ベストセラー作家の仕事の流儀とは~作家 池井戸潤氏

  • Writer : ASAMI NAKAMA
  • Data : 2017/12/1
  • Category : デジタル活用、働き方改革

なりふり構わず仕事をする時期がないと、
人は成長しない

池井戸さんが小説を書き始めたのは、大学時代だ。卒業後に銀行員として働くようになってからは、土日に小説を書いていた。通勤電車の中など、わずかな時間を惜しんで読書の時間も確保。そんな生活を7年ほど続けていたという。

「書き上げた小説は新人賞に応募するのですが、だいたい三次選考止まり。それでも、諦めずに書き続けました」

寸暇を惜しんで執筆や読書に励んだ銀行員時代、一人で昼夜問わず働き続けた独立時代、もがき苦しみながら「人」の描き方を掴んだ小説家デビュー後。「書くこと」に常に真剣に向き合ってきた池井戸さんは、現在の「働き方」についてどう感じているのだろうか?

「働き方改革はもちろん大切です。違法残業で過労死した高橋まつりさんのような事件は、あってはならないこと」と、池井戸さんは力を込める。命を脅かしてまで、企業が一方的に従業員に業務を押し付けてはならないと、強く思っている。

その一方で、「情熱を持ってなりふり構わず仕事をする時期がなければ人は成長しないのではないか」という気持ちもある。

「割り振られた仕事を仕方なくこなすだけの仕事はつまらないと思います。新たな企画を提案したり、新規事業の立ち上げに志願したり。前向きな姿勢で働くための工夫が必要だと思います。」

次回、中小企業の今と未来について池井戸氏の考えを聞く。

profile

作家 池井戸 潤 氏

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒業。
1998年、『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を、2011年には『下町ロケット』で直木賞を受賞。これまでの主な作品として、半沢直樹シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』)、『花咲舞が黙ってない』、『ルーズヴェルト・ゲーム』、『民王』、『七つの会議』、『アキラとあきら』などがある。2018年6月15日には映画『空飛ぶタイヤ』が全国公開される。2017年10月期よりTBS系にてテレビドラマ『陸王』が毎週日曜夜9時から放映中。