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Motor Drive

電動工具

ものづくりの現場では、モーターを使って動くツールや装置が数多く使われている。パワフルでありながら、高精度で高効率のツールや装置を作るためには、高度なモーター駆動システムの利用が欠かせない。新生インフィニオンでは、産業機器のモーター駆動に特化したコントローラー「XMC」や、小型で高効率なFETなどを用意。インフィニオンとIR、双方の製品を合わせ、これまで以上に大きな効果をもたらすソリューションを提供していく(図3)。

図3●モーター駆動するシステムの価値を高めるソリューションを提供
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小型化の要求に応えるDirectFET®

高崎 恵輔氏
インフィニオン テクノロジーズ ジャパン パワーマネジメント&マルチマーケット事業本部 マーケティング  セクションヘッド

現在市場に出回っている電動工具に搭載されているモーターは、約70%が交流モーター。ただし、バッテリーの出力と容量の向上で、取り回しやすい直流モーターを使ったコードレスタイプが増えている。しかも、メンテナンスフリーで出力も大きいブラシレス直流モーターを使った製品が増えている。

ブラシ付きモーターの駆動回路には、1個もしくは2個のFETが使われる。ブラシレスではこれが6個または12個に増える。このためFETの小型化は、電動工具の商品価値の向上に直結する。またバッテリーでは、保護回路のスイッチを、機械式のリレーから小型のFETに置き換えるケースが増えている。

電動工具用FETでは、IRの小型パッケージ「DirectFET」を用いたFETが多数のシェアを占めている(図4)。DirectFETは、小さく、薄く、放熱性に優れたパッケージである。素子で発生した熱を、CANパッケージの上面と下面の両方から効率よく放熱。FETを安定した環境下で動かすことができる。さらに、大電流を流す場合に故障の原因になりがちな、ワイヤーボンディングを無くした構造を採ることで、信頼性を大幅に向上させている。

図4●小さく、薄く、放熱性に優れたパッケージ「DirectFET」
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ファクトリーオートメーション

工場で使われる加工装置や製造装置では、多軸化や高精度化がますます進んでいる。さらに、モーター駆動の高効率化に対する要求も厳しい。

図5●産業用コントローラー「XMC」
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「XMC」は、こうした厳しい要求に応える、ARMコアを搭載した産業用コントローラーである(図5)。インフィニオンが自動車向け製品で培ってきた、性能と信頼性の向上につながる数々の技術を投入して開発した製品である。例えば、モーターの動きを検知するセンサーの信号を、プロセッサーコアを介さずに変換処理できる。さらに、チップに書き込むソフトを暗号化し、解読、改ざんできないようにもしている。「XMC1300」では、モーター制御で多用する三角関数、除算などのコ・プロセッサーを搭載。演算に要するサイクル数を除算では84%削減。また、EtherCAT を搭載した「XMC4800」も用意する。

さらに、周辺回路を含めたXMCの機能を余すことなく活用できる、使いやすさを重視した開発環境「DAVE™」を無償提供。設計資料と実行テスト済みのソフトをライブラリとして提供している。デモキットも豊富に取りそろえており、高度なモーター駆動システムの開発も手軽に着手できる。

その他、過電流や過熱に対する保護機能を持ち、信頼性の高い小型パッケージに収めたハイサイドスイッチ「PROFET™」、センサーケーブルの短絡による制御ユニットのダメージを避けるためのボルテージトラッカー「IFX21401MB」といった信頼性向上に向けた製品、High Speed CANやCAN FDなどの通信用ICも用意している。これらはすべて、車載用製品と同じ工場、工程で製造している。

白物家電

エアコン、冷蔵庫、洗濯機などモーターを搭載している白物家電は多い。例えば、典型的なエアコンの室外機には、1kWのコンプレッサーと100Wのファンそれぞれを動かすモーターが搭載される。これらを駆動する回路を構成する部品は、機能集積を推し進める方向に向かっている。IRでは、3相高耐圧ドライバーICとスイッチ素子を集積した製品を、コンプレッサー用とファン用それぞれに用意している(図6)。

図6●白物家電などの駆動回路の集積化に向けて多彩なパッケージを用意
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コンプレッサー用には、現在、ドライバーIC とIGBT をSIP に集積した製品「IRAM」を量産。2015 年第1 四半期には、38×24mmのDIPに集積した製品「IRAM-DIP」の量産を開始する。450W~2000Wのモーター負荷に対応する。搭載しているIGBTは、エアコンがフル稼働していない時にも高い効率が得られるように調整している。

2015年第1四半期には、1.5kWから7.5kWの負荷に対応し、駆動回路のモジュールを実装するパッケージ内の基板を自由に変更できる「IRAM HiP」のサンプル出荷を開始する。

ファン用には、300W負荷のモーターまで制御できるドライバーICとFredFETを集積した「μIPM™」を販売している。μIPMは、基板から放熱できるためヒートシンクは必要ない。

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