スマートグラスでここまで業務は改善する!エプソン MOVERIO Pro 活用事例

人手不足が止まらない。特に建設業を中心に現場作業員の不足が深刻化している。それに伴い熟練作業員の確保が困難になっており、経験の浅いスタッフにいかに活躍してもらうかが、多くの企業の課題となっている。そこで関心が高まっているのが、現場作業の効率化を実現するウェアラブル端末。とりわけスマートグラスはハンズフリーでマニュアルなどを参照できるので、現場作業にうってつけだ。そのなかでも、エプソンのMOVERIO Pro BT-2000は、双方向通信が可能で、遠隔地の熟練者が現場作業員の視点で現場を確認し、的確な指示が可能。軽量で装着感にも優れ、既に多くの企業に広まっている。その中から、3社の事例を中心に紹介する。

より的確で安全な現場作業を効率よく実現

MOVERIO Pro BT-2000は、業務支援用両眼シースルータイプのスマートヘッドセット。従来多くの現場で行われて来たモニターや紙のマニュアルなどを見ながらの作業にMOVERIO Pro BT-2000を活用することによって、作業対象物とマニュアルなどを重ね合わせて確認できるようになる。両眼タイプで画面が大きいので、細かいマニュアルや図面共有が可能。しかもシースルータイプなので、映像と周囲の状況を、違和感なく重ねて確認できる。

両眼シースルータイプなので、視野内の広いエリアに情報を表示でき、視線移動が最小限ですむ。そのため疲労感が少なく、作業中の利用に最適。投写中も周囲を見ることができるので、安全面にも配慮できる。

ハンズフリーで作業できる点も大きなポイント。ヘッドセット型なので装着性もよく、長時間かけていても疲れない。使っていないときは片手で簡単に跳ね上げられ、実際の視野を確保することもできる。

MOVERIO Pro BT-2000は、遠隔地にいる作業支援者との映像と音声によるコミュニケーションがとれる。単体で作業に関する情報を表示するだけでも十分効果があるが、この機能を使うことで、作業者の経験が浅くても、遠隔地の支援者が現場の状況を正確に把握し、的確な指示が可能。たとえば、作業者の目の前の映像に丸を付けるといったことができるので、経験不足によるミスを未然に防ぐことも可能だ。

また、IMU(慣性計測ユニット)を搭載しているので、高精度に位置情報を把握。広大な工場や倉庫などでも、確実に目的地にたどり着ける。このIMUのデータにより作業者の行動ログを取得することもできる。動線や移動距離、滞在時間、姿勢などを確認することで、今まで気づかなかった課題や改善点を発見できるようになる。

MOVERIO Pro BT-2000には、パートナーによるアプリケーションが豊富に用意されている。これらを活用することで、すぐに使い始めることができる。また、パートナー向けの「パートナープログラム」もあり、アプリケーション開発やプロモーション、運用保守などの支援が受けられる。MOVERIO Pro BT-2000を活用したビジネスを検討したいという企業は、チェックしてみてはどうだろうか。

ディスプレイ部ははねあげ構造なので、不要な時には視野から外せる。映像や画像を見たり、画面を作業面に重ね合わせて表示させたい時にはディスプレイ部をセットし、作業対象を見たい時には片手で上部にずらしてホールドできる。

作業をしながら使用することを考慮し、頭部にしっかり装着できるヘッドセット型を採用。本体重量が頭部にバランス良く配分されるため、軽い装着感で違和感なく利用できる。キャップ型の帽子をかぶっていても装着可能だ。

安心・安全を確保しつつ、各地の局舎保全業務の効率化を目指す

東日本電信電話株式会社
高度化推進部 運用推進部門
ネットワークインテグレーション
担当課長
門野 貴明氏 (2016年6月時点)

東日本電信電話株式会社のネットワーク事業推進本部高度化推進部では、研究開発から運用・導入に向けた検討までを幅広く担っている。門野貴明氏が所属する運用推進部門は、同社のキャリアネットワーク全般の保全業務を革新しようとしている。17都道県に位置する3000超の局舎(建物)に収めた膨大な通信機器を効率よく、コストを掛けずに運用し、安心、安全なサービスを提供しなければならないからだ。

「当社グループには高度なスキルを持った現地技術者がおり、機器を維持管理し続けていますが、更に効率化するために、ハンズフリーで作業可能なウェアラブル機器を用いた保全業務が効果的ではないかと考え、検討しています」(門野氏)。

保全作業では、計画的な改良工事の他、突発的な機器の不具合にも対応している。保全作業は年間で万単位の件数があり、過疎地にも局舎がある。こうした中、どのような効率化が可能なのだろうか。

局舎内では現地技術者が二人一組を基本として動く。保全業務の内容を記した指示書を携えているものの、数百数千の機器、ケーブルから対象を探し出すには時間がかかる。「全ての機器やケーブルに番号を振っていますが、数が多いために特定に時間を要するケースもあります。ネットワークサービスの維持を重要視し、複数人を基本として作業しています」(門野氏)。

現地技術者が音声で遠隔オペレーターと連携しながら作業を進めているが、局舎内は空調などが発する騒音のために、コミュニケーションがとりにくいこともあり、現状のままでは効率化や改善は難しい。

MOVERIO Proに期待していることは、現地技術者と遠隔オペレーターの二人一組での作業で品質を維持し、作業効率を高めること。「PCなどの作業端末では両手が自由にならないため、効率が落ちてしまいます。MOVERIO Proならハンズフリーで作業可能なため効率は落ちないと期待しています。双方向の音声通信ができるため、従来と同様に機器を確認できます。さらに、現地技術者の視野内にある機器を遠隔オペレーターでも確認できるため、信頼性が高くなると期待しています」。

MOVERIO Proを使用することで、局庁内での作業がどのように変わるのだろうか。遠隔オペレーターの目の前にある 監視端末には、現場のMOVERIO Proから送られてきた映像が写り、相互に状況を確認しながら作業を進められる。

「作業位置までの誘導がスムースになり、位置に付いた後は、遠隔拠点に置いた監視端末で、ピンポイントに機器やケ ーブルを確認できます。監視端末の画面に機器を囲む図形などを描くと、現地技術者には、機器にオーバーレイ表示された図形が見えます。ケーブルに貼ったラベルなども読み取って、さらに正確な作業指示が行えるように、内蔵カメラの画質調整を進めています。」(門野氏)。

門野氏はMOVERIO Proを使う前から、各社のスマートグラスを評価しているという。「MOVERIO Proは映像表示部が跳ね上げ式になっており、ふだん眼鏡を掛けている技術者でも使いやすく、装着性が高い。両眼式を採用したMOVERIO Proは現場から『表示が見やすい』という評価を得ています」。

保全対象となる機器やケーブルを確実に選択できる。

作業担当者の見ているものが分かり、文字や図形で注意を促す。

2016年度に各地の現場でトライアルを繰り返し、導入に必要な品質と機能を見極めることを目標にしているという。「局舎内で実績を積んだ後は屋外などにも利用範囲を広げ、さまざまな業務への応用を考えていきたい」(門野氏)。

▲ページの先頭へ