IT技術の発展で取り払われたテレワーク導入の障害――
それでも取り組まない企業に待ち受けている未来とは?

  • Writer : Motoki Honma
  • Data : 2017/10/23
  • Category : 業務改革

否定的なことを言うのは
試したことのない人ばかり――

また日本でテクノロジー活用が進まないのには、次のような理由があるという。

「日本には食わず嫌いの人が多い。進化が激しい時代において、最も危険なことは食わず嫌いなんです。例えば、『Web会議やビデオ会議ではコミュニケーションが成り立たない』などと言う人が必ずいますが、そういう人は大体試したことがない人。または過去の経験で話している。今では3年もすればテクノロジーは大きく進化するので、古い経験や情報で判断するのはナンセンスです。まずは取り組みを始めて、トライ&エラーを行うことが重要。いまの時代、企業の経営層は食わず嫌いが進化を止め、それが一番危険だということをしっかり認識するべきです」

また、コスト面の懸念から取り組みを躊躇する経営者もいるが、そんな心配も無用である。

「何も高価なソフトやソリューションを導入する必要はありません。ローコストで使えるGoogle Appsで十分。これでドキュメントもシェアできるし、テレカンファレンスもできる。ビジネスに必要なものは一通り揃っています。無料で利用できるソフトやサービスを利用してもよいでしょう」とのことだ。

「テレワークを行わないと仕事にならない」という夏野氏自身、特別なシステムやハードウエアを使っている訳ではない。

普段、外出時に持ち歩いているのはiPadだけ。この1台にすべてのテレワークツールが収まっているという。

「取締役を務める企業によって使うアプリが違うので、様々なアプリをインストールしていますが、基本的にはこれで事足ります。資料や書類はすべて電子化して、Evernoteに保存。ですので、取締役会に行っても僕の席には資料は置いていません。原稿などのドキュメントファイルはGoogle Driveにアップし、どこでも閲覧、編集ができるようにしています。なお、短い原稿なら、これ(iPad)で書くこともありますが、長文になるとやはりキーボードが必要なので、そのような作業は3つの事務所それぞれに置いてあるMacBookで行っています。ハードウエアを除けば、テレワークにかかるコストはGoogleに毎月払っている250円くらいでしょうか?」