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FA機器の設計の簡素化と迅速化を可能に、「TI Designs」で数多くのリファレンス・デザインを用意

今後、大きな成長が期待されるインダストリアル分野に向けた電子機器。その中でも特に大きな市場の伸びを期待されているのが、ファクトリ・オートメーション(FA)機器である。その名の通り、さまざまな工場において、生産効率の改善やエネルギー効率の向上などを実現する電子機器だ。具体的には、インバータ機器やACサーボ機器、モーター駆動機器、センサ機器、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)機器などがある。

FA向けリファレンス・デザインを拡充

テキサス・インスツルメンツ(TI)は、将来性が高いFA機器市場における取り組みをさらに強化している。この市場で求められているのが、設計をサポートするソリューションの提供である。こうしたニーズに対応するためTIが昨年立ち上げたのが、各アプリケーション事例別にリファレンス・デザインや関連データを提供する「TI Designs」リファレンス・デザイン・ライブラリ(図1)

図1「TI Designs」リファレンス・デザイン・ライブラリ
「TI Designs」リファレンス・デザイン・ライブラリのトップページ
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図2 16のアプリケーション向けに数多くのリファレンス・デザインを収録
「ファクトリ・オートメーション/制御」、「モーター駆動/制御」、「オートモーティブ」などの16のアプリケーション向けに、リファレンス・デザインを数多く取りそろえる。
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「TI Designs」とは、リファレンス・デザイン(基準設計)をライブラリ化したウェブサイト。図2に示すように、「ファクトリ・オートメーション/制御」、「モーター駆動/制御」、「オートモーティブ」、「通信用機器」など、現在合わせて16のアプリケーション向けに数多くのリファレンス・デザインが用意されている。

それぞれのリファレンス・デザインには、機能を実装したボードのほか、回路図/ブロック図、部品表(BOM)などが含まれている(図3)。さらに設計/開発作業を進める際に欠かせない解析モデルや開発用ソフトウェア、サンプル・コード、設計ガイド、評価モジュールなども用意している。

図3 「TI Designs」に収録されたリファレンス・デザイン
回路/ブロック図、BOM、設計ファイル、テスト・レポートなどの設計データを包括的に提供している。
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さまざまなリファレンス・デザインを用意

「TI Designs」にはすでに述べたように16のアプリケーション分野のリファレンス・デザインを収録しているが、例えば、「ファクトリ・オートメーション/制御」のチェックボックスをクリックすると、「プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)」、「ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)」、「産業用モーター・ドライブ」、「フィールド・トランスミッタ/プロセス計測装置」、「産業用通信」、「その他」の小分類のチェックボックスが表示される。また、FAで重要な、「モーター駆動/制御」のチェックボックスをクリックすると「AC 誘導モーター(ACIM)」、「ブラシ付き DC モーター」、「ブラシレス DC モーター(BLDC)」、「ステッピング・モーター」、「その他」のチェックボックスが表示される。

今回は、「TI Designs」の中から3つのリファレンス・デザインを具体的に紹介しよう。

1つめは、「ファクトリ・オートメーション/制御」の中の「ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)」のチェックボックスをクリックすると表示される「高効率絶縁型 CAN & Profibus インターフェイス・リファレンス・デザイン」である。これは絶縁型CANインターフェイスとProfibusインターフェイスの両方に対応したリファレンス・デザインである。HMI機器や産業用モーター駆動機器、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)といったFA機器の開発に向ける。

特長は、TI独自の絶縁技術を採用したCANトランシーバ「ISO1050」と、RS-485トランシーバ「ISO1176」を搭載した点にある。絶縁特性を確保したインターフェイス機能を、開発中のFA機器に比較的簡単に搭載することが可能だ。これらのトランシーバは、マイコンから出力される1本の汎用入出力(GPIO)で制御できる。さらに、スイッチング素子(FET)を集積した絶縁型DC-DCコンバータ「TPS55010」も搭載しているため、フォトカプラを使わずにトランシーバの1 次側と2次側に電力を供給することが可能である。

2つめは、測温抵抗体(RTD)トランスミッタに向けた「RTD トランスミッタ、2 線式 4 ~ 20 mA 電流ループ・システム用」リファレンス・デザインである。「フィールド・トランスミッタ/プロセス計測装置」のチェックボックスをクリックすると表示される。センサ機器や工業用プロセス制御機器などのFA機器の設計/開発に最適だ。測温抵抗体プローブとの接続部は、2ワイヤ、3ワイヤ、4ワイヤに対応する。出力は4-20mAの電流ループ信号で、分解能は0.25μA。温度測定の誤差は、−200~+200℃の温度範囲において0.11℃、−200~+850℃の温度範囲において0.17℃である。消費電流は1.4mAと極めて低い。

ADコンバータ「ADS1220/ADS1120」とDAコンバータ「DAC161S997」、16ビット・マイコン「MSP430G2513」、LDOレギュレータ「TPS7A4901」で構成する。ADコンバータの分解能はADS1220が24ビット、ADS1120が16ビット、DAコンバータの分解能は16ビットである。

3つめは、「モーター駆動/制御」の中の「ブラシレス DC モーター(BLDC)」をクリックすると表示される「5V、三相、センサレス・モーター・システム、可変回転数制御付き」リファレンス・デザインで、3相ブラシレス直流モーター(BLDC)の駆動に向けたリファレンス・デザインである。産業用モーター駆動機器向けである。モーター駆動ICには、TIの「DRV10866」を採用した。パワーMOSFETを集積する。電源電圧は5V。150度のセンサレス逆起電力(BEMF)制御方式を採用した。可変速制御に対応する。このほか、回転速制御に用いるPWM信号の生成に向けたタイマ「TLC555」も搭載した。

今回紹介したリファレンス・デザイン以外にもTIでは数多くのFA機器向けリファレンス・デザインを用意している。こうしたリファレンス・デザインを活用すれば、FA機器の設計/開発期間を大幅に短縮することが可能になり、FA機器メーカー各社の独自機能の開発に多くの時間を費やすことができるようになる。将来有望なFA機器市場において、常に先手を打てるようになるだろう。

TI Designsリファレンス・デザイン・ライブラリ

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