このプロジェクトが目指していること
日本の妊娠適齢期の女性は20代を中心に、エネルギー・栄養ともに不足した栄養失調状態に陥っています。こうした栄養状態では、体は痩せすぎてエネルギー不足に陥り、疲れや肌荒れ、メンタルの不調や月経異常につながりやすく、不調の多い状態に。こんな状態では日常生活でも仕事でも生産性が落ちてしまいます。
さらに、痩せた女性が妊娠すると、赤ちゃんもおなかの中でエネルギー不足となり、出生体重2500g未満の赤ちゃん(低出生体重児)が生まれやすくなります。実際日本では1980年代から低出生体重児の割合が増加しており、女児では10%を超えています(2016年)。これは、先進国の中で最も高く、最近の研究を通じて、栄養不足の母体から生まれる低出生体重児には、さまざまな健康リスクが生じることが分かってきました。
そこで本プロジェクトでは、働く女性、また、これから赤ちゃんを産もうとする若い女性たちに以下のことをお伝えし、活動を続けてまいります。
(1)体の栄養状態を良く保つことの大切さ、やせすぎた体が自分の体調や仕事のパフォーマンスに与える影響、栄養不足が招く赤ちゃんの健康への影響を最新の研究をベースにお伝えします。
(2)丈夫な赤ちゃんを産み、より良く育てるための方法を分かりやすく、正しくお伝えします。
(3)低栄養状態の改善に寄与する製品・素材の紹介、生活習慣の提案などの解決策(ソリューション)を研究機関、企業、流通、自治体関係者の協力も得ながら考えていきます。
(4)ヘルシー・マザリングに対する新しい社会的なコンセンサスを形成していきます。
オンラインで
「ふたり妊活セミナー」を開催
妊活を始めるなら2人一緒に!がおススメ。栄養や生活習慣などの見直しチェックや、気持ちを合わせるコツなどを話し合ったセミナー動画とセミナー資料はこちらから。
あなたと新しい命の元気と幸せのためにヘルシー・マザリング
本プロジェクトでは、これから赤ちゃんが欲しいと思っている人が、健康で元気な赤ちゃんを産み、育てるために、自分の栄養や食事、生活習慣を賢くケアすることを、「ヘルシー・マザリング(Healthy Mothering)」と名付けました。
同時に、健康な赤ちゃんを産める体づくりは自分自身の最適な健康状態をキープすることと一致します。
マザリング(Mothering)という言葉には、子供を愛しみ、育てるという意味と「これから母親になる」という未来に向けた意味が込められています。
SDGsのプロジェクトとして展開
ヘルシー・マザリング・プロジェクトは、国連加盟193カ国が2016年~2030年の15年間で達成するために掲げた目標であるSDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の取り組みの中から、以下の6つの目標を解消することも同時に目指しています。

2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
8.働きがいも経済成長も
12.つくる責任 つかう責任
ヘルシー・マザリング・プロジェクト ADVISORY BOARD(50音順)

五十嵐 隆さん
小児科医。国立成育医療研究センター理事長。東京大学医学部附属病院副院長などを経て現職。日本小児科学会元理事長。東京大学名誉教授。主な著書に「小児腎疾患の臨床」(診断と治療社)など。

佐藤 雄一さん
産科婦人科舘出張(さんかふじんかたてでばり)佐藤病院院長。産婦人科専門医のほか生殖医療や抗加齢医学、スポーツドクターなど各専門医の立場から、女性の生涯にわたる心身の健康を支援していくことをライフワークと考え、予防医学の観点からの活動にも取り組む。

福岡 秀興さん
産婦人科医。日本DOHaD学会代表幹事。早稲田大学ナノライフ創新研究機構規範科学総合研究所招聘研究員、福島県立医科大学特任教授。日本のDOHaD研究の第一人者として、妊娠中や思春期、乳幼児期の食の問題に取り組む。

細川 モモさん
予防医療コンサルタント。Luvtelli Tokyo&New York.代表理事。米国で最新の栄養学を学び、International Nutrition Supplement Adviserの資格を取得。2014年、三菱地所と共同で東京・丸の内に「まるのうち保健室」を立ち上げ、国内初となる「働き女子1,000名白書」をまとめる。

山城 雄一郎さん
小児科医。順天堂大学大学院プロバイオティクス研究講座特任教授。専門は小児の栄養、消化器疾患。DOHaDの重要な因子として腸内細菌と栄養の関係から妊娠前から妊娠中そして授乳中の母体、および出生児の腸内細菌研究も行う。

吉村 泰典さん
産婦人科医。慶應義塾大学名誉教授。日本産科婦人科学会理事長、日本生殖医学会理事長を歴任した不妊治療のスペシャリスト。これまで2000人以上の不妊症、3000人以上の分娩など、数多くの患者の治療にあたる。第2次~第4次安倍内閣では、少子化対策・子育て支援担当として、内閣官房参与も務める。「一般社団法人 吉村やすのり生命の環境研究所」を主宰。
日経BP総研 メディカル・ヘルスラボ担当

