CASE STUDY Vol.3:ブリヂストン

CASE STUDY VOL3 : ブリヂストン デジタル戦略の推進でソリューション事業者へと変革
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スマホからタイヤの状況をリアルタイムでモニタリング可能に

伊藤 なるほど、タイヤに関するソリューションをサービスとして提供していくわけですね。「タイヤ・アズ・ア・サービス」といえますね。これまでには、どのようなデジタルサービスに取り組んできたのでしょうか。

三枝 最初に手がけたのが、南米やオーストラリアなどにある巨大鉱山に向けたソリューションです。ここでは、タイヤの直径が3~4メートルもある超大型トラックが稼働しています。お客様にとってはとても高価な資産なので、パンクなどタイヤの不具合で稼働が止まることは大問題です。

この問題を解決するため、2012年にタイヤに不具合が発生する前に保全できるようなソリューションを開発しました。「 B-TAG( Bridgestone Intelligent Tag )」と名付けた、マッチ箱ほどの大きさのセンサーをタイヤに装着し、空気圧や温度の測定結果をリアルタイムで運転手や運行管理者に送信する仕組みです。ここで収集したビッグデータを分析して、お客様ごとのタイヤの使い方に適したメンテナンスプログラムを提示するソリューション「 TreadStat 」も提供しています。これを使うことによって、お客様は必要な分だけのタイヤを用意すればよい、つまり余分なタイヤを持つ必要がなくなるので、財務的にも大きなメリットがあると考えています。2017年1月には TreadStat を刷新し、 PC だけでなくスマートフォンやタブレットからも利用できるようにしました。

現在は B-TAG を進化させて、一般のバスやトラックのタイヤにも装着できるようになっています。空気圧と温度を計測し、車両位置情報とともにネットワークを通じてリアルタイムでモニタリングする「 Tirematics 」というデジタルサービスも提供しています。

デジタルサービスの情報が競争優位性を創出

伊藤 タイヤの使い方が可視化できると、顧客企業にブリヂストンの品質の良さを認識してもらえるといったメリットもあるのではないのですか。

三枝 近年にシェアを伸ばしている新興メーカーは価格が安いことを差別化要因にしています。しかし、品質では絶対に負けていませんし、タイヤをきちんと保守すればライフサイクル全体のTOC(総所有コスト)では当社を選択してもらった方が有利になるはずなのです。

従来は、こうしたことをお客様に認識していただくことが簡単ではありませんでした。お客様ごとにライフサイクル全体にわたる情報がなかったからです。しかし、先ほどご説明した Tirematics 、そして2017年に提供を開始した「 BASys 」「 Toolbox 」という3つのデジタルサービスで蓄積した情報を活用することによって、お客様にきちんと伝わるようになりました。

例えば、使用済みのタイヤを再生する際に、お客様から当社の工場に戻ってきたタイヤの品質を可視化できるようになりました。ブリヂストンのタイヤは品質が高く、ライフサイクル全体で見ると優位であるということがデータで示せるようになったのです。これなら、お客様にも納得していただけます。今後は、ベテラン社員の経験や勘に頼って意思決定していた領域でも、データに基づいて判断できるようになると期待しています。

BASys は、リトレッドタイヤの製造・品質・在庫管理システム。リトレッドタイヤとは、使用済みのタイヤのトレッド部分(外表面)を新たなゴムに取り換え、再使用できるようにしたタイヤのことだ。一方の Toolbox は、顧客情報とタイヤに関する情報(基本情報、装着タイヤ情報、タイヤ点検結果など)を管理するデジタルプラットフォーム。世界80カ国以上で使用している。

クラウドなら世界中の拠点へ新機能を即座に反映できる

伊藤 新しいデジタルサービスは、クラウドで提供しているのですか。

三枝 Tirematics 、BASys 、 Toolbox の3つとも「 Microsoft Azure 」上で稼働しています。ビジネスのフィールドがグローバルに広がっている当社では、お客様や多数の拠点が使うシステムをオンプレミス(社内運用)の環境に戻すことは考えられません。

例えば、オーストラリアの拠点で成功した事例に基づいた新機能をすぐに世界中のシステムに反映するといったことが可能になります。オンプレミスでは、世界中に反映するには数週間あるいは数カ月を要することになるでしょう。 BASys や Toolbox では昨年1年間で、十数回の機能強化を行っています。

伊藤 クラウドサービスとして Azure を選定したポイントは何だったのでしょう。

三枝 一番の理由は、マイクロソフトのサポート力です。世界中に拠点が散らばっている当社にとって、グローバルで高品質なサポートを提供してくれるということは選定のポイントとして、とても重要な要件でした。これまでも、グローバルでマイクロソフトとお付き合いがあり、そこでの実績を非常に高く評価しています。

それと、オープンなプラットフォームなので、これまでに蓄積したノウハウがそのまま活用できるというのも、マイクロソフトを選定するという判断を後押ししました。特に、これまでマイクロソフトのソリューションを使ってきた現場からの支持がとても高かったですね。

最新のテクノロジーを駆使した新サービスが続々と登場していることも、Azure の大きな魅力です。「次のデジタルサービスではこんな機能が欲しい」と思ったもののほとんどが、既に提供されているという感じですね。今後は、アナリティクスサービスや「 IoT Hub 」を駆使して、新たなデジタルサービスを開発しようと考えています。

お客さまの困りごとを解決するソリューションプロバイダーになるべく、全社を挙げた変革を推進しています。――三枝幸夫氏

タイヤに関するソリューションをサービスとして提供していく「タイヤ・アズ・ア・サービス」が鍵となりますね――伊藤元重氏

DX成功の鍵とは

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