢いがあることなどから、2015年度も好調が続くのではないでしょうか。現時点では、2015年度末に30億円を超える売り上げを達成できるとみています。

図1 2015年1月から活動を始める米国事務所
[画像のクリックで拡大表示]
図2 香港拠点CoreStaff Hong Kong Limitedの新事務所
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――最近の新しい取り組みを教えてください。

戸沢 ひとつは国内外で新たな拠点を設けたことです。

 国内では、従来からある関西支店(大阪)、長野営業所および長野物流センターに加えて仙台に新しい営業所を開設しました。これまで東北地方のお客様には、東京本社からサポートしていました。新しい拠点ができたことで、これまで以上のサービスが提供できるようになるでしょう。お客様の動向を見ながら、今後も国内拠点の数を増やしてお客様のサポート体制を強化する考えです。

 海外では、米国カリフォルニア州サンノゼ市に米国法人を立ち上げました(図1)。海外拠点は、2013年1月に設立した香港法人、核友電子有限公司(CoreStaff Hong Kong Limited)に次いで2つ目です。

 香港法人は、2014年12月に移転しました(図2)。この際に、オフィスだけでなく倉庫スペースも新たに確保。香港にも商品を在庫できる体制を整えました。

世界規模のEOL品調達が可能に

――米国法人設立の狙いは。

戸沢 当面の狙いは緊急調達の体制強化です。実は米国におけるEOL品の市場規模は、日本よりもかなり大きいのです。このため米国に拠点を置いて米国のEOL品市場で部品を探すことによって、より多くのお客様のニーズに対応できるようになります。

 さらに日本、香港、米国の拠点が連携することによって、世界規模でのEOL品の調達が可能になります。つまり、日本国内で調達できない場合は、香港を中心にしたアジアの市場でEOL品の調達先を探します。そこでも見つからない場合は、米国市場で探すわけです。しかも、ここで時差を利用することで、ほぼ24時間体制でEOL品の探索ができるわけです。

 EOL品の調達を強化するのと同時に、EOL品の品質を検査する「クオリティーラボ」を設けて品質検査体制の整備も進めています。さまざまなところから調達するEOL品の品質に不安を感じるお客様がいるからです。クオリティーラボの機能拡充も進めており、半導体パッケージの開封装置の導入を決定しました。EOL品の購入条件として開封検査を要求するお客様が多いからです。

――香港法人に倉庫を設けた理由を教えてください。

戸沢 コアスタッフでは「ひとつから」や「試作おまかせ便」などのサービスを組み合わせて、お客様が抱える電子部品や半導体製品の余剰在庫を最小限に抑えるサービスを日本で展開しています。同じサービスを、香港を中心としたアジア地域にも展開するつもりです。そのための拠点が香港法人です。

 無駄な出費を抑えるために余剰在庫を活用する機運は、欧米を中心に広がっています。余剰在庫削減を支援する当社のサービスに対するニーズが、今後ますます高まることでしょう。

――新しいサービスを教えてください。

戸沢 まず、2015年前半をメドにZaikostore.comの画面を、香港および台湾向けに多言語化します。また、プリント基板に電子部品を実装するサービスをオンラインで受託するサービス「実装WEB便」も近く立ち上げます。実装装置を自社で保有していない中小規模のメーカーは数多くあります。こうしたお客様をターゲットにしたサービスです。その次には、プリント基板製作のオンライン受託サービス「基板WEB便」も開始する予定です。

 こうした新しいサービスについては、2015年1月14~16日に東京ビッグサイトで開催される「インターネプコンジャパン ―エレクトロニクス 製造・実装技術展―」に出展して、紹介するつもりです。ぜひ、ご覧ください。

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