ここまで来た! 農業×IT(後編)農家が目の当たりにして実感した
自動飛行ドローンのすごさ

  • Writer : MOTOKI HONMA
  • Data : 2018/1/31
  • Category : 業務改革

“かっこよく稼げて感動できる”
農業を実現するために必要なこと

稲の育成状況をモニタリングできることについて「本当に画期的なこと」だと大越さんは強調する。

「稲を育てている際には、定期的に田んぼを回って稲の状態を確認します。しかし、これだけ田んぼがあると、すべてを細かく見るのは現実的に難しいので、実際は道路側からしか見ていないんですよ。ですので、田んぼの奥の方がどうなっているのかは正確にはわからないし、そもそも田んぼの中に入ってすべてを確認するのは不可能です。その点、これ(ドローン)を使えば、すべての株の状態が簡単に分かるというのです。これで田んぼを見回る頻度は減りますので、かなりの省力化になりますし、これまで以上に正確に稲の状態を把握することができます。そして、モニタリングしたデータを元に収量と食味のバランスがベストな栽培方法を提案してくれるというのですから、例え経験がなくても安定して米を生産できるようになるでしょう。これは本当に日本の農業を変えるものだと期待しています」(大越さん)

ドローンを使うことで省力化への貢献も期待されている

現在、就農人口が減少する中で食料自給率を確保するため、農林水産省などでは新規就農者の育成に力を入れているが、野菜などに比べると、稲作は必要なコストやリスクが高く、新規で始めるのはハードルが高いのが現実。しかし、ドローンがこの状況を一変させるかもしれないのだ。

そして、大越さんは今後の抱負について、「農業は、就労者の高齢化による担い手不足という問題に直面しています。そんな課題に対して、我々のような農家ができることは、いかにその受け皿になれるか?――つまり休耕地になりかねない田んぼを利用して、より規模を大きくしていけるかということに他なりません。我々も今後作付面積を増やしていくつもりですが、それを実現させるには、機械やITの活用は必要不可欠。農業もほかの産業と同様、ITが活用できないと取り残されてしまうと思います。そのための投資はこれまでも行ってきましたし、これからも積極的に行っていくつもりです」と語り、次のように言葉を続ける。

「また、IT活用以上に重要なのが人材の育成です。これまで農業は『きつい、危険、汚い』という3Kの職業だと言われてきました。我々はそのイメージを『稼げる、かっこいい、感動』という3Kに変えていきたい。そうすれば優秀な人材を集めることも可能になると思いますが、その実現のためにもドローンは貢献してくれるものだと考えています。ドローンで作業を効率化できれば、稼ぐことにつながりますし、最先端技術を活用しているというかっこよさも与えてくれると思いますので――」

ドローンの導入には、人件費や農薬などのコスト削減効果、そしてこれまで機械化が難しかった稲の管理など、様々なメリットがあるだけでなく、他の農機とは異なり、工夫次第で色々な利用価値もあるのだ。大越さんが「ドローンは田植え機やコンバインのように、当たり前のように使われるようになるでしょう」というのも納得できる。

高い志をもって、第一線で活躍する農家の方がそう断言するのだ。日本各地の田んぼの上で普通にドローンが飛び回っている――そんな未来は意外とすぐにやってくるのかもしれない。

大越さんの語る「農業の新しい未来」。
その実現にナイルワークスの農業用ドローンは大きく貢献していくだろう。