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D級オーディオ

さまざまな形のオーディオ機器に、スイッチングアンプを用いたD級オーディオが使われるようになった。D級は、AB級のようなリニアアンプに比べて、小型化が可能で、ヒートシンクも要らない。また効率も、30%から95%以上へと劇的に向上する。こうした特長を生かして、ホームシアターや、可搬性を重視するプロ用オーディオ機器、カーオーディオなどで利用されるようになった。

D級アンプの90%に採用

IRでは2004 年からD級オーディオ・アンプ用市場に参入。現在ではD級アンプの約90%に、IRのデバイスが使われている。IRの製品がこの市場で高いシェアを得ている理由は、高い信頼性と効率にある。さらにオーディオの音質に直結する全高調波歪とノイズも約0.002を実現できるレベルにある。

信頼性の向上は、接続不良の原因になりやすかったボンディングを使わずにチップとピンを接続することで実現している。さらに、MOS FETを過電流による破壊から守る保護回路をD級アンプ向けに開発し搭載している。これらは、過酷な環境で使われるモーター駆動用のパワー半導体で培った技術である。

また、内蔵するMOS FETもまたD級アンプの負荷に合わせて作り込むことで、高効率の素子を実現。一般的なD級アンプの効率は80~90%だが、IRのソリューションでは95%に達する。

IRでは、PWM 制御ICとMOS FETを1パッケージ化した130W 以下の低出力システム向けの統合型モジュール「PowIRaudio™」と、130W から500Wまでの高出力システムに向けた4チャネルまでの制御ICとMOS FETを個別化した製品を提供している(図7)。個別のMOS FETには、IRの小型で放熱性に優れたパッケージ「DirectFET」を採用している。さらに、GaN FETを採用し、効率を97%まで高めたソリューションの提供も開始している。

図7●D級オーディオ向け製品のラインアップ
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MEMS圧力センサー

スマートフォンやウエアラブル端末で、位置情報を活用したさまざまなサービスが始まっている。そして今、圧力センサーを活用した高さ方向の位置検出技術の活用に注目が集まっている。

インフィニオンは、測定分解能が± 5cmと高いMEMS 圧力センサーIC「DPS310」を開発した(図8)。2015年5月にサンプル出荷、第3四半期に量産を始める予定だ。MEMSを使った容量検出に基づく測定原理を採用することで、圧電検出を利用する方法よりも温度特性を向上させている。

図8●測定分解能が±5cmと高いMEMS圧力センサーIC「DPS310」

DPS310は、MEMSマイクロフォンでのMEMS量産技術、自動車タイヤ用の圧力センサーでの高信頼性技術、システム内で狙った効果を発揮できるシステム設計技術というインフィニオンが培ってきた技術を結集して開発された。チップには、32個の測定値を格納できるFIFOメモリーを集積しており、ホストマイコンとの通信回数を削減し、システム全体の消費電力をさらに削減できる工夫も盛り込んでいる。また、外部接続用にI2C/SPIシリアルインターフェースを備えており、外付け部品無しでマイコンに接続できる。

セキュリティ

IoT(Internet of Things)では、さまざまなモノがネットにつながる。このため、これまで以上に厳重なセキュリティ対策が求められる。個人情報や機密情報をたくさん含む情報が、フェイクサーバーに吸い取られてしまう可能性は常にあるのだ。

不正サービスや偽造されたモノの使用によるセキュリティ上の脅威に対抗するには、ネットにつなぐモノのIDを管理することが不可欠。しかし、IoTでつなぐモノには、パソコンと比べてセキュリティの確保に割くことができるリソースが少ない。簡単には改ざんできないハードと柔軟な対処が可能なソフトそれぞれの特徴を生かした、効果的な対策が必要だ。しかもセキュリティに関する知識が乏しい企業でも簡単に導入できる技術が求められる。

チップひとつでセキュリティを確保

IoTでモノを安全につなげるため、インフィニオンが提供するプラグアンドプレイ型のセキュリティソリューションが「iBadge」である(図9)。

図9●「iBadge」のシステム構成
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iBadge は、インフィニオンの認証技術「OPTIGA™ Trust」をベースにして開発した使い勝手に優れたセキュリティソリューションである。アプリ/クラウドサービス・プロバイダーのTeamsourcing 社、SiP に特化したチッププロバイダのAcSiP 社、台湾のセキュリティ企業IKV-Tech 社と共同で開発した。OPTIGA Trustは、クライアント側の周辺機器や交換パーツに組み込む小さな認証チップと、ホスト側の機器に組み込む認証ソフトウェアで構成される。ネットにつなぐモノに小さな認証チップを組み込むだけで、チップ固有のID、非対称認証(ECC-163)、各アプリケーション向けのセッション鍵、専用のデジタル証明書使って、不正なアクセスからシステムを守ることができる。

iBadgeを使えば、スマートフォンのアプリやクラウド型サービスを経由して、ホームネットワークへと安全・簡単にアクセス。帰宅途中で家のエアコンを操作したり、旅行中に監視カメラで家の様子を確認できる。

iBadgeならば、IoT関連の端末や機器に、セキュリティを確保するための機能を短期間で組み込み可能である。生産プロセス中の手作業も少ない。

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