Case Study グリー 情報システム部門が手にした新たな武器 グループ経営を支えるITサービスマネジメント手法とは

子会社増加に伴い、社内ITサービス提供の運用効率化が急務に

グリー株式会社 情報システム部長 村上 智氏
グリー株式会社 情報システム部長 村上 智氏

「インターネットを通じて、世界をより良くする。」というミッションを掲げるグリー。現在は、モバイル向けソーシャルゲームの開発・運営を中核に、住まいやヘルスケアなどのライフスタイル事業、コミュニティ・メディア事業、広告・動画事業など、インターネットビジネスのさまざまな可能性を追求している。

事業を拡大するために同社は、新たな子会社の設立やM&Aを積極的に実施してきた。しかし、子会社の増加により、情報システム部門は新たな課題に直面することになった。

同社の情報システム部長 村上 智氏は、その課題を次のように説明する。

「子会社が増えれば、当然ながら業務を行うためのPCやサーバー、ネットワーク、グループウェア、ソフトウェアなどのIT設備が必要になります。これらは子会社が独自に契約・導入することも可能とは思いますが、それだとムダなコストが発生しますし、子会社独自の管理も必要になります。インターネットビジネスにおいては、いかに事業の立ち上げをスピーディーに行えるか、また立ち上げ後の運用負荷もいかに軽くするかがその後の競争にも大きく影響します。当然ながら子会社側もそうした共通業務になるべく手間はかけたくありません。そのため、子会社が増えるにしたがって、こうした共通的なITサービス機能はグループ本社側でパッケージ化し、迅速に情報システム部門から提供していく必要性が子会社、本社側の双方で高まっていたのです」


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包括的なITサービスマネジメント・プラットフォームとしてServiceNowを導入

グリー株式会社 情報システム部 ITマネジメントグループ シニアマネージャー 岡田 寛史氏
グリー株式会社 情報システム部 ITマネジメントグループ シニアマネージャー 岡田 寛史氏

課題を解決するために、同社が考えたのがITサービス運用におけるベストプラクティスであるITIL準拠の統合的なITサービス運用フレームワークの導入だ。複数のITサービスマネジメントツールの製品を比較し、最終的に選択したのがServiceNowである。

「ServiceNowのITIL準拠のITサービスマネジメントの豊富な機能性と柔軟なカスタマイズ性を確認し、我々がやりたいことをほぼ実現できるツールだと判断しました。いろいろな会社の製品も検討したのですが、FAQシステム(ナレッジ管理)、IT資産管理、インシデント管理、ワークフロー管理、IT運用タスク自動化などもServiceNowでは標準でメニューが用意されていますし、最初は小さくはじめて、適用範囲を徐々に拡大することで更に大きなメリットが出せると確信しました」と情報システム部でシニアマネージャーを務める岡田 寛史氏は話す。

また、海外におけるServiceNowの導入実績、知名度の高さも導入を後押しした。

「米国では我々と同じインターネット企業のみならず、製造業から金融業まで数多くの業種や様々な規模の企業でServiceNowの導入がかなり進んでいることがわかりました。また、弊社の米国子会社のIT部門責任者も前職時代にServiceNowを使っており、彼に強く勧められたことも後押しになりました。日本での導入実績も少しずつ増えてきてはいましたが、米国では ITサービスマネジメントの領域で、ServiceNowがほぼデファクト・スタンダードになりつつある、ということが確認できたことも大きかったですね」(岡田氏)。

ServiceNowのポートフォリオ

ServiceNowのポートフォリオ

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もう1点、同社がServiceNowを高く評価したのが、独自開発のしやすさだ。

「IT運用という業務の性質上、他社とも共通化できる部分も多いのですが、我々としては社内システムにおいても独自開発が容易に行えるaPaaSとしてのServiceNowの可能性に大きな魅力を感じていました。ServiceNowプラットフォーム上に用意されている統合開発環境内で、開発・ビルド・デプロイが迅速に行えること、またITIL準拠の膨大な標準機能テンプレートを再利用できること、Developer CommunityやWikiも活発で世界中の開発者のノウハウやベストプラクティスがオープンに議論されている点にも共感しました」と岡田氏は続ける。


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社内FAQ、IT資産管理を3カ月で順次リリース

ServiceNowを正式に採用して、同社はすぐに社内FAQシステムの構築に着手。そこで、ServiceNow活用の勘所を確かめ、真の狙いであるITサービスマネジメント全体の標準化・効率化に取り組んだ。

