ライバルに先駆けて「スマート化するクルマ」を効率よく開発する方法とは?

Case1:A社の場合 開発後期にしか組むことができない動作検証が開発リスクを増大

高性能のプレミアムカーの開発に力を入れるA社。常に顧客の期待に応える新しい機能の開発に注力しているが、その動作検証や安全検証を開発後期にしか組めないことが大きな課題となっていた。開発後期で不具合や安全面での欠陥が発見されると手戻り作業が膨大になり、開発リードタイムとコストの両面で大きなロスが発生してしまうからだ。

A社は、この課題を解決する新しい技術の採用を決めた。その結果、動作検証を開発プロセスの上流へと前倒しすることに成功。前述の開発リスクを低減できたほか、自在に様々な新機能の検討を行えるようになり、より付加価値の高いプレミアムカーの実現に貢献している。

Case2:B社の場合 車載ECU数の増加がシステム設計の複雑化と開発コスト増の原因に

現在の自動車は、メカ(機械部品)だけではなく、ソフトウエアを組み込んだ電子制御装置(ECU)によって、機能の多くを実現している。そのため、自動車の高性能化が進めば進むほど、電気電子システムの規模、数は肥大化。顧客のニーズに応じて新しい機能を追加するたび、安易にECUを追加して、さらにコスト高になってしまう開発事例も目立つ。

この問題に頭を抱えていたのがB社である。そこでB社は、新たな設計手法を採用し、システム開発のプロセスを最適化。これにより、今後5年間に開発するすべての車種を1つの電気電子アーキテクチャでカバーできる見通しだという。当然、ECUの数も最小限で済むようになり、開発コストの大幅な削減を見込んでいる。

Case3:C社の場合 ツールごとに異なるファイル形式やデータ管理により開発効率が悪化

複雑かつ高度化する市場の要求に、そのつど対応してきたC社。結果、要求管理や、アーキテクチャ設計、開発、テストなど、開発の各工程で用いるツールは150点以上にまで膨れ上がっていた。もちろん、各ツールが生成するデータのファイルの形式もバラバラ。データ間の連携も技術者が手作業で行うなどしていた。

この問題が手戻りやミスを招き、開発効率を悪化させていると判断したC社は、ツールやデータの管理・共有方法の見直しに着手。現在は、統合管理環境を実現しデータ間の連携も自動的に行えるようになっている。開発効率は、今後4年間で約20%もの改善を見込んでいるという。

12次ページへ

▲TOPへもどる