最新エイジングケアと
デジタルを活用した
セルフメディケーション

「Digital Health FES 2019」レビュー
2019年11月17日 東京・大手町

2019年11月17日、賢く年齢を重ねるコツやデジタルを活用した健康管理など、美容と健康の最新情報が満載の「デジタルヘルスフェス2019」が開催された。ラグビーの廣瀬俊朗さんやバドミントンの池田信太郎さんをはじめ第一線で活躍する方々が登壇し、会場は健康に関心の高い来場者で満席となった。

老ける原因はAGEにあった!エイジングケアのキーワード「糖化」とは?

昭和大学医学部糖尿病・代謝・内分泌内科学の
山岸昌一教授

 最初に登壇したのは、糖尿病やメタボリックシンドロームなどを専門とする昭和大学医学部糖尿病・代謝・内分泌内科学の山岸昌一教授。最近わかってきた老化が起こる原因から、「賢く老化を防ぐ生活の知恵」をテーマに講演。

 たんぱく質は生きていくうえで欠かせない栄養素だが、糖がべったりとついたたんぱく質は機能を失って茶色く焦げたようになる。白くプルプルしたコラーゲンのようなものではなく、ゴワゴワのゴムのようになってしまったたんぱく質(終末糖化産物)のことを「AGE(エージーイー)」と呼ぶことについて山岸教授が説明。最近ではこのAGEが溜まることが老化につながっているのでは、と考えられているという。

 次に、インスリンの機能が障害されて高血糖が続いてしまう糖尿病について、「糖尿病の人は普通の人よりAGEが溜まりやすく老化も早まる。健康寿命が平均の15年短い」と解説。心臓病やガン、脳卒中、認知症などのリスクが高まると山岸教授。

 人間が生きるためには糖はエネルギー源として必要不可欠であり、まったくとらないというのは不可能。しかし今、500m歩けば高カロリーで安いものがいくらでも食べられる時代だ。血糖を上げるほうに偏っている人間の体のつくりと、環境がミスマッチであるためにAGEが溜まりやすくなり、糖尿病の人が増えている現状にもつながっているという。

 AGEは加齢とともに溜まっていくものの、「AGEを抑えられれば老化を予防できる」と山岸教授。実際、一卵性双生児を見比べた老け顔の研究では、老け顔の人の方が7年ほど寿命が短かったことを説明、「人は見た目です!」と山岸教授の放った言葉に、会場には笑いが起こった。

 最後に、今日からできるAGEを抑える方法を伝授。食事は時間をかけてゆっくりとる、ドカ食いをしない、白米より玄米、ジャガイモよりサツマイモ、お酢の料理を取り入れる、AGEを多く含む高温で揚げたり焼いたりしたものをとりすぎないなどの食生活のほか、食後はすぐに運動を心がけるなど日常生活に取り入れやすいことをアドバイスしてくれた。また、AGEの生成を抑える働きのあるスルフォラファン(ブロッコリースプラウト)、ケルセチン(玉ねぎの皮)などを紹介し、上手に食べることで賢く老化を防ぎましょう、と締め括った。

廣瀬氏と池田氏が語る、日本代表が強くなったわけ

 続いての講演では、元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗氏、元バドミントンオリンピック選手の池田信太郎氏を迎え、日経BP総研上席研究員 品田英雄の進行により、日本のラグビーとバドミントンはどうして強くなれたのかについて解説。

 バドミントンについては、2004年に就任し、リオ五輪で日本に初の金メダルをもたらした朴コーチの功績が1番に挙げられるが、「これまでメインだった企業が選手を育てるというスタイルではなく、企業は日本代表の海外遠征派遣をサポートする役割にシフトした」(池田氏)ことの影響は大きく、選手がバドミントンに集中できる環境も整ったという。

池田信太郎氏
元バドミントンオリンピック選手/フライシュマン・ヒラード・ジャパンFHスポーツ&エンターテーメント事業部シニアコンサルタント/東京2020オリンピック・パラリンピックアスリート委員会委員
廣瀬俊朗氏
元ラグビー日本代表キャプテン、ラグビーワールドカップ2019公式アンバサダー/スクラムユニゾン発起人

 一方、ラグビーも2012年、監督がエディー・ジョーンズになって大きく変わった。負けるのが当たり前、という意識を改革、「GPSやドローンを使った練習を導入して、小さな成功体験を積み重ねることで、できるという意識を選手が持つようになった」(廣瀬氏)。

 データを集めて活用するなど、スポーツも科学的になってきたか、という質問に対して池田氏は、「2007年ごろ分析班ができて、対戦相手の動画をショット毎にまとめられるようになった。しかしバドミントンの場合は、その時の点差によってもショットが変わってくるので、参考にはするがデータとしての活用は難しかった」と話す。

 「ONE TAP SPORTSというツールを活用していて、選手たちが個別に疲労度などを入力する。監督が疲労度を見極めて練習内容を決める。限界ギリギリまで鍛え上げられた」と廣瀬氏がラグビーでのデータの活用方法を話した。

 さらに、今後のスポーツの発展について、池田氏、廣瀬氏ともに、また観戦したくなるようなサービスや工夫が必要だと言う。米国のようにスポーツ産業を盛んにしていくには、来年に迫る東京五輪以降をどうしていくかが課題になると語った。