まず行ったのがIT資産管理である。「会社全体の方針として、管理会計をしっかりやっていこうという背景がありました。ゲームタイトルごとの損益、各部門のバランスシート等を徹底的に見える化する動きがあったのです。ただ、情報システム部門としては、そこに十分に追随できていない部分がありました。具体的には、ハードウェアやソフトウェアなどのIT資産情報をレコードとして把握はできているものの、コストを見える化する過程において、集計処理を一部、手作業で行っていたため、リアルタイムで情報提供できていませんでした。そこで、IT資産の状況をリアルタイムに把握し、情報提供できる仕組みを構築する必要があったのです」(村上氏)。

社内FAQシステム、IT資産管理システムのいずれも情報システム部のメンバーが自ら開発を担当し、いずれも約3カ月の開発期間でリリースすることに成功したという。


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IT資産の徹底的な可視化を実現

IT資産管理機能は、IT資産の可視化という点で、すぐに目に見える効果を発揮した。

「ServiceNow上のIT資産管理サイトにアクセスすれば、誰が、何を、どのように使っているかがリアルタイムにわかります。切り口も自由に変更できます。たとえば、部門単位で見ることはもちろん、特定のマネージャの配下にいる人達が使っているハードウェアやソフトウェアの情報だけでなく、部単位で発生しているコストもすぐに確認できます」と村上氏は言う。

それまで、手作業で行っていた集計作業も完全に自動化され、集計作業に携わっていた担当者は、より生産的な業務につくことが可能となった。

さらに村上氏は、新しいIT資産管理システムにより、社員のあいだに、より高いコスト意識が働くようになることを期待していると語る。

「ServiceNowを利用すると、マネージャやディレクターが、自分たちの部門やチームで使っているソフトウェアやハードウェア情報とそのコストをリアルタイムで確認できます。また、人事システムとも連携しているので、入社/退社/異動情報も自動的に反映されます。こうしたIT資産の徹底的な可視化が社員のコスト意識に影響を与え、調達コストの削減につながるのではないかと期待しています」。


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ServiceNowのポテンシャルを引き出す取り組みは続く

他にも同社におけるServiceNowの活用は、様々な広がりを見せている。以下に代表的なものを紹介する。

・発注オペレーションの効率化

IT資産管理システムで得られた成果が大きかったこともあり、現在は、発注オペレーションの効率化にも活用している。

「例えば、IT資産管理システム上のPCの在庫率から、一定の閾値を下回った場合に担当者に発注を促すようにメッセージを出すなどのリマインド機能も追加で開発し、追加リリースしました。それまでは、PCの在庫情報を担当者がダウンロードして、必要な台数を手動で計算していたのですが、すべてをServiceNow上で完結できるようにしました」(岡田氏)。

・アカウント管理の自動化

IT資産管理についても、同社はServiceNowを使った新たな仕組みを検討している。その1つが、アカウント管理の自動化である。

「弊社内では、何十もの社内システムが動いています。大半のシステムはActive Directoryと連携してシングルサインオンを実現していますが、グループ単位の設定変更や権限の付与/剥奪については、まだ自動化やセルフサービス化が不十分なため運用コストがかかっています。また、一部のグループ子会社では本社の従業員マスタと別のマスタで管理されていたりするので、そうした違いをServiceNow側に吸収させて、グループ内のユーザーアカウントを効率的に管理できる仕組みを考えています」と岡田氏は説明する。

・IT部門以外の領域にも活用が拡大 

さらに、まだ構想レベルではあるものの、IT以外の領域にもServiceNowの活用を検討している。

「例えば、人事のシステムと連携して身上異動の届出をServiceNowでセルフサービス化できるのではないかとも思います。こうした人事サービスにかぎらず、総務・法務など、従業員が何かやりたいときは、ServiceNowにアクセスする環境を構築できるといいですね。」と村上氏は話す。

 

このように同社はServiceNowを活用することで、グループ企業も含めた統合的なITサービスマネジメントを実現した。

「情報システム部門にとっては、ServiceNowは強力な武器となりえると考えています。ServiceNowの豊富な機能に加えて、柔軟なカスタマイズが可能なことは、継続的かつタイムリーな改善につながります」と岡田氏は言う。

また、村上氏も「もともと、ServiceNowは、ものすごくポテンシャルのあるツールだとわかっていましたので、これまでの立ち上がりはすべて想定していたとおりです。今後も、ServiceNowに統合することでメリットを出せるシステムには、積極的に活用していきたいと考えています」と今後の展望を述べる。

限られたリソースで、いかに高い成果を挙げるか──。多くの情報システム部門に突き付けられた命題に対する「解」として、同社の取り組みは大いに参考になるはずだ。


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お問い合わせ

ServiceNow Japan株式会社
www.servicenow.com/jp/
E-Mail:
TEL: 03-5219-1400

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