黒住 紗織
日経BP総研 主任研究員
1984年筑波大学卒業。1990年日経BP社入社。『日経ヘルス』『日経ヘルスプルミエ』、編集委員を経て現職。月経の異常など女性ホルモンにかかわる婦人科疾患、更年期、乳がん、子宮筋腫などの女性医療や予防医療を中心に、健康・予防分野の取材活動を行う。著書に『わたしのカラダは私が守る 女性ホルモンの教科書』(共著、日経BP社)がある。メノポーズカウンセラー。女性の健康とワークライフバランス推進員。

西沢 邦浩
日経BP総研 客員研究員
早稲田大学卒業。1991年日経BP社入社。1998年『日経ヘルス』創刊と同時に副編集長に着任。2005年より同誌編集長。2008年に『日経ヘルス プルミエ』を創刊し、2010年まで編集長。同志社大学生命医科学部委嘱講師。日本腎臓財団評議員、コンディショニング研究会アドバイザー、「日本を健康にする!研究会」幹事などを務める。著書に『日本人のための科学的に正しい食事術』がある。
(2019年10月現在)
ヘルシー・マザリング・プロジェクト PARTNER
(50音順、2021年8月現在)
こんなアイテムが、忙しいあなたの栄養補給をサポート
「企業による女性従業員の健康支援」をお手伝いするプログラムがスタート!
「働き女子・ウエルネス・プログラム」
男性と女性の健康維持の課題には性差があります。働く女性が増えた今、企業が女性特有の健康問題への支援を行うことが、業務のパフォーマンスをあげ、女性の離職防止につながることがわかっています。「働き女子・ウエルネス・プログラム」は、貴社の女性社員の現状と健康課題を「見える化」し、健康測定と啓発セミナー、ワークショップを通じて、女性社員の意識改革をサポートします。
詳しくはこちらをご覧下さい。
プロジェクト活動の例
「ヘルシーマザリング・プレス」を通じて連載記事発信
記事の一例
- 気を付けて!お母さんの「栄養不足」が赤ちゃんの将来の病気を招きます
- 小さい赤ちゃんが増え、日本人の平均身長が縮んでいる!
- 小さく生まれてしまったら、どうすればいいの?
- 取りにくい「鉄」を手軽に補充できる2つの方法
- 「健診で貧血なし」でも油断しないで!肌荒れや疲れの原因は鉄不足かも
- 妊活は食事から!不足しがちな栄養が取れる簡単レシピ
- 「菌活」で腸内環境改善を 胎児の健康にも影響
など

啓発セミナー
2018年12月1日 開催 WOMAN EXPO TOKYO(東京ミッドタウン)にて
「ヘルシー・マザリングプロジェクト」連動セミナー&トークショー
「仕事も妊活もパワーアップ!働く女性が知っておきたいカラダのこと、大切なこと」
産科婦人科舘出張佐藤病院 佐藤雄一院長の基調講演と、北陽の虻川美穂子 さんを迎えたトークショー、パートナー企業のミニセミナーなどで、180人の聴衆にメッセージしました。

研究会及びプレスカンファレンス
年4回、外部の研究者、医療関係者、流通や一般事業会社の女性の健康推進担当者らを迎え、パートナー企業様と研究会を開催。情報を共有し、議論し、知識を深めました。
2018年11月には、京都大学名誉教授・元総長 井村裕夫氏 、日本DOHaD学会代表幹事 福岡秀興医師を迎えて、メディア関係者向けのプレスカンファレンスを開催。若い女性の栄養不足が、社会に与える影響について、メディア関係者の方々にも訴えました。

日経ヘルスにて、パートナー企業からメッセージを発信
プロジェクトの活動を伝える一環として、日経ヘルス2019年2月号にて、メッセージ記事を発信しました。

2019年度のプロジェクト活動の例
啓発セミナー
2019年5月に、女子栄養大学で管理栄養士を目指す4年生約200人を対象に、「若い女性の低栄養と、そこから発する社会的な課題。管理栄養士に期待される役割について」というテーマで特別授業を実施した。

2019年8月―11月に、大日本印刷様と明治様の協力で「オフィスでたんぱく質ちょい足しプロジェクト」を実施。女性社員への栄養の講義と姿勢を保つ方法、身体測定を行い、たんぱく質をオフィスで食べてもらって、気持ちや体の変化を前後で感じてもらう試みを実施。

情報発信
ヘルシー・マザリング・プレスのほか、日経ヘルスにて「女性のカラダと栄養基礎講座」連載をスタート。

各企業のメッセージを2020年2月号の日経ヘルスで発信

活動に関心をお持ちの企業・自治体・研究機関の皆様
ヘルシー・マザリング・プロジェクトは、食品業界や流通などの企業、自治体、研究機関などとの連携を深めて、この問題の活動に取り組みたいと考えています。このプロジェクト活動に関するお問い合わせは、【日経BP社お問い合わせフォーム】よりお寄せください。その際には、必ず「ヘルシー・マザリング・プロジェクト」と明記していただきますよう、お願いいたします。