働くパパに、今、できること 〜保育園と職場で風しん感染を防ごう〜
働くパパに、今、できること 〜保育園と職場で風しん感染を防ごう〜

今、働くパパ世代の40代男性の間で、感染症の1つである「風しん」が流行しているのを知っていますか?
風しんとは一体どんな病気なのか? どんなリスクがあるのか?
なぜ40代男性が多く罹っているのか? どうしたら感染を防げるのか?
知っているようで知らない感染症「風しん」。
その流行の背景や対策法について、わかりやすく解説します。

まずは、風しんを知ろう

風しんは、風しんウイルスを原因とする、急性の発疹性感染症です。感染すると2~3週間後に発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れますが、無症状の場合や、まれに重篤な合併症を併発させる場合もあります。特に大人がかかると、高熱や発疹、関節痛が長引くなど、子どもより重症化することがあります。

そして、風しんで最も大きな問題になるのが、妊婦が感染した場合です。風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が罹患すると、風しんウイルスが胎児に感染して、眼や心臓、耳等に障害をもつ、「先天性風しん症候群」の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。

風しんの主な感染経路は人から人への飛沫感染です。発疹の出る前後約1週間は人に感染させる可能性があり、その感染力は、免疫がない集団において、1人の患者から5~7人にうつすほど強力です(インフルエンザの場合には、1~3人程度と言われています)。

そんな風しんの最も有効な予防法がワクチン接種です。現在は、男女とも幼児期に2回の定期予防接種が義務付けられており、それにより、95%以上の人が風しんウイルスに対する免疫を獲得できると言われています。

40代の働くパパに風しん罹患者が多い理由とは

上のグラフは、国立感染症研究所が、2012〜2019年の風しん発生動向をまとめたものです。罹患者数は男性の方が圧倒的に多く、中でも40代が突出しているのが見て取れます。近年の風しんの流行は、40代男性がその中心を占めているのです。

では、一体なぜ、40代男性の間で風しんが流行してしまうのでしょうか。それは、この世代の男性の多くが、風しんの抗体(免疫)を持っていないから。実は、昭和54年4月1日以前に生まれた男性は、子どもの頃に、公費による風しんワクチンの集団接種の機会がなかったのです。

こうした背景を受け、今、厚生労働省が各自治体を通じて、昭和37年度~昭和53年度生まれの男性に、段階的に風疹の抗体検査とワクチン接種の無料クーポン券を発行しています。

風しんは、ワクチン接種で予防できる感染症です。自身や家族への感染を防ぐため、また、日常生活で深くつながりのある保育園や職場での流行、そうした場でつながる妊婦さんへの感染を防ぐためにも、40代を中心とした働くパパが、感染対策への一歩を踏み出すことがとても重要なのです。

〜保育園と職場で風しん感染を防ごう〜プロジェクト

 人が集まるところでは感染リスクが高まります。職場と保育園、DUAL世代の生活に必要不可欠な2つの場所は、働くパパママを介してつながっています。だからこそ、働くパパママの感染症対策が重要です。職場の感染症対策を行うことが、保育園の感染症予防につながり、そして保育園の感染症予防がDUAL世代のお子さんの感染症予防になり、結果的に職場での生産性の確保にもつながります。

 まずは、働くパパ世代を中心に風しんが流行している現実を知り、職場での感染を起こさないために、抗体検査、ワクチン接種へ一歩を踏み出しましょう(現在、厚生労働省では風しんワクチン未接種世代<昭和37〜53年生まれ>の男性を対象に無料クーポンを配布、職場での対策を呼びかけています)。

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SPECIAL THANKS

高橋謙造さん
帝京大学大学院公衆衛生学研究科 教授 小児科医、国際保健学修士、医学博士。離島(鹿児島県徳之島)、都市部(千葉県松戸市)での小児科修行を経て、順天堂大学公衆衛生学教室助手、厚労省国際課専門官等を経験。専門は、国際地域保健、母子保健、感染症対策等。現場に関わって問題解決を考える主義。「保育園と職場で風しん感染を防ごう」プロジェクトでは監修を務める。http://www.med.teikyo-u.ac.jp/~tsph/members/ktakahashi.html

特定非営利活動法人ファザーリング・ジャパン 「Fathering(父親であることを楽しもう)」の理解・浸透を目的として2006年に設立された特定非営利活動法人(NPO法人)。300人以上の会員が全国で活動。働き方改革・ワークライフバランス・男性育休を推進する管理職養成事業「イクボスPJ」には300社以上が参加。https://fathering.jp/index.html

●協賛:アボットジャパン
●協力:ファザーリング・ジャパン