ユニークな取り組みで成長を続ける先進企業のノートPC活用術(後編)先進企業が教える上手なノートPCの選び方

  • Writer : MOTOKI HONMA
  • Data : 2018/1/30
  • Category : 業務改革

モバイルPCの全社導入が
独自制度を下支え?

昨年2月から個人消費喚起キャンペーンとして政府と経団連が提唱する「プレミアムフライデー」が行われているが、同社ではその約1年半前から独自に同様の取り組みを行ってきたという。

「2015年5月から実施している『金曜どうしよう?』は、毎月第3金曜日の業務をお昼で終了することを促す制度です。この制度をスタートさせた狙いは、ワークライフバランスの向上や労働時間の削減という課題を解決することだけではなく、労働生産性を上げる狙いもありました。例えば、この制度が実施される週の月曜日の朝会では、上長から『今週は金どう(社内では略してこのように呼ばれている)なので、週の頭から生産性を上げていこう』という話をするのです。そういうことが繰り返されるうちに『生産性を上げなければ』という空気が社内に浸透。また、最近では各部署それぞれが主体的にに生産性を向上させる取り組みも行われています。これらのような複数の取り組みを行った結果、労働生産性は確実に上がっていると感じます」と井石氏は胸を張る。

その他にも同社では、社員自らの意思でオリジナルの育成プログラムを受けることができる育成支援制度「グレードアップ宣言」など、ユニークな取り組みが数多く行われているが、いずれにせよ、実際に使われなければいくら優れた制度でも「絵に描いた餅」で終わってしまうだろう。

そこで、同社では制度運用の際には、ある程度の自由度を持たせるのだという。

「例えば『プレミアムフライデー』では、15時になると社内の電気を全部消してしまうという企業さんもあるかもしれません。しかし、弊社の『金曜どうしよう?』は、絶対にお昼に帰らなくてはいけないというものではなく、あくまで『お昼に帰ってもOKです』という制度。その後の時間の使い方は自由です。中には仕事をするにしても、お気に入りのカフェなどのリラックスできる場所に移動して、普段とは気分を変えて作業を行うスタッフもいます。そういう場所だからこそ集中してできる仕事もありますし、良い気分転換にもなるでしょう。仕事にメリハリがつくことで生産性が向上する効果も期待できます。このようなことができるのもノートPCがあるからこそですね」(井石氏)

また、モバイルPCがあれば、いざというときでも対応可能だという安心感があるからこそ、安心して会社を出れるということもあるだろう。つまり、このような制度の定着にもモバイルPCの全社導入が一役買っているという訳だ。

「かつては従業員の数も少なく、労働集約型のビジネスモデルで業務を行ってきたため、残業が非常に多かったのですが、時間外労働時間が年を追うごとに減少しているのは事実です。恐らく、モバイルPCの活用や『金曜どうしよう?』などの様々なオリジナルの取り組みを行うことで、『いかに生産性を上げるか』という思考に社員の意識が変わったことが結果につながっているのだと思います」と井石氏。

そして、労働環境が整うにつれ「新卒採用において、優秀な人材を確保しやすくなっている」(井石氏)ようだ。いまの学生は就職先を選ぶ際、労働環境や働き方を重視する傾向がある。そのため、以上のような取り組みを進めていることが採用に好影響を与えることは想像に難くない。

「ビジネス展開も、社内制度の運用も、良い意味で凝り固まるつもりはなくて、オンデマンドで進めるのが弊社の特徴です」と井石氏が語る通り、ニーズに合わせて柔軟な対応を行ってきたことが成果につながっているのだろう。ビジネスにおいてユーザーのニーズをとらえることが重要な課題であるように、働き方改革など社内の取り組みにおいては、社内の声を反映した制度を構築することが求められるということだ。