日経テクノロジーonline SPECIAL

【日本ナショナルインスツルメンツ】複雑化するモバイル通信システムの解析 スーパーヘテロダイン方式アナライザが効果発揮

ナショナルインスツルメンツ(NI)が、提供しているスーパーへテロダイン方式のシグナルアナライザが、モバイル機器設計者の注目を集めている。複数の通信規格に対応したことで複雑化している通信システムの解析を高精度かつ高効率で進めることができるからだ。同アナライザに対する関心の高まりを受けてNIでは、スーパーヘテロダイン方式および同方式を採用したシグナルアナライザの基本をわかりやすくまとめた資料(日本語)を無料で配布。同社製品のユーザのみならず幅広い分野の設計者の間で好評を博している。

スマートフォンを筆頭に多くのモバイル機器では小型薄型化と多機能化が同時に進んでいる。これとともに限られて筐体の内部に組み込まれるシステムは、高密度化と複雑化の一途を辿っている。この傾向がもっとも顕著なのが、無線通信回路をはじめとする高周波回路である。いまやスマートフォンでは、携帯電話の方式だけでも「GSM」「EDGE」「WCDMA」「HPSA/HPSA+」「LTE/LTE-A」など複数に対応しなくてはならない。それに加えて、「Bluetooth」「NFC」「IEEE802.11a/b/g/n/ac/ad」など各種無線通信方式に対応した回路も数多く搭載する(図1)。さらに、GPS機能やラジオ放送の受信回路を内蔵している機器もある。

図1 複雑化する通信システム
[画像のクリックで拡大表示]

これだけ多くの機能を一つのシステムの統合したときに設計者が直面する課題の一つが計測である。様々な機能を提供する回路の動作を同時に観察しようとすると数多くの計測装置が必要になる。これを従来のスタンドアロン型計測器で揃えると、計測システムが大規模になるうえに、計測作業が繁雑になる。計測器を購入する費用がふくれあがるという問題もある。こうした問題を解決するソリューションの一つとして様々な分野で注目を集めているのが、PXIe規格に準拠したモジュール式計測システムである。汎用シャーシに設けられた複数のスロットに、必要とする機能を提供するモジュールを挿入することによって要求に応じた計測環境を自由に構築できるのが特長だ。

高周波回路向けソリューションを強化

このPXIeモジュール式計測システムを積極的に展開しているのがナショナルインスツルメンツである。同規格に準拠したシャーシおよび幅広いニーズに対応できる豊富な種類のモジュールを用意。さらに、これらのハードウェアを制御するアプリケーションを開発するシステム開発ソフトウェア「NI LabVIEW」も揃えている。

同社は、複雑化する通信システムの設計に携わる技術者のために、RF(高周波)領域に向けた製品や技術を着々と強化している。例えば、PXIe規格に準拠したRF回路向けモジュールである。各種RF信号アナライザ、スイッチ、信号発生器、ベクトルネットワークアナライザ(VNA:Vector Network Analyzer)、I/Fおよびベースバンドトランシーバ、シグナルコンディショニングなどのモジュールを提供している。この一方で、高周波用計測機器を得意としていた米Phase Patrix、Inc.と、RF回路向けEDAツールベンダの米AWR Corp.を2011年に買収し、RF計測に関連するソリューション全体の強化も図った。

スタンドアロン型に迫る性能や機能

同社が提供しているRF計測向けモジュールの中で、特に品揃えが充実しているのがベクトル信号アナライザ(VSA:Vector Signal Analyzer)の機能を提供するモジュールである。機能、性能やコストに関する様々なユーザのニーズに対応できるように、「シングルステージ」「マルチステージ」「Zero-IF」といった異なる三つのアーキテクチャを備えた製品を揃えている(図2)。

図2 三つのアーキテクチャのRF(高周波)信号アナライザを提供
[画像のクリックで拡大表示]

このうち複雑な通信システムの解析において効果的に使えるのがスーパーへテロダイン方式のマルチステージアーキテクチャを採用しているVSA「NI PXIe-5665」である(図2)。「シングルステージアーキテクチャの特長は、低コストで測定時間が短いのこと。一方、I/Q信号を直接デジタルデータに変換するZero-IF(直接変換)アーキテクチャは、比較的安価で帯域幅が広く、EVM(Earned Value Management、エラーベクトル振幅)やコンステレーション(Constellation)の表示に適しています。これらのアーキテクチャよりも入力のダイナミックレンジが広く高精度の解析に向いているのがマルチステージアーキテクチャです」(日本ナショナルインスツルメンツ テクニカルマーケティングマネージャの久保法晴氏)。

図3 RF信号アナライザの主なアーキテクチャ
[画像のクリックで拡大表示]

NI PXIe-5665は、入力帯域幅14GHzで20Hz~14GHzと入力周波数範囲が広いうえに、ノイズフロアや位相ノイズが徹底的に抑制されており、単機能のスタンドアロン型VSAに匹敵するパフォーマンスを発揮する。しかも、別売のFPGAモジュールと組み合わせてアプリケーションを高速で動作させることで、従来のスタンドアロン型で構成した測定装置に比べて計測時間を格段に短縮できる可能性がある。「複数の通信システムが一体化した機器では、それぞれの通信システムの出力が互いに影響する可能性があります。こうした状況を解析するうえで、高精度が特長のスーパーへテロダイン方式が有利です」(久保氏)。

通信システムの複雑化という課題に直面する技術者にとって多くの利点をもたらすスーパーヘテロダイン方式のRF信号アナライザ。その原理や基本特性を知ることで、一段と効果的に使いこなすことができるはずだ。そのためにNIでは、スーパーヘテロダイン方式の原理や測定方法などをわかりやすく解説した技術資料「スーパーへテロダイン方式信号アナライザ ~計測と解析の基礎~」を無料で提供している。信号解析の基本から具体的なアプリケーションまで幅広く網羅して丁寧に説明したこの資料は、RF信号回路の設計にかかわる技術者に多くの役立つ情報を提供するはずだ。是非、手元に置いておきたい。

お問い合わせ
  • 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社
    日本ナショナルインスツルメンツ株式会社


    〒105-0012 東京都港区芝大門1-9-9 野村不動産芝大門ビル8F
    フリーダイヤル:0120-108492
    FAX:03-5472-2977
    URL:http://ni.com/jp
    E-Mail:salesjapan@ni.com