伝統×デジタル技術で世界に注目される
seccaが金沢でものづくりを行う理由
金沢から日本のものづくりを見つめなおす〜secca.inc 写真左:取締役CCO 柳井 友一氏 右:代表取締役CEO 上町 達也氏(後編)

  • Writer : Motoki Honma
  • Data : 2018/01/17
  • Category : デジタル活用、働き方改革

この会社はクリエーターの
パトロン代わりになればよい

江戸時代、金沢で工芸が盛んになった背景には、加賀百万石という圧倒的な財力があった。だからこそ職人たちは時間やコストにとらわれず後世に残る見事な作品を作ることができたのである。そして、それは現在も変わらない。次世代に残るような見事な工芸品を世に送りだすためには経済的な支えが必ず必要になるという。

「江戸や明治時代の工芸品を見ると、ものすごい時間と手間がかけられた見事なものが数多く残っています。それができたのは経済的な支えがあったからに他なりません。やはり、文化的なものが花開く背景には、必ずパトロンの存在があります。seccaはクリエーターにとって、そんな存在になりたい。クリエーターが1人でお金を稼ぐにはどうしても限界があります。ですので、seccaに複数のクリエーターが集まり、ビジネスとして儲けを出しながら、そこで得た利益を、時間や資金の制約なく、クリエーターそれぞれが持つ技術を存分に発揮できるものづくりに充てていく。この会社を、そのようにお金を回す仕組みのプラットフォームにしていきたい」と上町氏は抱負を述べる。

それ故、同社では、柳井氏の他にも、様々なクリエーターが参加して、多様なプロダクトの製作に取り組み始めているという。

現在は、それなりに品質の良いものが、安く手に入ってしまう時代だ。その結果、モノの本来の価値が見失われてしまいがちだ。そのおかげで本物にこだわるクリエーターたちが、利益を上げるのが困難な時代になっているのは残念なことである。

seccaの活動が広がっていけば、そんな現状に一石を投じることができるかもしれない。金沢から、日本のものづくりが直面している課題に正面から向き合う、同社の取り組みに今後も期待していきたい。

seccaが取り組む“ものづくりのアップデート”に今後も注目していきたい。